アプリ売りのオジさん彷徨記Vol.58「秋田で水上スキー・インカレ編」
2025年11月10日
【一時のブレークで男鹿半島の付け根、八郎潟で水上スキーインカレ見学】
実はワタクシ、学生時代、たいへん珍しいスポーツに打ち込んでおりました。「水上スキー」なのですが、皆さんは水上スキーって、どんな競技かご存じですか?
当時ほとんどの一般人からは、「レジャーで滑るか、観衆の前で大勢のスキーヤーが滑るアトラクション系」としか認識されていませんでした。
今でも語り草ですが学生時代、昔からの関係で「節分スキー」なる行事に呼ばれたことです。極寒の2月の芦ノ湖、遊覧船の周りを鬼に扮した我々が滑り、船上の観光客が豆を投げるイベントでした。滑っている最中は手も足も体も痺れる寒さで、水中にいる時間をいかに短くするかが命題でしたから、メンバーは上手い上級生メインでした。お面をつけ、赤や青の衣装を着て滑る姿は、笑い話しにはなりますけどね。
水上スキーには、スラローム、トリック、ジャンプの3種目があります。スラロームは、冬のスキーだと回転系の部類に入り、左右に3つずつ並んだ計6個のブイをクリアしなければなりません。トリックはフリースタイル系で、片道20秒間に点数の付いた技をどれだけ完走できるか、これで合計得点が決まります。ジャンプはその名の通り、水上に浮かぶジャンプ台からどれだけ遠くまで飛べるか、これで点数が決まる種目です。ワタシはスピードが好きだったこともあり、選手時代はスラロームとジャンプばかり、練習に明け暮れていました。
実は毎年9月初旬にここ秋田県大潟村で、全日本学生水上スキー選手権大会(通称インカレ)が開かれますが、岩手から秋田へ回る仕事でクライアントをフォローアップしつつ、後輩の応援や他校の同期の顔を見に、男鹿半島まで出張ってきました。

朝焼けの中、スラロームを滑る時に見える、水しぶき(スプレイ)が輝いています。
Photo:ナカタ ヒロユキ
ちなみに、水上スキーを見たことある方、いらっしゃるでしょうか?未だの方は是非、ピンボケのため鮮明でなく申し訳ないですが、YouTubeに動画をあげたのでご覧ください。特にスピード感のあるスラロームと、人が30~40m先まで飛ぶジャンプは、迫力があって面白いはず。
若手の後輩には、まだ全日本選手権大会に出場する強者がいますが、彼の情報によると今年ジャンプの1番は、なんと59m飛んだとのこと。日本の選手でも60mの可能性が見えてきたし、大台に乗ったら凄いことです。ワタシのインカレ記録は、約32mでしたから、倍近くも距離が伸びたということ。
これには、道具の素材や技術革新、ボートそのものの進化もあるだろうし、コーチングの進歩もあるだろう。クルマの世界も同様だが、うん十年以上の時の流れは、何事も驚くほど変えてしまう、ということなのでしょう。思わぬところで世代間ギャップに気付くオジさんです。

Photo:布野遼太
そんなオジさんが正直驚いたのは、女子選手達の上達というかスコアが、昔に比べて格段に上がっていること。スラロームはもちろんトリックも同様だが、一番の驚きはジャンプ。私が現役のころ、女子のジャンプ競技はほぼありませんでしたが、今では普通に取り組んでいる。棒飛びと言われる、ボートに引かれるスピードのまま飛ぶ初心者もいるが、ダブルカットという、自らスピードを上げて飛ぶ選手が沢山いるのはビックリ。
世の中、ジェンダーレスが進んだのか、それとも彼女たちが強くなったのかは知らんけど。

Photo:布野遼太
それでもスポーツの良いところは、涙もろくなったオジさんあるあるだが、成功しようが失敗しようが、その一瞬に賭ける選手の姿に感動するところ。TVで様々なスポーツを観戦しても、スタジアムなど生で観戦しても、そこは変わらないだろうし、筋書きのないドラマに惹きつけられるのは誰しも同じこと。やっぱイイですよね、スポーツって。
あっという間に気温もちょうどよくなってきたし、食欲だけでなく、スポーツの秋を楽しめるよう、先ずは健康第一でいきましょう。

Photo:布野遼太
競技詳細は下記から。
日本水上スキー・ウエイクボード連盟
https://jwsa.jp/
Text:ナカタ ヒロユキ
【筆者の紹介】
ナカタ ヒロユキ
少年の頃から乗りモノ好きで、輸入車のセールスとしてキャリアをスタートし、インポーターでは法人営業や中古車を含め、様々な営業関係のマーケティングを経験。その後ドイツ系の会社で、業務支援アプリを全国の自動車ディーラーを中心に営業中。ほぼ毎週どこかへ出没するが、時には愛機Buellに跨ったり、料理を楽しんでいる。

