メーカーによるオフィシャルチューニング BMW Mパフォーマンスとは? そのすべてをご紹介!
2021年2月23日
これはBMW自身によるチューニングである。サスペンション、ブレーキ、パーツ、ホイール、そしてその価格。これらの「Mパフォーマンス」パーツとアクセサリーは、BMWから直接入手可能だ。つまりより高い走行性能のためには、必ずしもチューナーに行く必要はないということだ。多くの自動車メーカーは、パフォーマンスパーツやアクセサリーを自ら提供している。その中でも特にBMWのラインナップは充実していることで有名だ。
一言で言えば
BMWの「Mパフォーマンス」部門には、パフォーマンスの向上以外にも、チューニング愛好家の心が求めるものがすべて揃っている。
カーボンエアロダイナミクスパーツ、スポーツサスペンション、ブレーキ、ホイール、エキゾーストシステム、ステアリングホイールなどなど、すべてが揃っている。
当然のことながら、「M4」やその他の特にシャープな(言ってみれば本来の)Mモデルのためのセレクションも豊富に揃っている。
しかし、その一方で、ファミリー向けのアクティブツアラーやXモデル、エココンパクトなi3のためのスポーティなアクセサリーも用意されている。
そして「Mパフォーマンス」のパーツは、初代1シリーズのような、旧型BMWモデルのオーナーにも対応している。
すべてのパーツはBMWから直接購入することができ、専門工場で取り付けを行うようになっている。
そこで今回、我々は、「BMW Mパフォーマンス」が取り扱っているパーツの概要を紹介する。
※BMW M Performanceのパーツとアクセサリーの一覧はこちらをクリック!
https://shop.bmw.de/bmw-de/de_DE/original-bmw-zubehoer/m-performance/page1.html
新型M135i用カーボン製リアウイング
「Mパフォーマンス」のボディへのアドオンパーツのリストはほぼ無限大だ。
モデルにもよるが、フロントエプロンにはカーボン製のフロントスプリッターやフリック、各種アタッチメントを装着することができるようになっている。
サイドスカートには、カーボン製やプラスチック製のアタッチメントやエンドピースがある。
リアエプロンのディフューザーは、ルーフエッジスポイラー、リアスポイラー、ウィングと同様にダウンフォースを増加させる。
栄光の栄冠は、固定式カーボン製リアウイング(2,705ユーロ=約35万円)だ。
新型「M135i」には、カーボン製のアドオンパーツも用意されている。
さらに、エクステリアミラーカバー、エアベント、カラーデカールなどのアクセサリーも用意されているが、これらのパーツは言うまでもなくパフォーマンスを向上させるためのものではない。
カーボンセラミックブレーキシステム14,665ユーロ(約187万円)
モデルにもよるが、後付けサスペンションは約800ユーロ(約10万円)からとなっている。
しかし、新しいスプリングやダンパーに3倍以上の投資をすることも可能だ。
ブレーキの価格はその種類によって大きく異なる。
それらは、車軸のペアごとに200から300ユーロ(約2万5千円から3万8千円)のドリル穴あき型ブレーキディスクから始まる。
究極は、モデルに応じて最大14,665ユーロ(約187万円)の費用がかかる完全なカーボンセラミックブレーキシステムだ。
もちろん、より大きなブレーキに対応するためには、適切なホイールが必要となる。
「BMW Mパフォーマンス」にはこれらも用意されており、好みに応じてスポーツタイヤも用意されている。
視覚的に印象的なフラップエキゾーストシステム
またパーツには、リアマフラーからフラップエキゾーストシステムまで、あらゆるものが用意されている。
特に目を惹くのは、新型M3とM4のために、テールパイプを斜め中央に2本一組にした新しいパフォーマンスシステムだ。
これにより、適切な排気音が提供されるようになっている。
ただし、BMWはパフォーマンスアップグレード用のパーツは提供していない。
ボンネットを開けるときにより多くの印象を与えたい人は、エンジンルームのための1,100から1,598ユーロ(約14万円から20万円)のカーボンパッケージを注文することができる。
スポーツステアリングホイールとショートギアシフトレバー
最後になるが、コックピットも様々なアクセサリーでアップグレードすることができるようになっている。
アルカンターラのカバーが付いた様々なスポーツステアリングホイール、短めのギアシフトレバー、アルミ製ペダル、ギアシフトパドルなどは、ドライビングエクスペリエンスの向上に大きく貢献することだろう。
スポーティな外観のために、「BMW Mパフォーマンス」には、様々なカーボントリム、フロアマット、トリムストリップも用意されている。
このレポートを読んで感じたことは、メーカー自らがオフィシャルでチューニングパーツを準備するんだ、という部分にも驚いたが、それよりも本文中にあるように「初代1シリーズ」のようなモデルにもパーツを用意してくれているというところのほうに、ちょっと感銘を受けた。
ということは…、中古車を購入した後で、メーカー純正のチューニングパーツ(しかも、ちゃんとした工場で)を装着することで、自分の好みのBMWを作ることができる、ということではないか!
新車や現行生産車に限らず、古いモデルにも対応し、パーツを用意するというところに、なんともBMWのふところの深さと、自動車愛好家を喜ばせるツボを心得ている、と感じてしまう。
おそらく社内にもそういう好き者がいて、自分たちのためにもそういうパーツがあったらいいのに、ということなのかもしれないが、とにかくこの「ちょっと旧いモデル」にも対応可能、という部分に中古車ジャンキーとしては大きく反応し、賛同する次第である。
Text: Moritz Doka
加筆: 大林晃平
Photo: BMW Group