プラグインハイブリッド搭載の新型「アウディRS 5」セダンとワゴンに初試乗!ハイブリッド時代における“アウディ・パフォーマンス”とは何か?
2026年5月9日
ガソリンの咆哮による歓声の代わりに、新型アウディRS 5のデビューを迎えたのは、ガソリンヘッドたちからの猛烈な批判だった。無理もない。少なくとも、初めてステアリングを握るまでは。
重量というものもまた、所詮は理論値に過ぎず、しかも極めて相対的なものだ。新型「アウディ RS 5」は、初めてプラグインハイブリッドを採用したことで、およそ2.5トンという車重に達し、その数字だけで相当な批判を浴びてきた。さらに全長は約12センチ拡大され、もはや4シリーズ級ではなく、5シリーズ級に分類されるサイズになっている。しかし、アウディスポーツ開発責任者のシュテファン バンベルガー(Steffen Bamberger)は、その反発を比較的冷静に受け止めている。
実際、その批判の多くは、ドライバーズシートに座った瞬間に霧散する。バンベルガーが誇るのは、単なる優位性ではない。「RS 5」は、510psを発生する2.9リッターV6エンジンと、トランスミッションに統合された177psの電気モーターを組み合わせ、先代比で50%もの出力向上を実現。システム総合出力は、このクラスとしてはもはや常軌を逸した639psに達する。つい最近生産終了となったRS 6をさえ上回る数字だ。

さらにチーフエンジニアは、「RS 5」にダイナミック・トルクディストリビューションシステムを与えた。リアアクスル上の電気モーターと遊星ギア機構によって、最大2000Nmものトルクを左右へ瞬時に配分し、この“象”を“妖精”へと変貌させる。巨大なボディは、まるでバレリーナのように路面の上を舞うのだ。21インチタイヤがアスファルトに刻み込む黒いカリグラフィーは、ピカソですら誇りに思うかもしれない。
アウディ RS 5:直線では爆発的な加速
「RS 5」が今年夏に登場し、アバントが10万7850ユーロから、そして1650ユーロ安いセダンも数年ぶりに復活するという事実自体に、驚く者はほとんどいないだろう。特にブーストボタンによって825Nmのフルトルクが解放された時にはなおさらだ。
それでもなお、0-100km/h加速3.6秒という数字は、体感として“かなり速い”。発進後最初の2.5秒間だけで、先代より約20メートルも前に出る。しかもローンチコントロールなしで、だ。そして285km/hという最高速度も見事な数字だが、それを得るには追加料金が必要になる。

しかし、この「RS 5」が見せる横方向のダイナミクスは、この重量級のクルマから誰も予想していなかったものだ。標準の15:1に対して13:1へとクイック化されたステアリングは、まるでメスのように鋭く、さらに2バルブサスペンションによって常に完璧なバランスを保つ。このヘビー級マシンは、まるでウェイトウォッチャーの大会で最大の減量に成功した参加者のようにサーキットを駆け回る。どれだけ横Gが加わろうとも、ワイドタイヤは勇敢にそれに抗い、あらゆるシケインでこのパワーハウスを軌道へと留め続ける。
“プレイステーション世代”のためのドリフトモード
少なくとも、それはRSモードでの話だ。余裕を漂わせながらも、冷静さと理性を保った状態である限りにおいて。しかし、“狂気”に挑み、Torque Rearモードへ切り替えた瞬間から話は変わる。
すると、この大柄なクルマはドリフターへと変貌する。リアは軽やかに舞い、巨大なホイールアーチから立ち上る刺激臭の煙の中で、このスポーツカーは大胆な横滑りを見せる。その挙動は繊細にコントロールでき、限界をわずかに超えるところまで持ち込みながら、それでも容易に立て直せる。

これほど満面の笑みを浮かべながら、新品タイヤ代を燃やした経験はそう多くないだろう。そしてアウディは、ガソリンヘッドだけでなく“プレイステーション世代”にも訴求したいと考えている。そのため、スリップアングルや横Gを詳細に記録・解析するアプリまで用意された。あとはInstagramなどへのリンク機能があれば完璧だろう。もっとも、ダッシュカムはすでに搭載されており、高速走行の映像を完璧なロードムービーとして残してくれるのだから。
税制優遇も受けられる日常性能
しかし、それはコインの片面に過ぎない。もう片方は、日常の中で容易に見えてくる。高速道路でも、通勤路でもそうだ。
「RS 5」は、その鋭さにもかかわらず、どこか穏やかさを残している。その快適な乗り心地と、力強さに裏打ちされた堂々たる存在感が組み合わさることで、このクルマは理想的なファミリーカーにも、時間に追われる意思決定者のための理想的な社用車にもなる。そして、ここでプラグインハイブリッドがもう一つの利点を発揮する。「RS 5」は税制優遇の対象になるのだ。

Photo: T. Geiger
もちろん、どれだけパワフルでも、“プラグ付き”の「RS 5」は、ある意味でメインストリーム的であり、そのプラグインハイブリッドシステムは、ほとんど政治的に正しい存在ですらある。しかも競合が方針転換している時代に、だ。AMGはC 63からプラグインハイブリッドを降ろし、ベントレーはコンチネンタルを再び“バッテリーではなくガソリンタンクのみ”で販売したことで注文が殺到している。
しかし、このパワートレインが欠く“挑発性”を、デザイナーたちは完全に補っている。「RS 5」は、全盛期のシュワルツェネッガー並みに張り出したショルダーを持ち、日本の刀鍛冶が作ったかのように鋭利なエプロンとサイドスカートをまとい、そのサイドビューは、ポパイがほうれん草の缶詰をパレット一杯ぶち込んだ標準モデルのようだ。
そしてリアには、地獄の口のように巨大で威圧的な2本のエキゾーストパイプが備わる。少なくとも気候活動家にとっては“地獄”であり、ガソリンヘッドたちはすでに“天国”だと熱狂している。

そして、おそらくドイツで乗用車用として認可された中でも最大級と思われるそのエキゾーストパイプは、当然ながら単なる演出に過ぎない。それでもなお、騒音規制の限界を押し広げるようなサウンドを響かせる。つまり、このアウディは決して“安全策”を取ってはいない。自らの力を、堂々と咆哮しているのだ。
しかし、重量が相対的なものであるように、騒音もまた相対的だ。確かに排気フラップを開けばRS 5はかなり騒々しい。だが、それ以外の場面では、この“バイエルンの隣人”は驚くほど節度を見せる。
22kWhバッテリーを搭載した「RS 5」は、80km以上を純電動で走行でき、その際は極めて静かだ。177psの電気モーターだけで140km/hまで走行可能であり、この性能を活用する理由は十分にある。なぜなら速度が上がるほど、バッテリーは急速に消耗していき、その瞬間「RS 5」は一気に騒がしくなり、本来の性格を露わにするからだ。
結論:
確かに「RS 5」は、信じられないほど重く、そして法外に高価だ。そしてプラグインハイブリッドというコンセプトは、こうした反骨精神に満ちたモデルにとって、決して“セクシー”に響くものではない。しかし、増加したパワーは増えた重量を上回り、リアアクスルのトルクベクタリングは、この象をバレリーナのように踊らせる。
結局、この最初の試乗は、昔の歯医者のCMのようだ。身構えていたのに、終わってみれば笑顔になっている。
「思ったより全然痛くなかった」と。
Text: Thomas Geiger
Photo: Audi

