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【新車情報】新型ニッサン キャシュカイ デビュー

2021年2月22日

ニッサンが「キャシュカイ」を全面改良。そしてこの車は今後のニッサン車の動向を見ていく上で、大変大きな意味を持つ。その全ての情報をお届けする

印象的なフロントとともにニッサンはついに、新型キャシュカイを発表した。よりエッジの効いた新型ニッサン キャシュカイのサイズ、装備、インテリア、エンジン、ハイブリッドシステム、自律運転システム、全輪駆動システム、そして市場投入時期と価格のすべてをお届けする。キャシュカイは日本で売られるかどうかは、未知数だが、そのエンジンなどは今後のニッサン車の展開上極めて大きな意味を持つ。

➤ 市場ローンチ時期と価格
➤ デザインとサイズ
➤ インテリア
➤ 装備(イクイップメント)
➤ エンジン

価格はやや上昇する可能性が高い

ニッサンが新型「キャシュカイ」を発表した。
第3世代のコンパクトSUVで、2021年夏に市場に投入される予定だ。
「キャシュカイ」の価格は現在27,235ユーロ(約348万円)だが、我々は、次期型「キャシュカイ」のエントリーモデルの価格は2万9000ユーロ(約371万円)前後になると予想している。
だがこれについてはまだ確定情報はない。
また日本市場への投入も未知数だが、日本ではエクストレイルがこの車の代役となる可能性は高い。

新型キャシュカイの型破りなハイブリッドドライブ

新型「キャシュカイ」は、1.3リッターのマイルドハイブリッドガソリンエンジンを搭載し、140馬力と158馬力の2種類の出力モデルが用意される。
どちらのバージョンでも、内燃機関のモデルではマニュアルトランスミッションを中心に展開するが、もうひとつ用意された、3気筒ターボの158馬力の可変圧縮のエンジンこそ、今回の「キャシュカイ」のモデルチェンジにおけるハイライトといえる。
今後のニッサンe-pawer展開のキモになるエンジンということは、これからしばらくの間、ニッサンの社運を担う重要なパワーユニットであるといっても過言ではない。
まだその燃費性能をはじめ詳細は不明だが、ニッサンがこの時期に世に送り出す新型エンジンが、注目すべき部分の多いものであることは言うまでもない。
「キャシュカイ」には4輪駆動モデルも用意されるが、それはこの3気筒ターボ158馬力エンジンとの組み合わせでのみ利用できるという。
いずれにしてもこのエンジンこそがニッサンの切り札となるであろうことは間違いなく、今後のニッサンの運命を左右しかねないパワーユニットであるといえよう。

フロントの主な変更点

視覚的には、ニッサンは当然のことながら、「キャシュカイ」に新しいブランドの顔を与えている。
そしてそれはかなり多くの角度を持ったボディとともに目を惹く。
特にフロントには大きな変化がある。
ラジエターグリルは大きくなり、典型的なV字型のクロームバーはよりスリムになり、ボンネットの端にあるデイタイムランニングライトはリデザインされている。
LEDストリップは、ヘッドライトから分離されている。
そしてそれらのLEDストリップは、「キャシュカイ」のサイドショルダーラインに流れ込むようになっており、幅の狭い、飾り気のない長方形にデザインされている。
LED技術は最も高価なバージョンではマトリックスLEDが採用されている。
そして大きな台形のエアインテークとサイドの狭い縦スリットを備えた新しいエプロンによって完成している。
リアエンドは、先代モデルよりも全体的に丸みを帯びた印象を受ける。
しかし、ここでも特に目立っているのは、よりフラットになった新しいテールライトだ。
リアウィンドウの上には大型のルーフスポイラーが設置され、改良されたエプロンはより目立つアルミ風の要素で装飾されている。

全体的にニッサンのエンジニアたちは先代モデルに比べて60kgの軽量化を実現したという。

次期型「キャシュカイ」は新しいプラットフォーム、「CMF-C」をベースにしているが、プロポーション的には変わらない。
とはいえ、SUVは全体的に少し大きくなり、全方向に数センチ伸びている。
得られたスペースは、室内のヘッドルームと2列目のレッグルームをより多く提供している。

● 全長: 4425mm(+35 mm)
● 全幅: 1838 mm(+32 mm)
● 全高: 1635 mm(+10 mm)
● ホイールベース: 2666 mm(+20 mm)
● トランク容量: 480リットル(+50リットル)

インテリア

インテリアの最大の革新は、12.3インチのデジタルコックピットだろう。
ここにはさまざまなディスプレースタイルが備わっている。
まず道路から目を離さないように、10.8インチのヘッドアップディスプレイがある。
「ジューク」同様、新型「キャシュカイ」のインフォテイメントディスプレイはもはやダッシュボードに統合されておらず、上部に装着されている。
5インチから9インチへと大きくなり、解像度も高くなっている。
その背後にあるシステムは常にインターネットに接続されているため、例えば3Dマップ、リアルタイムの交通情報、Googleストリートビュー、または現在の燃料価格を表示することができるようになっている。
もちろん、スマートフォンを使用することもできる。
「キャシュカイ」は、「アンドロイドオート(Andorid Auto)」と「Apple CarPlay」を介してワイヤレスでサポートしている。
最大7個のデバイスでニッサンの無線LANを使用することができ、フロントとリアの乗客のためのUSB充電オプションは、フロントシートの間のコンソールに見つけることができる。
また、専用アプリがあり、そこから車内にアクセスしたり、データを取得したりできるほか、「Googleアシスタント」や「アマゾンアレクサ(Amazon Alexa)」の音声アシスタントを使って、リビングルームなどから計画したルートをナビに送信することも可能となっている。

ダッシュボードはラジエターグリルのV字型をピックアップしたデザインとなっている。

より多くの機能を備えたプロパイロットアシスタンスシステム

初めて、新型コンパクトSUVは、オプションで利用可能な20インチのホイールと新しいカラーパレットのおかげでカスタマイズが容易になった。
11色のペイントカラーと、カラーコントラストのあるルーフとの組み合わせが5種類追加されている。
新世代では、「プロパイロット(ProPilot)」アシスタンスシステムも改良されている。
車線逸脱警報機能付きのアダプティブクルーズコントロールは、ブレーキ操作がよりスムーズになり、しなやかな操舵が可能になるとともに、ナビデータを活用してカーブや渋滞の手前で速度を落とすことができるようになっている。
「プロパイロット」は、下り坂での速度制限にも反応するとされている。
このシステムはブラインドスポット警告システムと連動しており、車線変更時に必要に応じてステアリング操作を行うことで、ドライバーの不注意を修正することができるようにもなっている。
さらに、アシスタントシステムは、方向転換時にトラブルが発生する恐れがある場合、「キャシュカイ」の側面を監視してくれる。

ハイブリッドとして、電動リーフと同様にアクセルだけで運転できるのが新型キャシュカイの特徴だ。

Text: Peter R. Fischer, Katharina Berndt and Moritz Doka
加筆: 大林晃平