初テスト 新型アウディQ5スポーツバックに初試乗&徹底検証 評価と結論は?
2021年3月5日
新しくなったアウディのSUVクーペ Q5スポーツバックに乗って試してみた ファーストドライビングインプレッション!
新型アウディQ5スポーツバックは、BMW X4とメルセデスGLCクーペへのアウディからの答えだ。アウディにもう一台のSUVクーペ、Q5スポーツバックが登場した。我々は、BMW X4とメルセデスGLCクーペのライバルとなるQ5スポーツバックの情報のすべてをレポートする。
➤ 価格
➤ サイズとデザイン
➤ インテリア
➤ エンジン
➤ テスト
➤ テクニカルデータ
価格は50,000ユーロ(約640万円)弱から
アウディは、BMW X4とメルセデスGLCクーペに対して、その実力を発揮する!
インゴルシュタットを拠点とするアウディは、「Q5スポーツバック」で、ミッドサイズセグメントに新型SUVクーペを投入した。
ちなみに、この車はすでにドイツでは注文可能だ。
「Q5スポーツバック」の価格は、最弱のディーゼルモデルで49,300ユーロ(約631万円)からとなっていて、唯一のガソリンエンジンモデルは55,550ユーロ(約711万円)から利用可能となっている。
価格表にはまだ載っていないが、プラグインハイブリッドモデルも、2021年夏から注文可能で、価格は60,000ユーロ(約768万円)からとなっている。
そして、トップモデルは、V6エンジン、Sスポーツサスペンション、SUVクーペを30ミリメートル下げる適応型ダンパーを備えた「SQ5スポーツバック」と呼ばれる。
エクストラなしで、72,050ユーロ(約922万円)という価格だ。
BMW X4とメルセデスGLCクーペに対する競合モデル
メキシコの工場で生産されている「Q5スポーツバック」には、独立したグリルとサイドエアインテークが装着されているため、フロントから見てもその存在は際立っている。
また、アウディは「スポーツバック」のために、18インチから21インチまでのサイズの特別なホイールデザインを開発し、提供している。
しかし、本当の違いはBピラーの後ろから始まる。
傾斜したルーフラインと先細りになったサードサイドウィンドウを横から見ると、その違いがよくわかるようになっている。
サイズとトランク容量
驚くべきことに、サイズ的には、ノーマルの「Q5」と「スポーツバック」バージョンはほぼ同等で、高さの差すらない。
ルーフが急勾配で傾斜しているため、後席の乗客のヘッドルームはノーマル「Q5」に比べて1~2センチ不足しているものの、これはそれほど大きな欠点にはなっていない。
トランクスペースに関しても、「スポーツバック」は「Q5」とほぼ同等の容量を有している。
510リットルという「SUVクーペ」の荷室は、ノーマルの「Q5」よりも10リットル分小さいだけだ。
リアシートを倒した状態でも、わずか40リットル少ないだけだ。
希望すれば、スライド式の「リアベンチシートプラス」を注文して、トランクスペースを最大60リットル増やすこともできるが、その場合には当然追加料金がかかる。
一方、電動テールゲートは標準装備となっている。
● 全長: 4689 mm
● 全幅: 1893mm / 2140mm(エクステリアミラー全開時)
● 全高: 1660mm
● ホイールベース: 2819mm
● トランク容量: 510リットル~1480リットル
● 牽引能力: 2400kg
内装はQ5のフェイスリフトモデルに対応
コックピットには、実は小さな驚きが一つだけある。
「マルチファンクションステアリングホイールプラス」が標準装備されているのだ。
このステアリングホイールの後ろには、12.3インチのディスプレーがあり、センターにはさらに10.1インチのディスプレーがある。
エンジンは常時電動化
「Q5スポーツバック」はディーゼルエンジンのマイルドハイブリッドがスタンダードで、それは163馬力と370Nmの2リッターTDIから始まる。
さらに同じエンジンで、204馬力と400Nmのより強力なバージョンも用意されている。
ディーゼルのトップモデルは、6気筒、排気量3リッター、出力286馬力、トルク620Nmを発揮する。
ガソリンエンジンは、今のところ265馬力、370Nmを発揮する2リッター4気筒のみとなっている。
2021年の夏には、204馬力ガソリンエンジンを搭載したモデルも登場する予定である。
さらには、299馬力と367馬力のシステム出力を持つ2種類のプラグインハイブリッドモデルも計画されている。
トップモデルはもちろん「SQ5スポーツバック」だ。
341馬力のディーゼルを搭載しており、すでに注文が可能だ。
204馬力ディーゼルをテスト
アウディは、204馬力のディーゼルが最も人気のあるバージョンになると想定していて、そのパワーは、7速デュアルクラッチトランスミッションと、リアアクスルのための電子制御マルチプレートクラッチを備えた「クワトロウルトラ」全輪駆動に結合されている。
それは、滑りやすい路面でも十分に素早く反応し、コーナーで加速してもアンダーステアにならないようにリアに十分なパワーを供給するなど、驚くほどうまく機能する。
204馬力と400Nmは十分な瞬発力で、非常に爽快なドライビングパフォーマンスを提供する。
アウディは、「スポーツバック」の燃料消費量は、平均でリッターあたり15.8kmと公表しているが、我々の最初のテストドライブでは、オンボードコンピューターの値は、高速でリッターあたり13.6kmにまで上昇した。
この数値は、この性能とこの重量クラスの車にしては、許容範囲と言えよう。
結論:
正直にいって欠点はほとんどない。
スポーツバックは、通常のステーションワゴンのリアを持つQ5と同じように実用的で快適でありながら、大変高速だ。
やや価格が高いのは気になるが、アウディとはプレミアムブランドなのだから当たり前ともいえる。
AUTO BILDテストスコア: 2
アウディのQシリーズも、このスポーツバックなどを含め、フルラインナップであり充実の一途をたどっているが、一番本来のアウディらしいサイズと内容なのは、この「Q5」と「Q3」のラインなのではないか、と思う。
アウディの持つハイテクで都会的なイメージと、クアトロシステムとの融合が一番合致しているのはこのモデル前後なのではないだろうか。スポーツバックか、それとも普通の「Q5」なのかはやや悩みどころではあるが、せっかくのプレミアムブランドなのだし、実用性よりもスタイリッシュさを優先して、今回レポートした「Q5」を積極的にチョイスすることにも賛成したい。
ディーゼルエンジンモデルの魅力的なモデルもあるし、実用性も決して劣っていないし、そう考えるとかえって、普通の?「Q5」の存在が地味に見えてしまいそうで、かえってかわいそうな気もするのである。
テクニカルデータ: アウディQ5スポーツバック40 TDIクワトロ
● エンジン: 4気筒ターボ、フロント縦置き ● 排気量: 1968cc ● 最高出力: 204PS@3800rpm ● 最大トルク: 400Nm@1750rpm ● 駆動方式: 7速デュアルクラッチ、全輪駆動 ● 全長×全幅×全高: 4689×1893×1660mm ● トランク容量: 510~1480リットル ● 乾燥重量: 1900kg ● 0-100 km/h加速: 7.6秒 ● 最高速度: 222km/h ● 平均燃費: 15.8km/ℓ(ディーゼル) ● CO2排出量: 166g/km ● 価格: 52,200ユーロ(約668万円)より
Text: Thomas Rönnberg, Dennis Petermann and Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: AUDI AG