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第45回JAIA輸入車試乗会特集「メルセデスG580 with EQ Technology」 G450d>G580>G63

2026年2月12日

前回、「メルセデスG580 with EQ Technology」に試乗したのは日本導入も間もない頃で、富士山麓のオフロードコースで乗ったG580 with EG Technologyはその時に比較対象として用意されていたG450 dのパフォーマンスをはるかに超え、乗員の方が負けてげっそりするほどの高性能ぶりを見せつけた。

あまりにオフロードコースでの走行パフォーマンスが鮮烈だったので本当に敗北感に打ちひしがれ、アウトビルトジャパン(Auto Buid Japan)のメンバーとやけくそで、富士宮焼きそばを食べて帰ったことを思い出す。

「日本上陸を果たした「メルセデスG 580 with EQ Technology」は究極のオフローダーなのか?」
https://autobild.jp/44569/

あの時はオフロードコースのみという限定された条件での試乗だったこともあり、今回はオンロードでの性能をチェックできるのは嬉しかった。選んだコースは、あえて西湘バイパスと平坦な一般道を中心とした。なぜなら、世の中の(特に日本の)ゲレンデヴァーゲンのほぼすべては、そういうオンロードのみでの使い方をされているはずだからで、これは言うまでもなく超もったいない話なのだが、とにかくそういう現状なのだから致し方ない。

それにしてもG580 with EQ Technologyというのはあまりに長く格好良くないので(G580eとかじゃダメなのか?)、ここからはG580 と呼ばせていただくことにする。試乗したG580は艶消しのホワイトに塗られたエディション1(26,350,000円)というモデルだ。本来はマニファクチュールのカラーとなるこの艶消しホワイトに塗られたゲレンデヴァーゲンはなんだか中国に強制帰国されたパンダを連想させる。

ガチャッと開くいつものドアを開けて乗り込めばそこはまごうかたなきゲレンデヴァーゲンの世界ではあるが、スイッチをONにし走り始めると音もなくヌメッと走り出すところに違和感を覚える。そのまま西湘バイパスに乗って大磯の合流で一旦停止し、本線に合流しようとアクセルペダルを深く踏み込むと、3トンを超える車輛は滑らかなまま、しかし傲然と加速した。

なんというか、すごい、という語彙の少なさ満点の感想しか出てこない自分が恥ずかしい。すごいのは当たり前で、G580には1輪あたり147PS&291Nmのモーターがついているからで、それが四輪にぜんぶ備わっているのだからすごくなきゃおかしい。というわけでG580はトータルで587PS&1,164Nmものパワーを使って、3,120kgの車重を強引に引っ張るのであった。この車重は「普通の」G63よりも550kgも重いが、西湘バイパスでは目もくらむような加速を滑らかなまま披露する。

当然、そんな走行をすればバッテリーはメリメリ減ることは言うまでもなく、メーターのバッテリー残量は、あれよ、あれよという間に減っていく。リチウムイオンバッテリーの容量は116kWhで、これは日産サクラ(20kWh)のざっと6倍なのだが、それでも3トン以上もあって空気抵抗の塊のようなボディを意のままに走らせたならば、安心して走行できる距離はそれなり、だと思う。

では僕はそんなG580 with EQ Technologyに否定的な感情を持つかといえば、まったくそんなことはない。むしろ肯定派の一人で、大都市で大量に見かけるゲレンデヴァーゲンのAMGであれば、僕はこちらをチョイスしたい。もちろんバッテリーの劣化や各部のブッシュの痛み、そしてタイヤの劣化などなど3トンの弊害や心配事はあるかもしれないが、静かで快適に街中を走ることが出来るのは言うまでもなくこちらである。

だがディーゼルのG450dなどを比べて、さあどっちを買うのかと聞かれたら(買えないけど)、僕はやはり人肌の暖かさのあるディーゼルを選びたい。その方が末永く心配事なく付き合えそうだし、どこか遠くへ旅に出かけた時にも充電スタンドの心配事が(今は)少なさそうだから。

そんなG580 with EQ Technologyだが、街中であまり見かけないのはちょっと残念(?)である。やはりみんなドロドロと音の出るAMGじゃなくっちゃいけないのかなぁ、と思うとなんだかもったいない。G580 with EQ TechnologyもAMGパッケージにして売ればもう少し販売も伸びそうなのに、というのが無責任な外野の意見である。

Text: 大林晃平
Photo: Auto Bild Japan