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DTM(ドイツツーリングカー選手権)のボスがフェルスタッペンを称賛 フェルスタッペンフィーバーはなぜDTMにも追い風なのか?

2026年6月21日

マックス フェルスタッペンのニュルブルクリンク24時間レース参戦がGTレースブームを巻き起こしている。そして、その恩恵はDTM(ドイツツーリングカー選手権)にも及んでいる。

ドイツのモータースポーツ界は、多くの人が考えている以上に好調だ。ニュルブルクリンク24時間レースの前売りチケットは飛ぶように売れ、DTMも観客動員数を伸ばしている。たとえばシュピールベルクで開催されたシーズン開幕戦には、約5万人のファンがサーキットに足を運んだ。

DTM(Deutsche Tourenwagen Masters)を運営するADAC(ドイツ自動車連盟)のモータースポーツ代表であるトーマス フォス(Thomas Voss)はAUTO BILDのインタビューで次のように強調する。

「ドイツ最大のスポーツイベントはモータースポーツのレースなのです」

しかし一方で問題もある。競技を始めるためのコストが高いことだ。これが若手育成、ひいては社会全体における存在感の向上を妨げている。

「モータースポーツは決して安いスポーツではありません。水泳パンツやサッカースパイクだけでは始められませんからね」とフォスは認める。

フェルスタッペンがブームを引き起こす

一方で、過去を振り返ると、ひとりのスター選手が競技全体をどれほど押し上げることができるかもわかる。「ミハエル シューマッハの時代には、若者や新規ファンがモータースポーツを避けて通ることはほとんどできませんでした」と、ADACのスポーツディレクターでもあるフォスは振り返る。

そして現在、その効果を思い起こさせる出来事が起きている。きっかけを作ったのはマックス フェルスタッペン(Max Verstappen)だ。

フェルスタッペンのニュルブルクリンク24時間レース参戦は大きなブームを生み出している。

4度のF1ワールドチャンピオンによるノルドシュライフェでの走行は、今なおポジティブな影響を与え続けている。GTレースはこれまで以上に世間の注目を集めており、それに伴ってDTMにもスポットライトが当たっている。

フォスはこう説明する。「全体として、フェルスタッペンは多くの人々にGTレースという世界、そしてDTMにも目を向けさせました」その狙いは、「F1以外にも魅力的なレースがあることを示すことです。しかも、そこには市販車に近い見た目を持つ素晴らしいマシンが走っています」というものだ。

DTMのトップは、これを単発の出来事に終わらないドイツモータースポーツ界への追い風と捉えている。

「だからこそ、あのようなドライバーがその一歩を踏み出したことは、DTMにとっても極めて重要でした。人々がようやく目を覚まし、『モータースポーツはF1だけではない』と気付いたのです。これはGTレース界全体にとって良いことです」

また、フォスはF1の外で見せるフェルスタッペンの振る舞いにも好感を持っている。

「GT3レースの世界では、フェルスタッペンは誰に対してもリラックスしてオープンに接しています。F1のときのように厳重に囲まれているわけではありません」とフォスは語る。

モータースポーツ全体にとって巨大な一歩

フォスは、その影響力を非常に高く評価している。「これはモータースポーツ全体にとって巨大な一歩です。このようなメガスターによってもたらされる注目度は、競技全体にとってプラスになります」

オーストリアのレッドブルリンクで行われたDTM開幕戦のレース1で2位、レース2で3位に入ったルーカス アウアー。

注目度の向上だけでなく、フォスはドライバーたちにとっての競技面でのメリットも見ている。その一例が、オーストリアのレッドブルリンクでのDTM開幕戦でレース1で2位となったフェルスタッペンのチームメイト、ルーカス アウアー(Lucas Auer)だ。

フォスは次のように語る。「ルーカスはGTドライビングについてマックスに多くのことを教えられます。彼は長年このクルマを走らせており、ほぼ毎週末コックピットに座っています」一方で、フェルスタッペンもチームにもたらすものがある。

「同時に、フェルスタッペンはF1で培った特有のノウハウやテクニック、とりわけ空力面に関する知識を持ち込んでいます。双方にとって学ぶことがあり、お互いが利益を得られるのです」

Text:Bianca Garloff
Photo:Gruppe C Photography