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【ガチンコ勝負】クラシックなエンジン技術の美を謳歌している「BMW M4クーペ」と「フォード マスタング ダークホース」どちらがより魅力的なのか?

2026年1月23日

BMW M4クーペ対フォード マスタング ダークホース:BMW M4とフォード マスタングがサーキットを疾走。デュアルクラッチとハイブリッド化が進む時代において、フォード マスタング ダークホース(Ford Mustang Dark Horse)とBMW M4は、クラシックなエンジン技術の美を謳歌している。どちらがより魅力的だろうか?

「マスタング」や「M4」が姿を現す場所では、必ずと言っていいほど”本物のクルマ好き”がステアリングを握っている気配が漂う。とりわけ、マニュアルトランスミッション車であればなおさらだ。

現代のオートマチックやデュアルクラッチは完成度が高く、筋金入りのMT信奉者でさえ、自らの選択を正当化する必要に迫られている。

それでもなお、最新のスポーツカーで自らギアを操作する人々は、明確な信念を持ってそうしている。
では、その「信仰心」はどこから生まれるのか。

マスタングは強烈な“音”で主張する

「マスタング ダークホース」でフォードは、排出ガス規制や騒音規制を考えれば、もはや実現不可能だと思われていたほど荒々しいクルマを、ドイツに投入した。アルミブロックのV8エンジンが、角度のついた4本出しテールパイプから放つ咆哮はあまりに過激で、アメリカのテレビ番組ならアクセルを踏むたびにピー音が入るレベルだ。

5.0リッターV8自然吸気の純粋なパワーに依存するマスタング・ダークホースは、まさに自動車界の恐竜と呼ぶにふさわしい存在であり、その走りは純粋に楽しい。

室内に目を向けると、「マスタング」はあくまでマスタングだ。素材は明らかにシンプルで、傷が付きやすい部分もある。レカロ製シートはやや柔らかめだが、それでも全体として十分な魅力を備えている。デジタルメーターは1967年型風や90年代調の表示に切り替え可能で、多数のデジタル補助メーターや、回転数を自由に設定できるローンチコントロールも備わる。

一方、「M4」ははるかにテクニカルな印象を与える。おなじみのカーブドディスプレイがダッシュボードを横断し、操作系は整理され、仕上げの品質も完璧だ。細部には巧妙な工夫も見られる。

BMWのインテリアにある弱点

「Mドリフトアナライザー」はドライバーの走りを解析し、ラップタイマーは周回タイムの計測を可能にする。しかし直接比較すると、BMWはいまだにクラシックな丸型スピードメーターを用意しておらず、三日月形のメーター表示のみで、その視認性には改善の余地がある。

操作系の整理や仕上げの完成度ではM4が際立つ一方で、計器の読みやすさには影が落ちる。

カーボン調パネルで雰囲気を演出するマスタングに対し、「M4」はオプションで本物のカーボンファイバーを室内に採用できる。なお、カーボンルーフは標準装備だ。

M4はドライバーを強力に支える

オプションのカーボンバケットシートは、ドライバーと助手席乗員をミリ単位で固定する。高速コーナーでは理想的だが、乗り降りや走行中に助手席のバッグへ手を伸ばすような場面では不向きだ。実用面での小さな利点として、背もたれが通常のスポーツシートよりコンパクトなため、後席の足元空間がわずかに広がる。ただし、誰がそこに座りたいかは別問題だ。

サーキット向きの装備:M4のスクリュークランプ固定式カーボンシェルシートは、ハードコアなファン向けの装備で、非常に低い着座位置を実現している。

「M4」はドライバーにとって扱いやすいクルマでもある。シフト操作やクラッチを切る際に必要な力は最小限で済む。ただしクラッチペダルのストロークが長いため、小柄なドライバーはステアリングに近い着座位置を強いられる。ワイドなセンターコンソールと相まって、やや窮屈に感じる場合もある。

