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【レストモッド】5気筒ターボ、500馬力超、フルカーボンボディで武装した「HSRタイプ859」は現代版アウディ スポーツ クワトロだ!

2026年5月22日

HSRタイプ859(HSR Type 859):500馬力以上、マニュアルトランスミッション、フルカーボン製ボディの「HSRタイプ859」は、現代版のアウディ スポーツ クワトロだ。生産台数はわずか84台のみ!

「HSRタイプ859」 – 謎めいた響きだが、その由来は簡単だ。HSRは「Homologation Specials Reimagined(ホモロゲーション スペシャルズ リイマジンド)」の略であり、「859」は自動車界の伝説である「アウディ スポーツ クワトロ(Audi Sport quattro)」の社内コードである。「HSRタイプ859」は、その現代的な転生版となる。生産予定台数はわずか84台。価格は50万ユーロ(約9,400万円)。

500馬力以上、1,200kg未満、マニュアルトランスミッション、フルタイム4WD、そして機械式リミテッドスリップディファレンシャル – その基本スペックは期待を抱かせるものだ。しかし、このプロジェクトの背後にいるのは誰なのか?「HSRマニュファクチュール(HSR Manufaktur)」というイヴァン ガルシア(Iván Garcia)によって設立されたミュンヘンに拠点を置く新進気鋭の企業だ。彼が掲げるビジョンは、伝説的なレースカーを現代風に解釈し、公道走行可能な車として蘇らせることだ。

しかし、もう一つの現実として、レストモッドは、今や星の数ほど存在している。小規模生産メーカーが、もはやポルシェだけに注力しているわけではない。「メルセデス・ベンツ190 E 2.5-16 Evo II」、「BMW M3(E30)」、「ランドローバー ディフェンダー」、「トヨタ ランドクルーザー」、あるいは「ランチア037」など、再生産されていないクラシックカーはほとんどなく、中には複数回再生産されたモデルさえある。

このアイデア自体は新しいものではない

これは伝説的な「アウディ スポーツ クワトロ」にも当てはまる。LCEパフォーマンス(LCE Performance)の専門家たちは、すでに何年も前からオリジナルに忠実なレプリカを提供している。そしてつい最近、英国のスタートアップ企業、「オーディシャス オートモーティブ(Audacious Automotive)」が、「アウディRS 4(B7)」のV8エンジン(希望に応じてスーパーチャージャー付き)を搭載した、「S1」風の「Urクワトロ」を製作すると発表した。最初のプロトタイプは現在製作中だ。

【レストモッド】伝説のアウディ クワトロのレストモッド登場!その心臓にはRS 4のV8エンジン レトロな外観とRS 4の技術を融合させた一台だ!:https://autobild.jp/65651/

それでも、イヴァン ガルシア氏は、特にデジタル化が進む現代において、さらなるレストモッドの可能性を見出している。「アウディ クーペ(B2)」をベースに、アナログなドライビング体験で魅了する現代的なスポーツクワトロが誕生する予定だ。そのためには、顧客提供またはHSR経由で調達するドナー車両のアウディ クーペ B2(Audi Coupe B2)をシャーシのみの状態まで分解し、3Dスキャンを行った後、実に32cmも短縮する。そうして初めて、あの象徴的なプロポーションを実現できるのだ。

タイプ859は4本出しのマフラーを採用しており、そのうち2本のエンドパイプはディフューザー内に隠されている。

大幅な出力向上(これについては後述)に伴い、ベース車両の補強が必要となる。フロントとリヤのサブフレームを連結するため、ロールケージをシャーシに直接組み込む予定だ。希望に応じて、ケージの補強材の一部を露出させたままにすることも可能だ。さらに、熱心なトラックデイドライバー向けに、FIA認定のフルケージも用意される予定だ。

目標重量は1,200kg未満

目標重量である1,200kg未満を達成するため、すべてのボディパーツはカーボン製となる予定だ。外観上、「タイプ859」はスポーツクワトロと見分けがつくものの、わずか約220台しか製造されなかったオリジナルモデルよりも明らかにワイドな仕様となっている。ボディの幅は片側あたり実に6.5cmも拡大される予定だ。同時に、高速走行時の安定性を高めるため、ホイールベースも延長される。

5気筒ターボこそが真髄

驚くことではないが、HSRは2.5リッター5気筒エンジンを採用する。搭載されるのは、「RS 3」や「TT RS」でも知られるDAZAエンジン(EA855 evo)だ。これは、OPF(オーバーフローポート)を必要としない点などが理由の一つである。標準仕様では400馬力を発揮するが、HSRにとってはそれだけでは不十分だ。

どの色を選択するか?少量生産プロジェクトらしく、タイプ859は完全にカスタマイズ可能だ。

新しいターボチャージャー、鍛造ピストン、改良された吸気システムなど、大規模な改造により、この5気筒エンジンは走行モードに応じて500~600馬力を発揮する予定だ。さらに、万全を期すため、エンジンはドライサンプ潤滑方式に改造される。

オープンシフトゲートのマニュアルトランスミッション

デュアルクラッチトランスミッションの代わりに、クラシックなマニュアルトランスミッションが採用される。トランスミッションは「アウディS4(B8)」のものを流用し、「タイプ859」ではオープンシフトゲート仕様となる予定だ。トルセン ディファレンシャルを備えたフルタイムAWDシステムは、40対60のトルク配分を持つ予定だ。さらに、機械式リミテッド スリップ ディファレンシャルの搭載も計画されている。

基本価格は50万ユーロ(9,400万円=税別)

これに加え、新しいサスペンション、カーボンセラミックブレーキ、刷新されたインテリア(2人乗りまたは4人乗りから選択可能)、そして幅広いカスタマイズオプションが用意される。しかし、現時点ではプロジェクトはまだ初期段階にある。1984年のラリータイトルへのオマージュとして、84台限定の少量生産が計画されている。HSRによれば、1台あたりの価格は50万ユーロ(9,400万円=税別)で、これには提供車両の費用も含まれている。

インテリアにおいても、顧客は選択肢に迷うほどだ。2人乗りか4人乗りか、折りたたみ式シートかフルバケットシートか、その他にも多くのオプションが用意されている。

ただし、現時点では、「タイプ859」はデジタル上の存在に過ぎない。最初のプロトタイプの製作はまもなく開始される予定だ。メーカーによれば、このデビュー作への関心は高く、HSRはすでにさらなるモデルの計画を進めている。アイデアは豊富にあり、例えばウェブサイトには、「プジョー205ターボ16」、「アルファロメオ155 V6 TI」、「フォード エスコート コスワース」、「ロータス エリーゼGT1」などのコンセプトモデルが掲載されている。まずは、この「HSRタイプ859」の実現を楽しみにしたい。

結論:
最近では、新しいレストモッドの発表にはやや懐疑的になっている。過去にはいくつかの興味深いプロジェクトがあったが、実現しなかったものもあった。HSRの場合は違う展開になることを願っている。少なくとも、基本スペックは期待できそうだ。

Text: Jan Götze
Photo: HSR Manufaktur