フェラーリV12モデルをNovitecがチューニング よりパワフルでより軽く
2021年3月17日
チューナーのノビテック(Novitec)は、フェラーリ812にカーボンパーツと新しいエキゾーストシステムを与え、パワーとサウンドを向上させた。これは、特にオープンGTSで楽しむことができるようになっている。最新情報。
フェラーリの最もパワフルなシリーズ生産エンジンは「812」で、おそらく最後の自然吸気V型12気筒のひとつとなるであろう、この「812」に搭載されている800馬力パワーユニットは、オープントップの「GTS」にも最適だ。チューナーのノビテックは、このユニットのサウンドポテンシャルを最大限に引き出すために、「フェラーリ812 GTS」用の新しいエキゾーストシステムを提供している。これにより、サウンドだけでなくパワーも向上している。さらに、エアロダイナミクスを向上させるために、ホイールとカーボンパーツが提供されている。
スポーツエキゾーストで40馬力アップ
812に搭載されている6.5リッターV12は、古典的な方法でドライバーの前に配置されている。オリジナルの自然吸気エンジンは800馬力と718Nmのトルクを発揮するが、ノビテックの開発したスポーツ触媒コンバーターを含む新しいエキゾーストシステムを使用すると、出力は840馬力と751Nmにまで上昇する。ノビテックによれば、もう一つのパフォーマンスキットはまだ開発中だという。0-100km/h加速は、オリジナル「812」のスムーズな3秒の代わりに、2.8秒で通過し、トップスピードは345km/hへと5km/h増加している。
これだけの速度でオープントップにすると、コックピットの嵐は、おそらくどんなヘアスタイルも台無しにしてしまうだろう。ちなみに、0から200km/hまでの新しい加速タイムは公表されていない。シリーズ生産モデルの「812」は8.5秒でそれをおこなう。ノビテックでは、いつものように、排気システムはオプションで、ステンレスかマットコーティングでコーティングして、熱放散を向上させることができるようにもなっている。超軽量インコネル製のシステムを選択すれば、最大11kgの軽量化が可能だ。しかし、約1.6トンの車両重量では、この効果はそれほど大きくはないだろう。
ノビテックでは、走行特性を向上させるために、カーボン製の空力パーツを採用している。フロントスポイラーリップはダウンフォースを増大させ、センターエアインテークのカバーは高速走行時の安定性を向上させる。また、新しいサイドスカート、リアの3ピースティアオフエッジ、リアエプロンのカーボンパーツも空力特性の向上を目的としている。さらに、カーボン製のミラーキャップや各種カーボン製のエアアウトレットホイールを採用し、ボディプログラムを完成させている。加えて、スポーツスプリングによる35mmのローダウンが可能で、オプションで油圧式フロントアクスルリフトも用意されている。ホイールアーチには、ヴォッセン(Vossen)が開発したセンターロック式のホイールが装着されている。
価格はリクエストに応じてのみ提供
写真の車両には、フロントに10×21インチ、リアに12.5×22インチという、ミックスサイズの鍛造ホイールが装着されている。さらにコックピットの大幅なリファインも行われている。その価格は直接問い合わせなくては教えてもらえないが、「812」の標準価格でさえ約32万5,000ユーロ(約4,225万円)なので、かなりの高額になると思われる。
Text: Moritz Doka
Photo: NOVITEC