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2021年から2023年までにデビュー予定の新型EV×32台 最新情報

2021年2月21日

進化を続ける電気自動車。サブコンパクトカーから高級SUVまで、電気自動車の範囲は今や膨大なものになり、さらに拡大を続けている。商用車でさえ、EV化はもはや未来の夢ではない。そして多くの場合、新しいeモデルを位置づけるために新しいブランドが設立されていることさえある。2024年前にデビューする新型電気自動車の中から注目のモデルをピックアップして紹介する。

バッテリー技術の進歩と充電インフラの同時拡大のおかげで、電気自動車は従来の内燃機関に代わるものになりつつある。
VW、アウディ、BMW、メルセデスといった大メーカーは、今後数年で完全な電気自動車ファミリーを発売する予定だが、小規模な企業も独自の電気自動車に取り組んでいる。
我々は2024年までにデビュー予定の最も重要な電気自動車イノベーションを32台選んで、フォトギャラリーとともに紹介する。

オペル モッカ-e:
価格: 34,110ユーロ(約436万円)より; 市場デビュー: 2021年3月
小型車の「コルサ」同様、第2世代のオペル モッカは、燃焼エンジンモデルと純電動モデルとして市場投入される。
EV「モッカ」は50kWhバッテリーで、136馬力と322kmの航続距離という性能を兼ね備える。
おそらく日本にも導入予定。全体のデザインバランスはなかなか良いと思う。
Photo: Opel Automobile GmbH

ミニ クーパーSEフェイスリフト:
価格: 32,500ユーロ(約416万円)より; 市場デビュー: 2021年3月
ミニのフェイスリフトの一環として、電動ヴァリアント「SE」も改良された。パワートレーンは引き続き184馬力と最大234kmの航続距離という性能を維持している。
見たまんまのミニのEV。今度こそはヒットを飛ばすか?

テスラ モデルXフェイスリフト:
価格: 95,990ユーロ(約1,228万円)より; 市場デビュー: 2021年4月
マイナーなビジュアルチェンジと珍妙な形をしたステアリングホイールに加えて、「モデルX」は、1034馬力、航続距離547キロがキーデータとなる、「プレイド(Plaid)」と呼ばれる新しいトップエンジンを取得する。
先日発表されたマイナーチェンジモデル。さてさてあのステアリングホイールの評価やいかに。
Photo: Tesla

ルシッドエア “ドリームエディション”:
価格: 80,000ドル(約850万円)より; 市場デビュー: 2021年春
豪華で本当に速い。ルシッドエア “ドリームエディション”のトップモデルとして、この電気自動車は0から時速100kmまで2.5秒で駆け上がる。これを可能にするのは、1080馬力を発揮する2つの電動モーターだ。
テスラのガチンコライバル。900万円近い値段だが十分に高級感あり。
Photo: Lucid Motors

メルセデスEQA:
価格47,540ユーロ(約610万円)より; 市場デビュー: 2021年春
190馬力ベーシック250バージョンのSUVは航続距離426kmを有する。今後、272馬力バージョンや全輪駆動バージョンが続き、モデルラインナップを構成することになる。最大航続距離も約500kmとなる。EQシリーズの本命ともいえるラインナップ。価格が一番の関心事かも。
Photo: Daimler AG

アウディe-tron GT:
価格: 99,800ユーロ(約1,277万円)より; 市場デビュー: 2021年5月
RSとしてのアウディの全電動グラントゥーリズモは、598馬力の電動モーターと永久全輪駆動システムとのコンビによって駆動される。ベースモデルのGTは476馬力を発揮し、488kmの航続距離を有する。
アウディEVシリーズの中でも高性能となるGT。もちろんその価格もハイエンドなものは言うまでもない。
Photo: AUDI AG

Audi Q4 e-tron:
価格: 約40,000ユーロ(約512万円); 市場デビュー: 2021年夏
「e-tron S」のトップモデルとして、電動SUVは各車軸に1基ずつ電動モーターが装着され、306馬力のトータル出力を発揮する。82kWhバッテリーは450kmの航続距離という性能と高速充電テクノロジーを備え持つ。
この価格で出たならばかなり説得力のある一台。この夏には発表なので楽しみにしていたい。
Photo: AUDI AG

