【ニューテクノロジー】フェラーリがV12の特許を取得 フェラーリは従来のV型配置を根本から再解釈した12気筒エンジンの特許を取得した!
2026年4月11日
イタリアのスポーツカーメーカー「フェラーリ(Ferrari)」は、従来のV型レイアウトを根本から再解釈した12気筒エンジンの特許を取得した。その詳細に迫る。
フェラーリは12気筒エンジンを完全に再構築したが、その結果は従来のクラシックなV12とはほとんど共通点がない。通常、12気筒エンジンは6気筒ずつの2バンクで構成され、V字型に配置される。それぞれのピストンとコンロッドは共通のクランクシャフトを駆動し、バンク角は一般的に60度から180度の範囲に収まる。
2基の6気筒エンジン、それぞれに独立したクランクシャフト
2026年3月19日、フェラーリは米国特許商標庁(USPTO)に対し、新たな12気筒エンジンコンセプトの特許(出願番号2026/0077642 A1)を出願した。従来のように2つのシリンダーバンクが1本のクランクシャフトを共有するのではなく、フェラーリはまったく異なるアプローチを採用している。特許によれば、各シリンダーバンクは独立して作動し、それぞれ専用のクランクシャフトを持つ。

これはすなわち、このエンジンが実質的に2基の独立した6気筒エンジンで構成され、Y字型レイアウトを採用していることを意味する。両シリンダーバンクは互いに45度の角度で配置されている。排気システムが両者をつなぐ役割を果たし、それぞれの排気ガスを統合して中央のテールパイプへと導く。この構成により、上方から見ると特徴的なY字形状が生まれる。
では、なぜこのような異例の設計が採用されたのか。その理由のひとつは、フロント側が広くリアに向かって絞られるエンジン形状により、空力設計の最適化が可能になる点にある。中央部にボリュームを持ち、後方にかけて絞り込まれるスーパースポーツカーに適したレイアウトといえる。
モーターはハイブリッドシステムの発電機として機能
さらに、このエンジンは車体前方寄りに搭載することが可能となり、重量配分の改善に寄与するほか、リアアクスルやサスペンションのためのスペースも確保できる。では、角度を持って配置された2基のエンジンはどのように車輪を駆動するのか――答えは「直接は駆動しない」である。
フェラーリはこのシステムをシリーズハイブリッドとして設計している。2基のエンジンはいずれも車輪と機械的に接続されておらず、それぞれのクランクシャフトに接続された電動モーターが内燃機関の出力を電力へと変換する。つまり、エンジンは発電機として機能する。

車輪の駆動は別個の電動モーターが担い、固定ギア比を介して駆動力を伝達する。さらに、詳細は明らかにされていないバッテリーが組み合わされ、2基の6気筒エンジンによって生み出された余剰エネルギーや、ブレーキング時の回生エネルギーを蓄える仕組みとなっている。
よりスポーティな体験をもたらす「仮想トランスミッション」
制御システムにより、2つのエンジンブロックは異なる回転数で作動させることが可能で、サウンドやパフォーマンス特性に影響を与えることができる。さらに、この特許には「バーチャル・トランスミッション」の概念も含まれている。技術的には必須ではないが、よりスポーティなドライビング体験を提供する可能性があるという。
もっとも、メーカーが取得した特許のすべてが市販モデルに採用されるわけではない。このユニークなエンジンコンセプトが将来のフェラーリ車に搭載されるかどうかは、現時点では不透明だ。
Text: Sebastian Friemel
Photo: Ferrari

