SUPER GT 2026 第2戦 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL TOM’S勢が富士を支配 No.36 au GR Supraが開幕2連勝
2026年5月14日
ゴールデンウイーク恒例となった富士スピードウェイでのSUPER GT第2戦は、曇天の下でスタートした。決勝日こそドライコンディションを維持したものの、前日の予選は雨が断続的に降る難しいコンディションとなり、各チームともタイヤ選択とアタックタイミングに頭を悩ませた。
GT500クラス“TOM’S包囲網”
GT500クラスではNo.14 ENEOS X PRIME GR Supraが福住仁嶺のアタックでポールポジションを獲得。No.36 au TOM’S GR Supra、No.23 MOTUL Niterra Zが続き、トヨタ、日産、ホンダの三陣営が入り乱れる接戦の構図となった。

50,300人を動員した5月4日、決勝レースはスタート直後からトヨタ勢がレースペースの強さを発揮した。ポールスタートのNo.14 ENEOSがレースをリードした一方、No.36 au TOM’Sは序盤から安定したラップを刻み、着実にプレッシャーをかけ続ける。さらにNo.38 KeePer CERUMO GR Supra、No.19 WedsSport BANDOH GR Supraらも上位争いに加わり、富士らしいスリップストリームを使った激しい攻防が各所で展開された。

一方、ホンダ陣営は新型PRELUDE-GTのポテンシャルを見せた。No.64 Modulo HRC PRELUDE-GT、No.8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTは予選で上位グリッドを確保し、序盤はトップ争いにも加わった。しかしロングランになるとタイヤマネジメントに苦しみ、徐々に順位を落としていく展開となった。

レースの流れを大きく変えたのはピット戦略だった。No.36 au TOM’Sはライバルより早めにピットへ向かうアンダーカット戦略を選択。これが見事に機能し、ピットサイクルの中でNo.14 ENEOSの前に出ることに成功した。その後は坪井翔/山下健太組が盤石のレース運びを披露。サクセスウエイトを搭載しながらも高いレースペースを維持し、そのままトップチェッカーを受けた。

2位にはNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra、3位には上位で安定した走りを見せたNo.23 MOTUL Niterra Zが入った。結果的にトヨタ勢が再び強さを見せつける形となったが、日産Z勢もレースペースでは確かな進化を示しており、今後の巻き返しに期待がかかる。

開幕戦岡山に続くNo.36 au TOM’Sの連勝により、2026年シーズンのタイトル争いは早くも“TOM’S包囲網”の様相を呈してきた。富士で圧倒的な強さを見せた王者陣営を止めるチームが現れるのか。次戦以降の焦点となりそうだ。

GT500クラス決勝結果(10位まで)
| 順位 | No. | チーム / マシン | ドライバー | ラップ | 差 | タイヤ | サクセスウエイト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 36 | au TOM’S GR Supra | 坪井 翔山下 健太 | 115 | 40kg | ||
| 2 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 福住 仁嶺大嶋 和也 | 115 | 8.786 | 16kg | |
| 3 | 23 | MOTUL Niterra Z | 千代 勝正高星 明誠 | 115 | 41.398 | 6kg | |
| 4 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 関口 雄飛サッシャ・フェネストラズ | 115 | 42.460 | 12kg | |
| 5 | 16 | #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT | 野尻 智紀佐藤 蓮 | 115 | 54.657 | 10kg | |
| 6 | 24 | リアライズコーポレーション Z | 名取 鉄平三宅 淳詞 | 115 | 55.127 | 4kg | |
| 7 | 12 | TRS IMPUL with SDG Z | 平峰 一貴ベルトラン・バゲット | 115 | 1’23.351 | 22kg | |
| 8 | 100 | STANLEY HRC PRELUDE-GT | 山本 尚貴牧野 任祐 | 115 | 1’31.568 | 8kg | |
| 9 | 17 | Astemo HRC PRELUDE-GT | 塚越 広大野村 勇斗 | 114 | 1 Lap | 2kg | |
| 10 | 19 | WedsSport BANDOH GR Supra | 国本 雄資阪口 晴南 | 114 | 1 Lap |
GT500クラス チームランキング(5位まで)
| 順位 | No. | チーム | Rd1 | Rd2 | Rd3 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd8 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 36 | au TOM’S GR Supra | 23 | 23 | 46 | ||||||
| 2 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 11 | 18 | 29 | ||||||
| 3 | 12 | TRS IMPUL with SDG Z | 14 | 7 | 21 | ||||||
| 4 | 23 | MOTUL Niterra Z | 6 | 14 | 20 | ||||||
| 5 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 9 | 11 | 20 |
波乱のGT300を制したのはGT-R KONDO RACINGが富士を攻略
SUPER GT第2戦富士のGT300クラスは、予選から荒れ模様となった。断続的な雨によって路面状況が刻々と変化する中、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTが巧みなタイヤ選択と安定したアタックを見せ、ポールポジションを獲得。上位にはGT3勢に加え、JAF-GT勢も食い込み、混戦必至のグリッドとなった。