テスラ モデルSフェイスリフト
価格: 86,990ユーロ(約1,113万円)より; 市場デビュー: 2021年9月
フェイスリフトのために、テスラは「モデルS」に変わった形のステアリングホイールととてつもない量のパワーを与える。トップモデルとなる「モデルSプレイド」は、1100馬力と航続距離840kmという性能を発揮する。
X同様、マイナーチェンジを受けたS。落下速度よりも速い加速に身体はついていけるのだろうか。
Photo: Tesla

オペル コンボ-eライフ:
価格: 約34,000ユーロ(約435万円)より; 市場デビュー: 2021年秋
モッカとザフィーラに続き、コンボも電動化される。ステーションワゴンと商用車は各々136馬力を発揮し、航続距離は約280kmとなっており、ショートバージョンとロングバージョンが用意される。
外観は普通だが、こういうモデルこそEV化加速への礎になる、という実用モデル。
Photo: Opel Automobile GmbH

アストンマーティン ラピードE:
市場デビュー: 2021年
「ラゴンダ」のコンセプト(写真)が、アストンマーティンの高性能EVモデル、「ラピードE」のプレビューを提供する。アストンマーティンは「ラピードE」が155台の限定生産モデルとなることを公表した。加えて、このEスポーツカーがボンネットの下に約1,000馬力のパワーを有することも同時に発表した。
ハイエンドスーパーセダンEV、言ってみれば21世紀のラゴンダ。価格は一億円以上と予想される。
Photo: Aston Martin

BMW i1:
市場デビュー: 2021年
BMWは、内燃機関をベースにした電動式1シリーズを計画している。BMWは、コンパクトで柔軟性のあるプラットフォーム上に、単一エンジンと前輪駆動のエントリーモデルと、2つの電動モーターで駆動する全輪駆動のヴァリアントの両方を提供する可能性がある。噂ではかなり買いやすい価格になると言われるi1。見た目も(あえて、意識的に)普通の1シリーズとほとんど同じ。
Photo: BMW Group

BMW i4
市場デビュー: 2021年
その巨大なキドニーグリルとナローなヘッドライトで、スタディモデルは「i4」のデザインの片鱗を見せてくれる。その生産モデルは、530馬力の電動モーターから、600kmの航続距離範囲を有することになる。この目的のために、「i4」をベースにした最初の純粋な電気Mモデルも開発される。
そろそろデビューするモデル。こちらは見た目もバリバリに未来EV的なものである。
Photo: BMW AG

スバル電動SUV
市場デビュー: 2021年
「フォレスター」サイズの中型SUVは、トヨタの「e-TNGA」プラットフォームをベースに作られる。モデル名はまだない。噂では「エヴォルティス(Evoltis)」と呼ばれるのではないかと言われている。
まだ正直、詳細は未定ではあるが、SUVということだけは明らかなスバルのEV。エクステリアデザインがこの写真のようにどこまで未来的なのか、かなり気になる。
Photo: SUBARU

BMW iX:
価格: 約100,000ユーロ(約1,280万円); 市場デビュー: 2021年
2.5トンという車重にもかかわらず、「iX」は、500馬力というパワーのおかげで、0から100km/hまでを5秒以下で加速する。100kWバッテリーによる航続距離も600kmという十分な性能だ。
最も大きく高性能なiX。2.5トンという重量を聞くとたじろいでしまう。
Photo: BMW Group

Mercedes EQS:
市場デビュー: 2021年。
「EQS」は、通常のSクラス同様、アクティブエアサスペンションと後輪ステアリングを採用。インテリアは、幅1.41mのハイパースクリーンを備えたMBUXインフォテイメントシステムが主役。モデルにもよるが、出力は400~600馬力、航続距離は700kmまで可能としている。
SクラスのEVと言ってもいいモデル。噂ではSクラスよりもさらにハイテク電子デバイスを持つというが、まだ詳細は見えてこない。
Photo: Daimler AG

ポルシェ タイカン クロスツーリズモ:
価格: 約110,000ユーロ(約1,410万円)より; 市場デビュー: 2021年
ポルシェは、「タイカン クロスツーリズモ」に、600馬力超の出力とトルクヴェクタリングを含む要望に応じてコントロール可能な全輪駆動システムを約束する。もしも「タイカン」のパワートレーンがそのまま流用されたとすれば、パワーレンジは326馬力から761馬力となる。しかしベースとなる326馬力モデルはレンジから外れる可能性も高い。
タイカンのさらに上級?となるクロスモデル。言うまでもなく高性能、そして高価格。
Photo: Porsche AG

