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【140年、140カ所】新型「メルセデス・ベンツ Sクラス」によるグローバルジャーニー その23 ベトナム、ラオス、タイで見えた「移動の本質」

2026年6月23日

2026年、メルセデス・ベンツ創業140周年を記念して展開されている新型Sクラスのグローバルジャーニー。その舞台は世界140カ所に及ぶが、今回の東南アジア編ではベトナム、ラオス、タイを巡りながら、新型Sクラスが持つ価値を改めて体感することになった。

この旅は単なるロングドライブではない。それぞれ異なる歴史、文化、自然環境、そして人々の暮らしを結ぶことで、「世界をどう移動するか」というSクラスの哲学を浮かび上がらせる旅でもあった。

多様性に満ちたベトナムで見えたSクラスの真価

旅はベトナム北部の山岳地帯サパから始まった。中国国境に近いこの地は、霧に包まれた棚田が広がる幻想的な風景で知られる一方、道路は急勾配とタイトなワインディングが連続する。

こうした環境で存在感を発揮したのが、新型Sクラスに搭載されるAIRMATICエアサスペンションと後輪操舵システムだ。全長5mを超えるラグジュアリーセダンでありながら、狭い山道でも扱いやすく、長距離移動の疲労を大幅に軽減する。その快適性は単なる乗り心地の良さを超え、「移動そのものの質」を高めるものだった。

山岳地帯のサパの橋を渡る新型Sクラス

首都ハノイでは景色が一変する。無数のバイクが行き交う混沌とした交通環境、フランス統治時代の建築群、そして急速に進む都市開発。伝統と近代化が交差するこの街で、新型Sクラスは静粛性と先進技術によって独自の存在感を放っていた。

大型センターディスプレイを中心とする最新MBUXや高度な運転支援システムは、都市部のストレスを軽減する知的なパートナーとして機能する。また、ハノイでは安全性の歴史を象徴する1959年型220S(フィンテール)と新型Sクラスが並ぶ展示も行われた。安全性を追求し続けてきたメルセデス・ベンツの思想が、過去から現在まで一貫して受け継がれていることを実感させる光景だった。

ハノイの「HOME of HERITAGE」を掲げた空間に、安全性ボディ構造に大きな改革をもたらした1959年型220S(フィンテ-ル)と並ぶ新型Sクラス。受け継がれる安全性哲学革新の現在形、その連続性こそが、メルセデス・ベンツの本質である。

さらに中部の古都フエでは、新型Sクラスのデザイン哲学が際立つ。ベトナム最後の王朝である阮朝の王宮や歴代皇帝の陵墓が残る静かな街並みに、その姿は不思議なほど自然に溶け込む。派手な自己主張ではなく、上質さと品格を静かに漂わせる佇まいは、現代のSクラスそのものだった。

フエ旧王宮前;歴代王朝の威厳を宿す城門と新型Sクラスの端正な佇まい。過去と現在、その「格式」が同じ軸で交差する。

メコンの流れとともに時を刻むラオス

ベトナムを後にした新型Sクラスは、インドシナ半島の内陸国ラオスへ向かった。

東南アジアの中でも穏やかな時間が流れるラオスは、「アジア最後の桃源郷」と呼ばれることもある。急速な経済成長を遂げる周辺諸国とは異なり、豊かな自然と伝統的な暮らしが色濃く残されている。

新型Sクラスはベトナムを後にし、インドシナ半島の内陸国ラオスへと向かった;東南アジア諸国の中でも開発のスピードが比較的緩やかなラオスは、「アジア最後の桃源郷」と呼ばれることもあり、豊かな自然と穏やかな人々の暮らしが今なお色濃く残る国である。

訪れたサワンナケートは、メコン川沿いに位置する同国第二の都市。フランス植民地時代の面影を残す街並みと近年発展を続ける国際物流拠点としての顔を併せ持つ。歴史的な建築群を背景に走る新型Sクラスは、伝統と革新の対比を鮮やかに映し出していた。

さらに南部のワットプーでは、旅の雰囲気は一層特別なものとなる。古代クメール王朝の宗教遺跡として知られるこの世界遺産は、アンコールワットよりも古い歴史を持つともいわれる神聖な場所だ。

ラオス南部チャンパーサックのチャンパ・パレス・ホテル前に佇む新型Sクラス;クメール文化の薫りを残す荘厳な建築を背景に、メルセデス・ベンツ140周年記念のグローバルジャーニーはワットプーへと向かう。

山を背にした壮大な遺跡群には神秘的な静寂が漂い、自然と建築が見事に調和している。最先端技術の結晶である新型Sクラスと、千年以上の歴史を持つ文化遺産。その対比は、時代を超えて受け継がれる価値の存在を感じさせた。

タイ縦断で体感した「多様性をつなぐ力」

旅の最後の舞台となったのはタイだ。

約1,500kmに及ぶルートは、首都バンコクから東北部ウボンラチャタニ、王室ゆかりのリゾート地ホアヒン、そして南部の国際都市ハットヤイへと続く。

近代化が進むタイでも、路地に入れば昔ながらの暮らしが息づく;伝統的な街並みを静かに駆け抜ける新型Sクラスが、新旧文化の共存を象徴していた。

東南アジア有数のメガシティであるバンコクでは、高層ビル群と伝統的な寺院、屋台文化が共存する独特の都市風景が広がる。慢性的な交通渋滞の中でも、新型Sクラスの優れた静粛性と快適性は、まさに「移動するラグジュアリーラウンジ」と呼ぶにふさわしかった。

バンコク・チャイナタウンの夜;多国籍な文化と熱気に包まれたヤワラート通りで新型Sクラスが都市の鼓動とともに存在感を放つ。

一方、東北部イサーン地方の玄関口ウボンラチャタニでは、広大な田園風景と素朴な暮らしが広がる。観光地化されていない本来のタイの姿が残るこの地域では、長距離移動を苦にしないSクラスの快適性が際立った。

王室の避暑地として知られるホアヒンでは、また違った表情を見せる。落ち着いた高級感に包まれた街並み、高級ホテルやゴルフコース、穏やかな海岸線。その洗練された雰囲気は、メルセデス・ベンツが長年培ってきたブランドイメージと見事に重なり合う。

国境貿易の拠点として発展したハットヤイ;ASEANナイトバザールに集う人々の活気が、東南アジア経済のダイナミズムを映し出している。

そして終着地ハットヤイでは、マレーシアに近い土地柄からマレー系文化やイスラム文化の影響も感じられる。街並みや食文化に現れる多様性は、タイという国の懐の深さを象徴していた。

東南アジアで見えたSクラスの哲学

ベトナムの急成長する都市、ラオスの悠久の歴史、そしてタイの多様な文化。三カ国を巡る旅を通じて見えてきたのは、新型Sクラスが単なる高級車ではないという事実である。

その本質は、異なる風景や文化、人々の暮らしを滑らかにつなぐことにある。最新技術による快適性や安全性はもちろん重要だ。しかしSクラスが特別なのは、それらを通じて「移動時間そのものを価値ある体験へ変える力」を持っている点だろう。

創業140周年を迎えたメルセデス・ベンツが世界各地で続けるグローバルジャーニー。その東南アジア編は、伝統と革新を融合させながら進化を続けるブランドの哲学を、改めて強く印象づける旅となった。

Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:Photo:Mercedes-Benz Group