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【インプレッション】フェイスリフトされたマツダ CX-3 に初試乗

2020年12月9日

「シリンダー休止システム」により、経済的な走りを実現した新型 マツダ CX-3 その評価は?

マツダは、このクロスオーバーに控えめなフェイスリフトを与えた。特に、エンジンの「気筒休止技術」は、我々のテストが示すように、理にかなっているという結論となった。

 フェイスリフトされたばかりの小型クロスオーバー「CX-3」は、121馬力を備えた2リッターのガソリンエンジンを搭載し、6速MTまたは6速ATが選択可能だ。
我々は、マニュアル6速トランスミッションのCX-3を選んだ。このトランスミッションでは、2リッターガソリンエンジンは、低負荷時に2つの気筒を休止させることができるようになっている。
「シリンダー休止システム」は、すでに「3」や「CX-30」、「CX-5」などで採用しているが
実際に多くの燃料を節約する。CX-3の平均燃費は、以前はリッターあたり16.1kmだったが、今回のフェイスリフトで、リッターあたり18.8kmへと向上した。
走行性能は今回もコンパクトSUVとしては何ら問題のないレベルだ。
0-100km/h加速は9.1秒、最高速度は192km/hとなっている。

シャシーはかなりタイトにチューニングされている

ギアシフトは明らかにMX-5(マツダ ロードスター)のトランスミッションの遺伝子を持つ、正確でキビキビとした動きを備えている。
前輪駆動のクロスオーバーではあるが、CX-3はラフなカントリーロードでも楽しめる。
しかし、その分、サスペンションのセッティングは競合他車に比べてややタイトになっている。一方で、改良されたシートは、乗り心地の良いものになっている。

2リッターエンジンは盛り上がりにはやや欠けるものの、CX-3はカントリーロードでも楽しめる。

しかし、前席ではそれなりに快適に過ごせるが、後部座席は何も変わっていない。つまり、1.85m以上の身長の乗客は、頭周りや足周りが窮屈に感じるということだ。
トランクは以前と同じままで、敷居が高く、積み込みハッチは小さく、積載容量は350〜1260リットルだ。

CX-3の操作は簡単だ。インフォテイメントは5分もあれば慣れる。

簡単なインフォテインメントシステムの操作

Apple CarPlayもフェイスリフト後はワイヤレスで操作できるようになり、標準装備の一部となったが、Androidは依然ケーブルを介して利用しなければならない。
同じく標準装備のエマージェンシーブレーキアシストは、暗闇でも歩行者を検知するようになり、オプションのリアビューカメラは全方位の視界を確保できるようになったため、操縦時の大きな助けとなっている。
インフォテインメントは、7インチのセンタースクリーンが備わっている。ヘッドアップディスプレイはミニマムサイズのままだ。それらの操作は簡単で、5分間もあれば、インフォテインメントシステムに慣れることができる。
20,851ユーロ(約262万円)という価格には、上記の詳細に加えて、クルーズコントロール、シリンダー休止システムとオートエアコンシステムが搭載されている。さらに充実した装備の「セレクション」バージョンは23,532ユーロ(約296万円)からとなっている。

 CX-30 が出てしまった今、あえてCX-3を今購入するメリットとはなんだろう?
 実は個人的にCX-3のディーゼルモデルを所有し、3年5万キロを乗っていたのだが、まずは内外装のデザインが良かったし、適切なサイズによる乗りやすさと軽快さはとっても良かった。CX-30はCX-3の持っていた弱点をつぶし、よりオールラウンダーな性格のクルマとして世の中に出てきたわけだが、日本でもCX-3の売り上げはなかなか好調を維持しているらしい。
CX-30では立派すぎる、あるいはちょっと高額と感じるユーザーには様々な改良を施されたうえ、しかもお買い得価格になったCX-3はなかなかいいチョイスなのではないだろうか。今見てもデザイン上、古く見える部分などどこにもないし、CX-30よりもきりっと引き締まってコンパクトで使いやすいSUV、そんな立ち位置にいるCX-3はまだまだフレッシュで魅力的だと個人的には思う。

Text: Wolfgang Gomoll
加筆:大林晃平
Photo: Mazda Motor Corporation