ルノー メガーヌ 電動SUV:
市場デビュー: 2021年
コンパクトSUVは現段階ではスタディモデルに過ぎない。しかし、その状況は急変する可能性が高い。このクルマはニッサンとの間で共同開発された「CMF-EV」プラットフォームをベースに作られており、218馬力と300Nmのトルクを発揮する。備わった60kWhバッテリーがどれほどの航続距離を提供するかはまだ明らかにされていない。
ニッサンリーフの兄弟車と言われるモデル。内容はまだわからないものの、デザインはリーフよりも格段に魅了的になることを願う。
Photo: Renault

マイクロリーノ(Microlino):
価格: 約12,000ユーロ(約153万円); 市場デビュー: 2021年
スイスの自動車メーカー「イセッタ」の後継モデルのデビューは様々な事情で何度も延期されてきた。しかし、ついに2021年、その時がやってきた。20馬力+航続距離200kmの「マイクリーノ」は、今年中に顧客のもとへとデリバリー開始されることになっている。
言うまでもなくイセッタのEV。こういうクルマが世の中に増えることは大賛成。そしてぜひ日本にもやってきてほしい。この価格なら大変魅力あり。
Photo: Micro Mobility Systems AG

https://youtu.be/8lYoEatEllw

テスラ モデルY:
価格: 55,000ユーロ(約704万円); 市場デビュー: 2021年
「モデルY」は事実上、モデル3の兄弟車プラットフォームも共通のものだ。パフォーマンスデータは、バージョンによって異なる。0-100km/h加速は3.5秒~5.9秒、航続距離は370km~480km、最高速度は192km/h~240 km/hというものだ。
増加を続けるテスラ兄弟。これはモデル3のちょっと上、という設定らしい。
Photo: Tesla

メルセデスEQE:
市場デビュー: 2022年以降
SクラスのEVモデル「EQS」と同じく、メルセデスはEクラスの電動モデルも市場投入する。全輪駆動と400馬力をはるかに超える出力を備えたモデルとなる。すべてのEQモデル同様、「EQE」も600km相当のレンジを備え持つと推測される。
こちらはEクラスのEVモデル。まだ時期Eクラスも見えてこないのでわからないことだらけだがSクラスと同等以上の電子デバイスの採用は間違いない。
Photo: Daimler AG

GMCハマーEV:
価格: 67,430ユーロ(約863万円)より; 市場デビュー: 2021年秋
次期型ハマーは、3基のモーターから1000馬力を発生するフル電動モデルとなる。バッテリー容量に関してはまだ何も公表されていないが、噂では200kWh相当となると言われている。
ついにEVとなるハマー。価格も900万円近いが、相当なハイパフォーマンストラックとなりそう。この秋にはローンチ予定。
Photo: GM

ニッサン アリヤ:
価格: 45,000ユーロ(約576万円)以下; 市場デビュー: 2021年末
航続距離500kmの新型全電動クーペはニッサンの新しいブランドフェースを備えたモデルとなる。簡素化されたコックピットも斬新なものとなっている。バッテリー容量は63kWhから87kWhというレンジだ。
もうじき正式発表のアリヤ。自動運転システムなども含め、日産自動車のテクノロジーを全部出し切るぐらいの一台として、世界市場に打って出てほしい。
Photo: Nissan

ソノ モータース シオン(Sono Motors Sion):
価格: 25,500ユーロ(約326万円)より; 市場デビュー: 2022年初め
ミュンヘンベースの新興メーカー「ソノ モータース」は、新開発のソーラーセルテクノロジーを備えたEV、「シオン」で市場に参入する。天気の良い日には、太陽光によって30kmの航続距離を稼げるとする。35kWhバッテリーとの組み合わせでトータルの航続距離は255km、出力は163馬力を発生する。
ヨーロッパの新興メーカーだが、まだまだ詳細は雲の中。今後の進展が大変気になる一台である。
Photo: Sono Motors

トヨタ電動SUV:
市場デビュー: 2022年初め
トヨタの新開発「e-TNGA」電動用プラットフォームをベースに開発されるSUVにはまだ名前が付いていない。「RAV4」と同じくらいのサイズだと想定され、より長いホイールベースのおかげで、より多くのスペースを得ることができている。
いよいよトヨタがEV市場に本気で投入する一台。おそらくここからトヨタの怒涛の反撃が始まるはず。
Photo: Toyota

