【オークション特集①】ファッションデザイナーのマグナス ウォーカー、ユニークなポルシェ911 GT2をオークションに!その驚異の想定落札価格とは?
2026年3月12日
モデルカー、ステアリングホイール、シート、そして完成車まで:ファッションデザイナーのマグナス ウォーカー(Magnus Walker)が自身のポルシェコレクションの一部をオークションに出品する。この特別な「ポルシェ 911 GT2 (996)」もその出品物のひとつだ!
マグナス ウォーカーがコレクション整理を行う。象徴的なファッションデザイナーでありポルシェ愛好家でもある彼は、膨大なコレクションの一部を手放すことを決めた。モデルカー、腕時計、数え切れないほどのスペアパーツ、さらにはイェーガーマイスターのタップシステムまで含まれる。著名なオークションハウスRMサザビーズ(RM Sotheby’s)が「The Outlaw Collection」と題したコレクションを競売にかける。
162点に及ぶ出品物は、いずれも程度の差こそあれポルシェに関係するものだ。その中には公道走行可能なポルシェが16台含まれている。ウォーカーは短い声明の中で、1992年、25歳のときに最初のポルシェを購入したと説明している。それは子供の頃からの夢を叶えただけでなく、振り返れば「すべての始まり」だったという。それ以来、彼のポルシェ趣味は大きく膨らみ、ついには一部の車両を手放す決断をせざるを得なくなったと付け加えた。
ウォーカーが16台のクルマを出品
ファンにとっては特別な機会だ。というのも、ウォーカーは「911 S (1967)」(推定13万〜17万ユーロ=約2400万円~3100万円)や、よく知られる「911 Turbo (1976)」(15万〜17万ユーロ=約2770万円~3140万円)なども手放すからだ。さらに、人気のトランスアクスルモデルである「944」や「968」といった、より手頃なモデルもオークションに出品される。このオークションの特徴は、すべての車両およびオートモビリアがリザーブなし(最低落札価格なし)で提供される点にある。

空冷の「911」を好むウォーカーだが、コレクションには水冷ポルシェもいくつか含まれている。そのひとつがこの「911 GT2 (996)」で、いまだにどこか疑いの目で見られることがあるモデルだ。しかし、目の肥えた愛好家やコレクターは、特徴的な「目玉焼き」ヘッドライトにもかかわらず、あるいはそれゆえに、996世代のポテンシャルを長く認識してきた。
GTモデルの頂点
希少なGTモデルは当然ながら特に人気が高く、多くの人がまず「911 GT3 (996)」を思い浮かべるだろう。1999年に特徴的な大型リアウイングを備えて登場した「996 GT3」は、この系譜の最初のモデルであり、その後のすべてのGTモデルの基礎を築いた。良好な個体は年々価値が上昇しており、わずか682台しか生産されなかった「911 GT3 RS (996)」は、長期的に価格がどこへ向かうのかを示している。

常に「GT3」の影に隠れ、いまなお“隠れた名車”のような存在なのが「GT2」だ。「GT3」の兄貴分であるこのモデルは2000年にアメリカで発表され、2001年から販売された。2004年まで3.6リッター水平対向6気筒エンジンは462馬力、620Nmのトルクを発生し、その後の「GT2 MKII」では482馬力と640Nmに引き上げられた。「GT2 MKII」の生産台数は100台未満と考えられている。
462馬力、最高速315km/h
今回オークションにかけられる「996 GT2」は2002年式で、462馬力仕様だ。ウォーカーはこの911を2020年に購入しており、彼は3人目のオーナーとなる。最高速度315km/hに達するこの「GT2」は、以前の2人のオーナーによって日常の足として使用されていた。そのため走行距離は15万3000km以上(95,284マイル)と比較的多く、そのうちウォーカーが走行した距離はわずかだ。

この「GT2」の魅力は、完全に追跡可能な履歴にある。車は2002年6月17日に工場から出荷し、ロサンゼルスに納車された。そしてその後の人生のすべてをロサンゼルスで過ごしている。ちょっとした豆知識として、2002年には184台の「996 GT2」がアメリカに輸出された。2005年までの総生産台数はわずか1287台と考えられている。
ほぼ完全なオリジナル状態
ウォーカーにしては珍しいことだが、この911を5年以上所有していながら、彼は新しいホイールを装着しただけで、それ以外は工場出荷時のままの仕様を維持している。つまり、この「GT2」は技術的にも外観的にも、工場を出た当時とほぼ同じ状態なのだ。
その理由は少し奇妙に思えるかもしれない。オークション説明の中でウォーカーは、この「GT2」の状態が「自分にとっては少し良すぎる」と説明している。
「とても人気の高い色の魅力的なクルマだ。次のオーナーのためにできるだけ良い状態で残すべきだと思う。私は自分のクルマをそれほど丁寧には扱わない。時にはへこみや傷もつけてしまうし、このクルマにそれが起きてほしくないんだ」

ブラックは人気のボディカラーだが、この「GT2」を本当に特別なものにしているのは主にインテリアだ。初代オーナーはトップモデルを注文する際、当時アメリカでは設定のなかったクラブスポーツパッケージもバケットシートも選ばず、その代わりに「ナチュラルブラウン」の特注レザーインテリアを選択した(CXXが一般的になるずっと前の話だ)。
実際、ほぼすべてがレザー張りだ。シート、ステアリングコラム、Aピラーを含むヘッドライナー、センターコンソール、サンバイザー、さらにはエアベントまでレザーで覆われている。発売当時、「GT2」のドイツでの基本価格は31万9000ドイツマルク(約3000万円)だった。このツーリング仕様の個体は、それよりかなり高価だった可能性が高い。
推定落札価格
興味深いことに、RMサザビーズはこの個体の推定価格を10万7000〜13万ユーロ(約1979万円〜2400万円)としている。GT2はすでに15万km以上を走っているとはいえ、この価格はかなり低く見える。現在ドイツでは、最も安いオリジナルの996 GT2でも約12万ユーロで販売されており、しかも特別なレザー内装や有名な前オーナーは付いていない。
結論:
アメリカで続くポルシェ人気と、「996 GT2」の限られた生産台数を考えると、この「911」が13万ユーロ(約2400万円)を大きく超える価格で落札されてもまったく不思議ではない。結果がとても楽しみだ。
Text: Jan Götze
Photo: Forest Casey ©2026 Courtesy of RM Sotheby’s

