フェラーリ元会長モンテゼーモロ氏が痛烈批判「フェラーリ ルーチェ」のデザインが激しい議論を巻き起こしている!
2026年5月30日
フェラーリ初のEV「フェラーリ ルーチェ」を巡り、イタリア国内で激しい議論が巻き起こっている。特に厳しい批判を展開しているのが元フェラーリ会長のルカ ディ モンテゼーモロだ。
ローマ教皇の祝福と元会長の酷評 電動フェラーリに激震
現在のフェラーリにとって、「フェラーリ ルーチェ(Ferrari Luce)」はまさに“最上級の後押し”を必要としているのかもしれない。フェラーリ初の電動スポーツカーとして世界中で賛否を呼ぶ中、この未来的なモデルに対し、ローマ教皇自らが支持を示したからだ。
マラネロでも滅多に見られない光景が実現した。フェラーリ会長ジョン エルカン(John Elkann)が、「フェラーリ ルーチェ」をバチカンへ持ち込み披露。教皇レオ14世(Pope Leo XIV)は電動フェラーリに実際に乗り込み、コックピットを細かく確認しながら、各種ドライブモードの説明を受けた。

本来であれば、これはフェラーリの電動化時代に向けた完璧なPRになるはずだった。しかし、その“未来”こそが現在、大きな論争を巻き起こしている。
フェラーリファンは衝撃
「フェラーリ ルーチェ」は、単なるフェラーリ初のEVではない。それは長年フェラーリが築いてきた価値観との決別でもある。全長は5メートル超。4基の電動モーターを搭載し、5人乗り。さらにデザインは、まるでSF映画から飛び出してきたかのようなスタイルだ。「ルーチェ」は元Appleデザイナーのジョニー アイブ(Jony Ive)との共同開発によって誕生した。そして、まさにこの点がインターネット上で大規模な批判を呼んでいる。
SNSでは、このフェラーリを突然「日産リーフ」や“安価なトヨタ車”になぞらえる声が上がった。また、クラシックなイタリア製スーパーカーというより、「テック製品」のようだと評する声もある。
元フェラーリ会長「伝説の破壊」を警告
中でも特に厳しいのが、元フェラーリ会長ルカ ディ モンテゼーモロ(Luca di Montezemolo)の批判だ。現在でも多くのファンから“フェラーリの神”のような存在と見なされる人物だけに、その発言は大きな波紋を呼んでいる。

「本当に思っていることを口にすれば、フェラーリに害を与えることになる」とモンテゼーモロはイタリアメディアで語った。「我々は伝説を破壊する危険を冒している。そして私は本当に残念に思っている。せめて、このクルマから跳ね馬のエンブレムだけは外してほしい」
皮肉なのは、フェラーリ自身がルーチェを、“どれだけ批判されようとも、これは本物のフェラーリだ”ということを強く打ち出している点だ。フロントとリアには伝統的なエンブレムを装着。さらに顧客は、ドア部分にシルバーの「カヴァッリーノ・ランパンテ(跳ね馬)」を配置するか、あるいはフェンダー部分に大型のスクーデリア・フェラーリロゴを装着する仕様も選択できる。
だが、モンテゼーモロの批判は止まらない。彼はさらに皮肉を込めてこう続けた。「少なくとも、中国メーカーはこのクルマをコピーしないだろう」元イタリア産業相であり、かつてフェラーリで働いていたカルロ カレンダ(Carlo Calenda)も、「ルーチェ」を強く批判している。彼はこのモデルを「美学的にも技術的にも侮辱だ」と表現した。
フェラーリはルーチェを擁護
一方、フェラーリ側は騒動を沈静化させようとしている。「フェラーリ ルーチェは未来のクルマであり、しかも unmistakably Ferrari(紛れもなくフェラーリ)だ」と、会長ジョン エルカンはローマでの発表会で説明した。また、デザインを巡る騒動についても意に介していない姿勢を強調している。「フェラーリ ルーチェは変化への反応ではない。明確さと勇気を持って前進し、次の時代を自ら決定するという意志的な選択なのだ」
技術面では、この電動フェラーリは驚異的なスペックを誇る。4基の電動モーターによってシステム総出力は1000馬力超。0-100km/h加速はわずか2.5秒、最高速度は310km/h超とされている。それにもかかわらず、現在の議論はほぼ完全に“デザイン”へ集中しており、テクノロジー面にはほとんど注目が集まっていない。
そして、この論争は株式市場にも影響を及ぼしている。発表後、フェラーリ株は一時8%以上下落した。
Text: Bianca Garloff
Photo: Ferrari