テスラ サイバートラック:
価格: 63,000ユーロ(約806万円)より; 市場デビュー: 2022年
弾丸のようなルーフ、ステンレススチールボディ、そして際立ったデザイン、それがテスラのサイバートラックだ。電動ピックアップトラックはメーカー最大容量のバッテリーによる805kmという航続距離を備え、最低3基の電動モーターで、0から100km/hまで2.9秒で加速するという。
本当にこのまま出るのかどうか、いまいち怪しいが、出たならばインパクトはかなりのもの。
Photo: Tesla

フィスカー オーシャン:
価格: 約36,000ユーロ(約460万円); 市場デビュー: 2022年
テスラ同様、米カリフォルニアを拠点とするメーカー「フィスカー」からのニューEV「オーシャン」は、再生素材とニューイノベーションで作られた世界でもっとも持続可能(サスティナブル)なSUVということを強くアピールしている。80kWhバッテリーは480kmの航続距離を提供する。
かなり戦略的な価格のEV。再生素材というところが売りの部分である。
Photo: Fisker

ポルシェ E-マカン:
市場デビュー: 2022年
マカンはポルシェのもっとも成功したモデルだ。そして次期モデルから完全に電動モデルへとコンバートされる。ベースとなるのは新開発「PPE(Premium Platform Electromobility)」プラットフォームで、160、240、そして320kWという3種類のパワーレベルでの開発が計画されている。航続距離はどれも500kmだ。
マカンにもEVが登場。というか、次期マカンには内燃機関モデルはない、と言われている(カイエンとの住みわけと思われる)。
Photo: Porsche AG

テスラ ロードスター:
価格: 200,000ユーロ(約2,560万円)より; 市場デビュー: 2022年
スタディモデルの数値は驚くべきものだ。3基の電動モーターによるトルク合計は10,000Nmで、0から100km/hまで、わずか2.1秒で加速する。その後、400km/hまで加速し続ける。しかし最大のセンセーションは、その航続距離だ。なんと1回のフル充電で1,000kmというものだ。
テスラのスポーツモデル。十分に今まででも速いので、これ以上だと身体を壊しそうなほどの高性能といえる。
Photo: Tesla

VW IDバズ(Buzz):
市場デビュー: 2022年
次世代のVWバスは、電動で自律走行モデルとなる。ビッグサイズのエンジンやパワートレーンの除去によって、全長4.94メートル、全幅1.98メートル、全高1.96メートルの「VW IDバズ」にはたっぷりとしたスペースが備わる。
出る出ると言われているVWバスのEV。本当に今度こそは出て欲しい。
Photo: Volkswagen

VW IDヴィジオン:
市場デビュー: 2022年
I.D.は、ジェスチャーと音声操作で乗員に従うように設計されており、乗員の好みに合わせて適応する。電動セダン「IDヴィジオン(Vizzion)」は2基の電動モーターを搭載し、225kWの出力を発生する。VWによれば、全電動「IDヴィジオン(Vizzion)」は665kmの航続距離を有するとする。
VWの大型セダンEVモデル。価格も高価格が予想されるが性能はかなり高い。
Photo: Volkswagen AG

ルノー5(サンク):
市場デビュー: 2022年末。
ルノーは新たな総合戦略の一環として、原点に立ち返り、クラシックなモデル名を電気自動車として復活させようとしている。その第一弾となる「R5」は、おそらく新しい電動プラットフォーム「CMF-EV」をベースに開発されるものとなるだろう。
名前通り、元ネタは昔のサンクの再来。このデザインのままだとしたらかなり魅了的。あとは価格だけが大きなポイントか。
Photo: Groupe Renault

VW IDスペース ヴィッジオン:
市場デビュー: 2023年。
VWは、「エアロB」という内称を持つ電動式ステーションワゴンを2023年に発売することを公式に認めた。フォルクスワーゲンは、最大700kmの航続距離を約束しており、110kWhのバッテリーを搭載することを示唆している。
登場はまだしばらく先だが、航続距離は相当なものと言われている。
Photo: Volkswagen AG

Text: Peter R. Fischer, Elias Holdenried, Katharina Berndt, Moritz Doka
加筆: 大林晃平