ケータハムはEVスポーツカー「プロジェクトV」の最新プロトタイプを東京オートサロン2026で世界初公開
2026年1月10日
ケータハムカーズ・ジャパンは、「東京オートサロン2026」においてEVスポーツカー「プロジェクトV」の量産化に向けて、開発・製作した最新プロトタイプを世界初公開した。
開発にあたっては東京R&D、ヤマハが協力。動力系をはじめエクステリア、インテリアのデザインがアップデートされ、いよいよ市販化が見えてきた。
プロジェクトVは、2023年に英国グッドウッドで初披露されたコンセプトカーを起点とする。EVでありながら、ケータハムが長年培ってきた“PURE.SIMPLE.FUN”のDNAを色濃く継承することを開発思想の中核に据えている。現在は市販化に向けた開発が着実に進行しており、2025年秋にはプロトタイプ車両が完成。すでにテスト走行も開始されている。
開発体制も国際色豊かだ。EVパワートレインの中核となるeアクスルはヤマハ発動機が専用開発し、ケータハムはその最初の供給先となる。バッテリーには、台湾のXING Mobilityが開発した液浸冷却バッテリー「IMMERSIO™ Cell-to Pack」を採用。プロトタイプ車両の開発・製作は、東京R&Dと共同で進められている。
セブンの思想を現代に昇華したデザイン
内外装デザインを手がけたのは、セブンのオーナーでもあるデザイナー、アンソニー ジャナレリだ。セブンのノーズコーンを想起させるフロントフェイスや、無駄を削ぎ落としたミニマルな造形によって、ケータハムならではの“PURE”と“SIMPLE”を明確に表現している。

Photo:ケータハムカーズ・ジャパン

Photo:ケータハムカーズ・ジャパン
基本的なエクステリアはコンセプトモデルの意匠を踏襲しつつ、最新プロトタイプでは各国法規への対応を目的にリアコンビネーションランプなどを変更。ただし、全体のデザインアイデンティティは一切損なわれていない。
インテリアも大きく進化した。セブンを彷彿とさせるフラットパネル基調のインストルメントパネルに、丸型デジタルディスプレイを組み合わせ、クラシカルな雰囲気と現代的な機能性を高次元で融合している。

Photo:ケータハムカーズ・ジャパン
また、従来の3人乗りレイアウトから「2+2」シートへ刷新。よりオーソドックスなパッケージングとすることで、ピュアさを保ちながらも、グランドツーリング的な用途にも対応する資質を備えた。

Photo:ケータハムカーズ・ジャパン
ヤマハ製eアクスルと液浸冷却バッテリーを採用
プロジェクトVに搭載されるeアクスルは、モーター、インバーター、ギアボックスを一体化した高効率ユニットだ。鋭いレスポンスとリニアな出力特性を特徴とし、EVでありながらも“ファン・トゥ・ドライブ”を徹底的に追求している。
バッテリーには、XING Mobilityの「IMMERSIO™ Cell-to Pack」を採用する。バッテリーセルを誘電性の冷却液に直接浸す液浸冷却方式により、急速かつ均一な熱マネジメントを実現。過酷な使用条件下でも高い安全性と信頼性を確保する、世界最先端の車載バッテリー技術だ。高出力化、熱管理、安全性を高い次元で両立することで、EVでありながらケータハムの本質を揺るぎなく体現している。
伝統の鋼管スペースフレームをEV時代に継承
シャシーには、ケータハム伝統の鋼管スペースフレーム構造を採用する。セブン以来用いられてきたこの構造は、高剛性と軽量性を両立し、ダイレクトなハンドリングと優れた運動性能を支えてきた。
EVという新たなパッケージを採用しながらも、鋼管スペースフレームのシンプルかつ柔軟な構造により、最新のパワートレインとバッテリー搭載を前提とした合理的な設計を実現。低重心化とリニアな加速特性と相まって、電動化時代においてもケータハムらしい一体感のあるドライブフィールを生み出している。
プロジェクトVは、単なるEVスポーツではない。ケータハムが電動化時代に示す、揺るぎない哲学そのものだ。

ケータハム──「走る楽しさ」を半世紀以上貫くライトウエイト・スポーツの象徴
ケータハム(ケータハム・カーズ・リミテッド)は、1973年にグラハム・ニアンが、ロータス創業者コーリン・チャップマンから「セブン」の製造設備、設計図、デザイン、そして独占製造権を取得したことから始まった。以来、軽量でシンプル、そして純粋なドライビングプレジャーを追求する2人乗りスポーツカーを一貫して生産している。
ケータハムの哲学の中核にあるのは、チャップマンへの敬意に根差した「走る楽しさ」そのものだ。効率や合理性を突き詰めることでドライバーとの一体感を高めるという思想は、創業から現在に至るまで一切揺らいでいない。
また、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズ体験にも注力する。公道走行用からサーキット志向の仕様まで、走行スタイルや用途に応じて理想の一台を仕立てられる豊富なオプションを用意し、“自分だけのセブン”を完成させることができる。
車両はすべて英国の自社工場で生産される。現在はケント州ダートフォードに本社を構え、1987年以降は完成車およびキットカーという形態で製造を継続。2023年時点で、世界15の主要市場において30以上の正規ディーラーネットワークを展開している。
モータースポーツ活動もケータハムの重要な柱だ。英国では、あらゆるレベルのドライバーを対象とした5つのレースシリーズを運営。1995年に創設されたエントリーレベルの「ケータハム・アカデミー」では、これまでに1,300人以上の初心者ドライバーがレーシングドライバーとしてのキャリアをスタートさせてきた。
現在ケータハムは、日本最大級の自動車ディーラーグループのひとつであるVTホールディングスの傘下にある。同グループは2009年より、日本における輸入総代理店であるエスシーアイ株式会社も傘下に収め、日本市場におけるケータハムブランドの展開を担っている。
ケータハムは、時代が変わっても“軽さ”と“純粋さ”を武器に、スポーツカーの原点を提示し続ける稀有な存在だ。
Text&Photo:アウトビルトジャパン

