100万ドル級の発見!30年間放置されていたメルセデス 300 SLがポルトガルで発見
2026年6月24日
これ以上ないほど特別な発見だ。ポルトガルで、わずか1,400台しか生産されなかったメルセデス 300 SLが30年ぶりに姿を現した。ガルウイングに秘められたストーリーとは?
納屋や倉庫から希少車が発見される“バーンファインド(納屋発見)”は決して珍しい話ではない。そして、長年失われたと思われていた宝物が再び日の目を見ることも少なくない。しかし、その中でもひときわ輝く発見が存在する。
最近、30年間使われることなく放置されていたメルセデス 300 SLクーペが再発見された。しかし、このクラシックカーで華やかなのはその名前だけだった。発見されたガルウイングは埃と汚れにまみれていただけでなく、ガレージ内でバラバラの状態になっていたのである。
ボディはあちら、シャシーはこちら、さらに部品が詰まった箱がいくつも並んでいた。現在のオーナーの父親がかつてこの車を購入し、レストアを計画していた。しかし、その計画は結局実現しなかった。作業は膨大で、費用も相当なものになると見込まれていたからだ。その結果、この夢のプロジェクトは約30年間もの間、眠り続けることになった。

300 SL専門家が救出へ
しかし今、この伝説的なメルセデスを再び公道へ戻す計画が動き出した。そのために白羽の矢が立ったのが、ドイツ・バイエルン州ポリングに拠点を置く300 SL専門ショップ「HK-Engineering」だ。同社のチームはポルトガルへ赴き、車両の状態確認と搬出作業の準備を行った。
調査の結果、この車は単なる部品の寄せ集めではないことがすぐに明らかになった。車両の履歴は記録されており、オリジナルの書類も残されていた。さらに、新車時の仕様まで判明していた。
その内容は実にエレガントだ。ボディカラーはシルバーグレーメタリック、インテリアはダークブルーレザー、そしてセンターロック式ホイールを装備。まさにその仕様で、このガルウイングは当時納車されていたのである。
コルク樫の木を使った搬出作戦
車両の搬出作業は決して簡単ではなかった。ボディとシャシーが別々に保管されていたため、輸送前に300 SLを仮組みする必要があったからだ。当然ながら、この農園にカ―リフトなど存在しない。
そこで彼らが利用したのは、現地にあったもの―頑丈なコルク樫の木だった。この即席の方法によって作業は進められ、最終的に救出作戦は成功を収めた。
農園にはリフト設備がなかったため、頑丈なコルク樫の木が作業に活用された。
再びガルウイングとして蘇る
こうしてメルセデスは積み込まれ、ドイツ・バイエルンへと運ばれた。だが、本当の仕事はこれからだ。分解された状態で発見されたこの個体を、再び走行可能なガルウイングへと蘇らせる大規模レストアが待っている。
300 SLはわずか1,400台しか生産されなかった特別なクラシックカーである。それだけに、現存する1台でも多くを未来へ残すため、あらゆる努力を惜しむべきではないだろう。
なお、ドイツの中古車市場には現在ガルウイング仕様の300 SLは掲載されていない。しかし、1,858台が生産されたロードスター(コンバーチブル)モデルは販売されており、その価格は約140万ユーロ(約2億6,000万円)となっている。
HK-Engineeringの動画:https://youtu.be/7jkNVKnNK70
Text:Kim-Sarah Biehl
Photo:HK-Engineering

