お買い得ハイパーカー「ドンカーブート(Donkervoort)P24 RS」フェラーリの多くよりも希少で、ポルシェの大半よりも速く、ケーニグセグの数分一の価格で手に入る
2026年2月13日
「ドンカーブート P24 RS」は、あらゆる面で“極端”なクルマである。極めて希少で、極めて速く、そして何よりも極めて軽い。オランダのドンカーブートは保守的に算出した車両重量を780kgと公表している。走行可能状態では840kgとされ、この軽量ボディに600psと800Nmのトルクが組み合わされる。価格は40万ユーロ(約7400万円)だ。
その結果、ハイパーカーに匹敵するパフォーマンスを実現している。0-200km/h加速は7.4秒。最高速度は300km/h超。そして最も印象的なのが最大横加速度2.3Gという数値だ。
数値を確認したところで、「P24 RS」を詳しく見ていこう。驚異的なスペックを誇るが、ドンカーブートが重視しているのは理論上の数字だけではない。オランダのレリスタットで手作業により生産されるこの低重心スポーツカーは、オーナーに究極のドライビングプレジャーを提供することを最大の目的としている。
ドンカーブートの歴史
ドンカーブートを知らない人のために説明すると、同社は1978年にヨープ ドンカーブートによって創業された、現在も家族経営のメーカーである。現在は息子のデニスが経営を担う。「P24 RS」はその伝統を受け継ぎ、2024年に誕生したデニスの次女フィービー(Phébe)にちなんで名付けられた。

さらなるパフォーマンス領域へ踏み込むため、ドンカーブートは従来のアウディ製直列5気筒ターボエンジンを廃止した。量産車がダウンサイジングを進める流れとは逆に、同社は気筒数と排気量を拡大する道を選択した。
新たに搭載されるのはフォード製3.5リッターV6ビターボエンジン(ドライサンプ潤滑)。ドンカーブートの初期モデルにもフォード製パワーユニットが採用されており、いわば原点回帰でもある。

600ps/800Nm
「P24 RS」では大幅に改良されたこのV6が600psと800Nmを発生。先代F22に比べ、出力は100ps、トルクは160Nm向上している。ドンカーブートの流儀に従い、駆動方式は後輪駆動。トランスミッションはトレメック製5速マニュアルだ。調整式トラクションコントロールは標準装備されるが、ESPは価格に関係なく設定されない。

デザイン
外観は一見すると「F22」の穏やかな進化型に見える。厳密にはその通りだが、細部を観察すると違いは明確だ。ヘッドライトは大幅に細くなった。というのも、そこにはデイタイムランニングライトとウインカーのみが収められているためだ。本来のヘッドライトはグリル左右から高速で展開する構造となっている。ドンカーブートはこの魅力的な機構を「スイングアウト・ヘッドライト」と呼ぶ。

インテリア:想像以上の空間
取り外し式ルーフパネルのおかげで乗り込みは想像以上に容易だ。クイックリリースで小径ステアリングを外し、バケットシート前方に足を入れ、体を支えながら滑り込めば完了する。
ケータハムと比べると空間は明らかに広い。ドンカーブートによれば、身長2.05mまでのドライバーが問題なく乗車可能だという。身長1.83mの筆者は非常に快適に感じた。

特に印象的なのは、完璧なまでの仕上がりだ。露出カーボン製ボディはわずかなミスも許されない。この個体はプレプロダクションモデルであるにもかかわらず、ビルドクオリティは卓越している。

ドンカーブートは「P24 RS」を150台限定で生産する計画だ。現時点で約100台が販売可能とされる。ベース価格は298,500ユーロ(約5520万円)。ドイツでの税込価格は355,215ユーロ(約6570万円)となる。ただしオプションを追加すると価格は容易に40万ユーロ(約7400万円)を超える。価格面でもまた“極端”な存在である。
結論:
筆者は何年も前に「D8 GTO」を試乗して以来、ドンカーブートのファンだ。デザイン面では「F22」で大きな前進を遂げた。そして「P24 RS」で最も感銘を受けたのは、スペック以上に、その非の打ちどころのない仕上がりだった。試乗レポートが待ち遠しい。







Text: Jan Götze
Photo: Donkervoort Automobielen BV

