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野田樹潤がフォーミュラE世界選手権ルーキーテストに参加「I-TYPE 7」をドライブ

2026年4月11日

ジャガーのワークスチームであるJAGUAR TCS RACINGは、2025/2026年シーズンのABB FIAフォーミュラE世界選手権第6戦マドリードE-Prix終了翌日に実施されたルーキーテストにおいて、日本人ドライバーの野田樹潤とブライス・アロンの2名を起用した。前日のレースでチームが歴史的な1-2フィニッシュを達成した勢いそのままに、次世代ドライバーの育成と評価を目的とした重要なテストとなった。

舞台となったのはスペインのハラマ・サーキット。野田にとっては、2025年11月にバレンシアで開催されたオールウーマンテストに続く2度目のフォーミュラE公式テスト参加であり、対するアロンは今回が初のステアリングとなる。それぞれ経験値の異なる2名だが、いずれも事前準備の徹底と高いプロフェッショナリズムを発揮し、GEN3 Evo世代の最新マシン「I-TYPE 7」への適応力の高さを示した。

テストは午前・午後の2セッション制で行われたが、午前中は2度の赤旗中断やコース上の混雑により走行機会が制限される難しいコンディションとなった。その影響もあり、多くのルーキードライバーが350kWフルパワーを活かしたアタックラップをまとめきれず、タイム計測はやや混沌とした展開となる。そうした中でアロンは15番手(トップから3.679秒差)、野田は18番手(同3.978秒差)でセッションを終え、限られた走行時間の中で着実にデータ収集を行った。

午後のセッションでも状況は大きく改善せず、トラフィックの影響を受けながらの走行が続いた。それでもアロンは1分32秒108を記録し総合16位、野田は1分33秒199で総合19位と、それぞれ安定したラップを刻みテストを締めくくっている。順位やタイム以上に、両者がチームにもたらした技術的フィードバックと走行データの質が高く評価された点は注目に値する。

チーム代表のイアン・ジェームスは両名について、「フォーミュラEマシンでの経験が限られているにもかかわらず、非常に成熟した姿勢でテストに臨み、短時間で順応した」とコメント。さらに「膨大な情報を的確に整理し、チームにとって有益なフィードバックを提供してくれた」と述べ、将来性の高さを強調した。

野田は「再びこのチームで走る機会を得られ、前回からの成長を実感できた。難しいコースだったが学びは多かった」と振り返り、アロンも「素晴らしい経験であり、1日を通して大きく成長できた」と語るなど、両者ともに充実したテストであったことを示している。

JAGUAR TCS RACINGはフォーミュラE参戦以来、20勝以上、50回以上の表彰台を記録し、2024年にはチームおよびマニュファクチャラーズタイトルを獲得。電動モータースポーツのトップカテゴリーにおいて確固たる地位を築いてきた。GEN3 Evo時代に投入された「I-TYPE 7」は、同チーム史上最も先進的かつ高効率なマシンであり、2024/25シーズンには6勝を挙げるなど競争力の高さを証明している。

さらに同チームは2026年以降のGEN4時代への参戦もすでに表明しており、電動化時代におけるモータースポーツと市販車開発の両面で長期的なコミットメントを継続。「Race to Innovate」を掲げ、レースで培った技術を市販EVへ還元する取り組みを加速させている。

今回のルーキーテストは、そうした技術開発と並行して将来のドライバー育成を担う重要なプログラムの一環だ。野田樹潤という日本人ドライバーの継続起用も含め、グローバルかつ多様性を重視した人材戦略の一端がうかがえる内容となった。フォーミュラEの進化とともに、次世代ドライバーたちの台頭にも引き続き注目が集まりそうだ。

Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:ジャガー ランドローバー ジャパン