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人生を謳歌するためのオープンスポーツ「フェラーリ アマルフィ スパイダー」日本初披露

2026年3月25日

桜が開花し始めた3月24日、恵比寿のウエスティンホテル東京にて「フェラーリ アマルフィ スパイダー(Ferrari Amalfi Spider)」のプレスプレビューが華々しく開催された。スーパーカーとは無縁な人生を送る大林晃平が会場からレポートする。

のっけからどうでもいい話題で申し訳ないが、新車の発表会などのイベントに招かれると着ていく服を何にするか迷う。そういう会のほとんどすべてには、自動車会社やインポーター等の偉い方々がいらっしゃるからで、そういう方々に失礼になってはいけない、というのがまずは第一の理由である。第二の理由はそういう場所にいらっしゃる方々、受付されるスタッフの方々や、メディアに属する多くのギョーカイ関係者の方々の服装&持ち物チェックがなかなかに厳しように感じるからで、やはりいい加減な格好で行ってしまってはなんだか世の中に新しく出る車にも、アウトビルトジャパンの方々にも申し訳ないように感じてしまうのである。

さらに今回はフェラーリというブランドの取材なので、そのプレッシャー圧にもブーストがかかる。おそらくその場にいらっしゃる方々はイタリアンスーツを着こなしていたり、靴だってタニノクリスチーなどでなければ裸足の方がまし、くらいの意気込みの服装が標準なはずで、まあ会場に向かう当方の気が重くなってしまうことは事実である。

悩んだ末、結局スーツで行くことにした。これが一番間違えなく楽だからで、安直な逃げ道ではあるが致し方ない。そんなこんなで今回の会場となった恵比寿のウエスティンホテル東京の地下2階会場に赴くと、そこはかなり華々しい世界であった。

最前列の中央部に鎮座されていたのはカーグラフィック代表の加藤哲也氏。伊達男らしくブルー系のジャケットにチェックのシャツとニットタイ、まさに洋服も着座位置もドンピシャである。

いつも通りにジャケットを腕まくりして半ズボンにキャップをかぶりサングラス、という定番の組み合わせで参加されているのは元NAVI/GQ編集長の鈴木正文氏。春らしく明るいベージュの組み合わせだが、どこから見てもイッパツで鈴木さんだとわかる。

ラフに白と紺色のボーダーのニットでやってきていたのは渡辺敏文さんで、マルキオンネやスティーブ ジョブスのようにこれが彼のトレードマークでありアイデンティティともいえよう。

さて我々アウトビルトジャパンチームは会場の右端っこの椅子とテーブルに案内され、飲み物をどうぞと促された。今回はグレープフルーツかフランボワーズのモクテルが用意されたが味はどちらも大変美味で文句なしの演出である。

定刻11時、長身で白いスーツを身にまとった美人MCの方の短い挨拶か終わると、世界的なオペラ歌手である中村三千絵さんと樋口達哉さんが登壇し、ニューシネマパラダイスを高らかに歌い始める。そのバックには美しいアマルフィ(もちろんイタリアの風景の方)の情景やクルーザー、別荘、ワインなどが映し出され実に素敵な雰囲気である。いうまでもなく「フェラーリ アマルフィ スパイダー」のコンセプトはそういう豪奢な世界のよんどころない方々のための自動車で、サーキットを走る画像などが一切ないことからも、その立ち位置は明白である。

圧倒的な歌唱力に酔いしれたら、続いてフェラーリジャパン代表取締役社長ドナート ロマニエッロ(Donato Romaniello )氏が登壇し、流暢な日本語でプレゼンテーションが始まる。その言葉の端端からも、今回の「アマルフィ スパイダー」はあくまでも快適で美しさに満ちた自動車であることが強調されていることがわかる。

ロマニエッロ氏のスピーチの後は、今回、マラネロからこのイベントのために来日したフェラーリプロダクトマーケティングマネージャー マッティア メッジョリン(Mattia Meggiorin)氏による「アマルフィ スパーダ―」のプロダクトプレゼンテーションが始まるが、そこでも走りよりも快適性などの解説が多かったことが印象的であった。

プレゼンテーションが終わり再度登場し「私のお父さん」の歌唱と、再び美しいアマルフィ海岸の画像とともにアンヴェールされた「フェラーリ アマルフィ スパイダー」はエメラルドグリーン(Verde Costiera)のボディーカラーに明るいベージュのシートという華麗な組み合わせで、思わず30年以上前のリラの時代に訪れた地中海の街の美しい風景を連想した。

先ほどのメッジョリン氏のスピーチの中には「一応」640馬力を持ち、0-100km/h加速が3.3秒という性能を持つ、という説明はあったが、もちろんこの車の本質はそこにはない。

Ferrari Amalfi Spider
エンジンツインターボV8-90°
排気量3855㏄
最高出力640cv/7500rpm
最大トルク760Nm/3000-5750rpm
トランスミッション&ギアボックス8速デュアルクラッチF1DCT
最高速度320kn/h
0-100km/h3.3秒
0-200km/h9.4秒
パワーウェイトレシオ2.42kg/cv
100-0km/h30.8m
200-0km/h119.5m
全長/全幅/全高4660/1974/1305mm
ホイールベース2670mm
乾燥重量1556kg
重量配分(F/R)48/52%
燃料タンク80L
トランク容量255/172L
タイヤサイズF:245/35 R20 R:285/35 R20

「フェラーリ ローマ」の後継モデルともいえる「アマルフィ」のスパイダーが大切にするのは、二人分の小型トロリーバックが入る255リッターのトランクスペースであり、5層構造で色が自由に選べるルーフであり、風を巻き込まないためのデフレクターといった快適装備の方だし、プレゼンテーションの最後に放映された画像も、超立派な別荘から出て来た若い男女が「アマルフィ スパイダー」で夕暮れの街に晩御飯に出かける(たぶん)場面でエンディングとなる。これはそういうクルマなのである。

今回のプレス発表の会場には派手な和装の女性や、9㎝(目測)の細いピンヒールを履いた女性などもいたのだが、かなり長時間現車を見ていたことが印象的であった。最終的な発注の前に、ヘッドレストの跳ね馬の刺繍の色を何にするか、決めに来ていたのかもしれない。

そんな華麗で、僕とは別世界の自動車の価格は当日発表されなかったものの、たぶん4000万円とか5000万円くらいするのだと思う。

Text:大林晃平
Photo:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)