スズキ、2026 年の鈴鹿8 時間耐久ロードレースと全日本ロードレース選手権に「チームスズキCN チャレンジ」で参戦
2026年4月7日
スズキは2026年3月27日、同年7月3日から5日に三重県・鈴鹿サーキットで開催される「FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第47回大会」に、「チームスズキCNチャレンジ」としてエクスペリメンタルクラスへ参戦することを発表した。あわせて、全日本ロードレース選手権にも継続参戦し、レース活動を通じた技術開発と人材育成を推進する。
チームスズキCNチャレンジはスズキ社員で構成されるプロジェクトチームで、社内公募により選抜されたメンバーが参加する点が特徴だ。2026年は新たな人材を加え、環境負荷低減と高い走行性能の両立をさらに高いレベルで実現することを目標に掲げる。サステナブル素材や技術の適用範囲を拡大しつつ、過酷な8時間耐久レースを戦い抜くことで、将来の市販車開発へとフィードバック可能なデータと知見の獲得を狙う。
同社代表取締役社長の鈴木俊宏は、過去2年の取り組みにより多くの支援とともに完走を果たし、製品開発に資する貴重なデータを得られたことを強調。そのうえで2026年もライダー以外は社員で構成する体制を維持し、耐久性や信頼性の検証を進めながら、より多くのファンと感動を共有し、ものづくりへのモチベーション向上につなげたいと述べている。
また、二輪事業本部長の伊勢敬は、2025年大会での転倒とそこからの復帰経験に触れ、チームにとって大きな財産となったと振り返る。2026年はサステナブル技術のさらなる拡充と性能向上の両立に取り組み、スズキの技術力と挑戦姿勢を世界に発信していく考えだ。
参戦マシンは「チームスズキCNチャレンジ GSX-R1000R」。新開発エンジンや車体部品を採用しつつ、多数の環境配慮型パーツを投入する。燃料には100%サステナブル認証を受けたトタルエナジーズのExcellium Racing 100を使用し、タイヤは再生資源・再生可能資源の比率を高めたブリヂストン製を採用。さらに、バイオ由来ベースオイル(MOTUL)、天然繊維複合材(Bcomp製カウル)、環境配慮型チタン素材(日本製鉄とヨシムラジャパン)、カーボンブラックフリーのシール材を用いたドライブチェーンなど、各領域でサステナブル技術が投入される。バッテリーにはLFP(リン酸鉄リチウム)タイプを採用し、ピット電源にも蓄電池を活用する。

ライダーは津田拓也とエティエンヌ・マッソンの2名体制。プロジェクトリーダーに佐原伸一、チームマネージャーに田村耕二、クルーチーフに今野岳が名を連ねる。
全日本ロードレース選手権への参戦は、若手社員を含むチームメンバーのスキル向上と車両開発力の底上げを目的としたものだ。実戦を通じて得られる経験を蓄積し、耐久レース本番でのパフォーマンス向上へとつなげる狙いがある。

スズキのCNチャレンジは、モータースポーツを単なる競技にとどめず、カーボンニュートラル時代に向けた技術実証の場として活用する取り組みである。環境性能と走行性能という相反しがちな要素の両立に挑む同プロジェクトは、今後の二輪車開発の方向性を示す重要な試金石となりそうだ。
Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:スズキ

