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マツダ、第72 回大河内記念生産特賞および、第10 回ものづくり日本大賞(経済産業大臣賞)を受賞

2026年4月7日

マツダは、生産技術分野における革新が評価され、第72回大河内賞で最高位となる「大河内記念生産特賞」を初受賞するとともに、第10回ものづくり日本大賞において「経済産業大臣賞」を受賞した。いずれも、同社が開発したホットスタンプ加工技術が対象であり、安全性・軽量化・生産性という相反しがちな要素を高次元で両立させた点が高く評価された。

今回の技術は、鋼板を加熱して軟化させた状態で成形し、金型内で急冷することで高強度・高剛性部品を生み出すホットスタンプ工法を進化させたものだ。マツダは、従来課題となっていた冷却工程の長さやレーザーカット工程の必要性に着目し、独自の金型構造と部品設計を開発。これにより冷却時間を大幅に短縮し、さらにレーザーカット工程そのものを不要とする新工法を確立した。

その成果は数値にも明確に表れている。強度や板厚の異なる鋼板を最適配置することで、衝突安全性能を従来比で約1.6倍に高めながら、車体の軽量化を34%達成。同時に生産性は約4倍に向上し、コストも34%削減されている。従来はトレードオフとされてきた安全性、軽量化、生産効率を同時に成立させた点が、今回のダブル受賞につながった。

受賞技術を採用した構造部品を採用するCX-60(左)と 受賞技術によって加工されたBピラー。

また本技術はすでに市販車にも展開されており、「MAZDA CX-60」などに採用されているほか、2026年春に日本導入予定の新型「MAZDA CX-5」にも一部技術が反映される見込みだ。これにより、走行性能だけでなく環境性能や安全性の向上にも寄与し、同社が掲げる「走る歓び」の進化に直結している。

さらに、ものづくり日本大賞では、この技術開発を担ったエンジニアチームも表彰対象となった。特にBピラー部品において世界で初めてレーザーカット工程を廃止した点や、CO₂排出量の削減に貢献した点が評価されている。自動車の骨格部品における製造プロセスの刷新は、量産現場におけるインパクトも大きく、今後の車体設計・生産技術の方向性を示すものと言える。

ものづくり日本大賞を受賞した開発メンバー。

同社は今回の受賞について、「人を中心に据えたクルマづくり」の思想を生産現場から深化させた成果と位置付けている。この技術は安全性向上や軽量化による環境負荷低減に加え、材料のリサイクル性にも優れるなど、循環型モビリティ社会への適合性も高い。

マツダは今後も技術革新を通じて、安全・安心で持続可能な移動社会の実現を目指すとともに、ドライビングの本質的な楽しさを追求し続ける構えだ。

Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:マツダ