決勝日は曇り空ながらドライコンディションでスタート。レース序盤はポールスタートのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTが主導権を握った。井口卓人/山内英輝組は立ち上がりからハイペースで後続を引き離し、今季初勝利へ向けて理想的な展開を築く。

しかしGT300はそう簡単には終わらない。富士特有の長いストレートとGT500混走によるトラフィック処理が各車の運命を大きく左右した。トップを快走していたNo.61 SUBARU BRZはアクシデントによって順位を落とし、その後もトラブルに見舞われ後退。好ペースを見せながらも結果につながらない、SUBARU勢らしい苦しい展開となった。

その一方で、レース中盤以降に存在感を強めたのがKONDO RACINGのGT-R GT3だった。経験豊富なチームらしく安定したスティントを重ね、混乱の中で着実にポジションをアップ。ライバル勢が接触やペナルティに苦しむ中、ミスのないレース運びでトップへ浮上した。

終盤にはNo.666 ポルシェがトップ争いを演じ、チェッカー時点では上位フィニッシュを果たしたものの、接触に対するペナルティで順位を落とす結果に。これによりKONDO RACING勢がクラス優勝を手にし、2位にはLEON RACINGのメルセデスAMG GT3、3位にはapr LC500h GTが入り、GT300らしい多彩な車種による表彰台となった。

また、GT300では今季も“タイヤ戦争”が大きなテーマとなっている。ブリヂストン勢が依然として高い安定感を見せる一方、ヨコハマ、ダンロップ勢も予選では鋭い速さを披露。特に富士のような高速サーキットでは、タイヤ性能とロングラン性能の差が結果に直結することを改めて印象づけた。

GT300クラス決勝結果(10位まで)
| 順位 | No. | チーム / マシン | ドライバー | ラップ | 差 | タイヤ | サクセスウエイト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ木村 偉織 | 107 | 4 | ||
| 2 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生 尚弥菅波 冬悟黒澤 治樹 | 106 | 1 Lap | 22 | |
| 3 | 31 | apr LC500h GT | 小高 一斗小山 美姫チャーリー・ブルツ | 106 | 1 Lap | 32 | |
| 4 | 666 | seven x seven PORSCHE GT3R EVO | スヴェン・ミューラー藤波 清斗 | 106 | 1 Lap | 8 | |
| 5 | 2 | HYPER WATER INGING GR86 GT | 堤 優威卜部 和久 | 106 | 1 Lap | 40 | |
| 6 | 32 | ENEOS X PRIME AMG GT3 | 石浦 宏明小林 可夢偉 | 106 | 1 Lap | ||
| 7 | 777 | D’station Vantage GT3 | 藤井 誠暢チャーリー・ファグ | 106 | 1 Lap | 52 | |
| 8 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口 信輝片岡 龍也 | 106 | 1 Lap | 26 | |
| 9 | 52 | Green Brave GR Supra GT | 吉田 広樹野中 誠太 | 106 | 1 Lap | 16 | |
| 10 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田 守男高木 真一 | 105 | 2 Laps | 18 |
GT300クラス チームランキング(5位まで)
| 順位 | No. | チーム | Rd1 | Rd2 | Rd3 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd8 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 777 | D’station Vantage GT3 | 28 | 12 | 40 | ||||||
| 2 | 31 | apr LC500h GT | 19 | 19 | 38 | ||||||
| 3 | 2 | HYPER WATER INGING GR86 GT | 23 | 14 | 37 | ||||||
| 4 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 14 | 23 | 37 | ||||||
| 5 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R | 5 | 28 | 33 |
波乱含みとなった富士ラウンドを終え、GT300のタイトル争いは依然として大混戦。毎戦異なる勝者が生まれるカテゴリーらしく、2026年シーズンも最後まで予測不能な戦いが続きそうだ。
GTカーが激しいバトルを繰り広げるSUPER GT。是非ともサーキットに足を運んで、直にレースの迫力を感じてほしい。
Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:Hisao Sakakibara

