アプリ売りのオジさん彷徨記Vol.56「長野の跳ね馬編1」
2025年9月10日

長野で甲信越エリアを担当するフェラーリディーラー
今週のお仕事はトレーニングで、長野市郊外の国道18号沿いにあるこちら、Gran Testa Naganoを訪問です。この法人は、長野市と金沢市でフェラーリディーラーを運営しており、長野が終わったら金沢へ移動です。
極々一般人のワタシ、プライベートはもちろん、仕事でもあまり足を踏み入れていなかったフェラーリのお店、興味津々ですね。ところで皆さん、フェラーリのお店に入ったことありますか?
長野市郊外のGran Testa長野本社は、4車線の広い国道沿いに面していて、上信越自動車道の長野インターからでもクルマで10分ほどで到着できるアクセスは、長野県内だけでなく近隣県からでも便利なロケーション。群馬や新潟に富山はもちろん、岐阜や山梨辺りからも便利な場所だろう。とは言え購買層も限られるし、日本全国でも14ヶ所のみディーラーが設置され、関東と関西には複数あるものの他は1県に1ヶ所無いのです。だからこそ、めったにショールームを見ないわけだ。
そこで、未だ外側しか見たことがない、外観さえも知らない方のために、無理を承知で取材をお願いしました。もちろんお店の規模や品揃えは各店舗で違えど、先ずはフェラーリワールドを表現することが重要です。ショールーム外観は当然ながら、FerrariのCIが目立つことと、輝く銀色の跳ね馬が目を惹くし、赤色のトーテムサインが共通してます。

街道沿いからショールーム脇へ入り、左手に広い駐車スペースが用意されているから、迷うことなく車を停めて中へ入ります。実はこちらのお店には、ショールーム以外にサービス用の別部屋があり、先ずはそちらから入って、軽く打合せです。
赤のトーテムサイン

サービスの受付部屋にも、認定中古車が2台展示してありました。これはフェラーリディーラーあるあるですが、ショールームに新車が展示してあることは非常に珍しく、殆どのディーラーが認定中古車を展示しています。理由は簡単、新車はイタリア本国へオーダーをして、クルマが出来上がるのを待っているから。ここが普通の輸入車とは違うところで、この手のスーパーカー界隈で有名な話しは、「マーケットのニーズより1台少なく製造」。つまり、よほどのことがない限り、誰でも買える在庫車を持つことは無いのです。
お話しを伺って驚いたのですが、こちらのお店には、古いモデルだとキャブ時代の308や208も入庫しているらしい。キャブレターを調整できる人がいること自体ビックリだが、古いモデルを維持する大変さも想像できる。コストはもちろん、できる人がいるワークショップと繋がっていることも、オーナーにとっては重要なことだ。また、こちらの管理オーナーには強者がいるらしく、年間の平均走行距離は通常1千キロ未満だが、片手で余るくらいのオーナーは、年間数千キロ走り回るとのこと。
ちなみにマラネロ本社は、認定中古車も含め、製造したクルマ全ての所在を管理しようとしているようだ。だから必要な手続きさえとれば、新車時に付く7 年間の標準正規点検整備プログラムは、セカンドオーナーでも引継ぎ可能。認定中古車を整備する際、整備チェックシートの申請はもちろん、正規ディーラーのみが対応できる。交換部品を含む整備内容詳細もデータベースに登録され、マラネロの本社が管理し続けるので、オーナーシップ登録含めて全履歴を把握できるのだ。大昔は紙ベースで保存したのだろうが、現代はデジタル保存ですね。

認定中古車2台は、いずれもエクセレントコンディション
SRのソファーセットは落ち着いた色調

フェラーリなどスーパーカーの場合、予算のある方限定なのは当然だが、正規ディーラーで購入すると、買ってからが大きいのではないだろうか。購入時の価格は千差万別だが、後々アフターサービスや補償などで違いが出てくるのは間違い無いところ。だからこそメーカー(インポーター)は、ワークショップの設備から専用ツールなどはもちろん、テクニシャンの技術力も含めて均一化を図っている。そこには大きなコストもかかる訳で、「ディーラー車は高い」などと囁かれることも耳にするが、手にしてからの補償や安心感なども考えれば、さほど大きな差ではないのではないかと思われる。とは言え定期的にマーケットに表れる「特別な限定車」などは、売り手市場になるのは間違いないから、その限りではないでしょうけど。
Ferrari認定中古車についてはこちらから
https://nagano.ferraridealers.com/ja-JP/ferrari-approved
Text&Photo:ナカタ ヒロユキ
【筆者の紹介】
ナカタ ヒロユキ
少年の頃から乗りモノ好きで、輸入車のセールスとしてキャリアをスタートし、インポーターでは法人営業や中古車を含め、様々な営業関係のマーケティングを経験。その後ドイツ系の会社で、業務支援アプリを全国の自動車ディーラーを中心に営業中。ほぼ毎週どこかへ出没するが、時には愛機Buellに跨ったり、料理を楽しんでいる。