マイルドハイブリッド?ふむ。「マスタング」も「M4」も、そんなものは搭載されていない。

「マスタング」はもともと快適性重視のキャラクターで、乗り心地もやや穏やかだ。シフト操作には力を要し、1速から2速への変速は渋く感じることもあるが、ギアが入る瞬間の「カチッ」という感触は非常に心地よい。両車とも、ダウンシフト時に自動で回転数を合わせるシフトアシストを備えるが、リラックスした走りを好むドライバーはこれをオフにして完全なマニュアル操作を楽しむこともできる。

テクニカルデータBMW M4 CoupéFord Mustang Dark Horse
エンジン直列6気筒ツインターボV型8気筒
排気量2993cc5038cc
最高出力353kW (480馬力)/6250rpm334kW (453馬力)/6500rpm
最大トルク550Nm/2650-6130rpm540Nm/5100rpm
最高速度290km/h263km/h
トランスミッション6速マニュアル6速マニュアル
タイヤサイズ(F-R)275/35ZR19-285/30ZR20255/40R19-275/40R19
タイヤ銘柄ミシュランパイロットスポーツ4Sピレリ Pゼロ
燃料タンク59L61L
トランク容量440L381L
全長/全幅/全高4794/1887/1393mm4810/1916/1403mm
ホイールベース2857mm2719mm
ベース価格97,100ユーロ(約1,796万円)73,000ユーロ(約1,350万円)
テスト車価格113,550ユーロ(約2100万円)74,800ユーロ(1,380万円)

マスタングのエンジンはアクセルに即応する

負荷をかけると、両車の違いが明確になる。「マスタング」はより穏やかにパワーを発揮する。「コヨーテ」と名付けられた453馬力のV8は540Nmのトルクを発生し、数値上は「M4」にほぼ並ぶ。自然吸気エンジンらしく、スロットルレスポンスは滑らかで直感的だ。ただし、同じ加速を得るにはより高い回転数が必要となる。

楽しいマシン:力強いV8エンジンの直線的に上昇する出力により、マスタングは予測しやすい走行性能を発揮する。

回転計の針が3,500rpmを超えると、「マスタング」は蜂蜜を求めるくまのプーさんのように前へ突進する。力強く、騒々しく、そして速い。しかし低回転から太いトルクを発揮する「M4」と比べると、その性格は穏やかで、リニアな出力特性ゆえに予測しやすい。これは決して欠点ではない。7,400rpmまで回し切る体験は、純粋に楽しい。

M4は予告なく一気に加速する

対照的に、「M4」は2,650rpmという低回転から480馬力と550Nmを一気に解き放ち、6,130rpmまでそのトルクを維持する。「マスタング」がまだ呼吸を整えている間に、同径ツインターボを備えた「M4」は一瞬で前へ飛び出す。クローズドコースでは、2速でも容易にリアを滑らせることができる。オプションのMドライバーズパッケージを装着すれば、最高速度でも「M4」が優位に立つ(290km/h対263km/h)。

パワーハウス:BMW M4に搭載される3.0リッター直列6気筒ツインターボは、まさに怪物的なエンジンであり、2速でも難なくクーペをドリフト状態へと導く。

「M4」は6速を全開走行にも対応する実用的なギア比とした一方、「マスタング」は200km/h巡航時でも回転数を約3,500rpmに抑えている。その結果、俊敏さでは劣るが、すでに過剰とも言える燃費を考えれば、フォードの意図的な判断だったと考えられる。燃費対策としては、スタートストップ機構以外に目立った工夫は見当たらない。

どれほど丁寧にアクセルを扱っても、「マスタング」の燃費はリッターあたり9.5kmだ。市街地ではリッターあたり5km以下になることも珍しくない。今回のテストでは、最終的にリッターあたり7.4kmを記録し、「M4」より多くの燃料を消費した。「M4」は市街地走行でおおむねリッターあたり6.6~7.6kmだった。

全長3.8kmのコンチドローム ドライハンドリングコースでも、「M4」が優位に立つ。31馬力の出力差に加え、126kg軽い車重を活かし、フロント荷重もフォードの54%に対して52%と軽い。その結果、より俊敏で、ステアリングもダイレクトだ。「マスタング」も健闘するが、グリップレベルはやや低く、ボディ剛性も控えめに感じられる。最も硬い設定でも、アダプティブMagneRideサスペンションはロールを許容する。

なお、チューナーのスティーダは「Steeda Q767 Dark Horse」で昨年、スタビライザーや補強、プログレッシブスプリングの変更により、ダークホースのポテンシャルを大きく引き上げられることを示している。

【チューンナップマスタング】フォードのアイコンモデルを走るダンサーに変身「スティーダQ767」の走りとは?
https://autobild.jp/46538/

M4は最終的に、より優れたサーキット向けツールである。コンチドロームでは、マスタングの1分33秒34に対し、約3秒短い1分30秒94を記録した。

M4はサーキットで支配的な存在となる

最終的に、「M4」は明確に優れたサーキットツールだ。コンチドロームでは、「マスタング」の1分33秒34に対し、1分30秒94を記録し、約3秒の差をつけた。本格的なサーキット走行を視野に入れるなら、マスタングには約1万5,000ユーロ(約270万円)の追加投資が必要となる。それでも標準状態では、このタイムにとどまる。

評価項目BMW M4クーペフォードマスタングダークホース
ボディ (最高点:15点)1210
クオリティ (最高点:20点)1816
シート/シートポジション (最高点:30点)2523
イクイップメント (最高点:15点)158
エンジン特性 (最高点:30点)2523
走行性能 (最高点:50点)3330
パワーウェイト (最高点:30点)2017
ギアボックス/シフト (最高点:20点)1413
サウンド (最高点:20点)1518
快適性 (最高点:20点)1716
安全性 (最高点:20点)1818
ハンドリング (最高点:50点)4035
ラップタイム (最高点:50点)3833
ステアリング (最高点:30点)2422
制動(ブレーキ)性能 (最高点:40点)2018
燃料消費 (最高点:20点)1310
魅力 (最高点:10点)77
価格 (最高点:30点)2026
総合評価 (最高点:500点)374344

価格帯はまったく異なる

最後に価格だ。ここでも「M4」は別次元にある。テスト車両には16,450ユーロ(約304万円)のMレーストラックパッケージが装着され、セラミックブレーキ、Mドライバーズパッケージ、カーボンバケットシート、19/20インチ鍛造ホイール、本物のカーボントリムなどが含まれる。重量は25kg削減されるというが、その代償はあまりに高額だ。

比較的安価:マスタング ダークホースの価格は74,800ユーロ(約1,383万円)だ。M4の価格は113,550ユーロ(約2,100万円)で、40,000ユーロ(約740万円)近く高い。

結果として、「M4」の車両価格は113,550ユーロ(約2,100万円)となり、74,800ユーロ(約1,383万円)のマスタングより約40,000ユーロ(約740万円)高い。「マスタング」は燃費が悪く、自動車税も年間698ユーロ(約12万円)と高額だが、保険料では「M4」より有利だ。どちらも「お買い得」とは言えない。しかし、喜びと満足をもたらす“愛すべき存在”であることは間違いない。

第1位 500点満点中374点:BMW M4クーペ
バイエルン流の最高のスポーツカー:高速、正確、そして非常に楽しい。それでも日常的に使用しても問題ない。
AUTO BILDのテスト評価:1.9

第2位 500点満点中344点:フォード マスタング ダークホース
サーキット走行にはあまり向いていないが、個性が強く、強力なエンジンを搭載し、比較的安価である。
AUTO BILDのテスト評価:2.3

結論:
時代遅れだろうか。おそらくそうだ。しかしスポーツカー愛好家にとって、この2台はいまなお頂点に君臨する存在である。「マスタング」はもはや直線番長ではなくなったが、進化したバイエルン製ライバルの運動性能には及ばない。それでも、「M4」に注ぎ込まれた精度と剛性の高さは、ただただ見事と言うほかない。

フォトギャラリー:トラックテストに参加した2台のアスリート

Text: Jonas Uhlig and Mirko Menke
Photo: Ronald Sassen / AUTO BILD