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ランボルギーニの少量生産限定モデル「フェノメノ(FENOMENO)」はランボ最強の1080馬力!

2025年8月21日

ランボルギーニ フェノメノ(Lamborghini Fenomeno):アウトモビリ・ランボルギーニは、ブランドの伝統と革新を象徴する新たな“Few Off” モデル「フェノメノ(Fenomeno)」 を発表した。29台限定で生産されるこの特別なハイパースポーツは、1080CVを誇るハイブリッドV12を搭載し、同社史上最もパワフルなモデルとなる。

モントレーカーウィークの会場で、世界の視線を一身に集めたのは一台のランボルギーニだった。その名は「フェノメノ(Fenomeno)」。イタリア語で“驚異”を意味するこのマシンは、ブランド史上もっともパワフルで、もっともエクスクルーシブな存在として世に送り出される。

ランボルギーニの少量限定モデル“Few Off”の7台目「フェノメノ(Fenomeno)」。

搭載されるのはハイブリッド化された自然吸気V12エンジン。ランボルギーニが長年守り抜いてきた12気筒の伝統にハイブリッド技術を融合させたパワーユニットの最高出力はなんと1080馬力に到達した。

圧倒的なスペックが示す未来

フェノメノの心臓部は、835馬力の6.5リッターV12エンジンに合計245馬力の3基の電気モーターを組み合わせたシステム。結果として得られた性能は驚異的だ。0-100km/h加速わずか2.4秒、最高速度は350km/hオーバー。パワーウェイトレシオは1.64kg/馬力という数値を叩き出し、歴代ランボルギーニの中でも突出した存在感を放つ。

リアタイヤが露出する迫力のリアビュー。

この動力を支えるのは、航空工学に着想を得たカーボンファイバー製の「モノフューゼラージュ(monofuselage)」シャシー、そして新世代の8速DCT。加えて、6Dセンサーによる車体制御、カーボンセラミックブレーキ、ブリヂストンと共同開発した専用タイヤなど、最先端のテクノロジーが惜しみなく投入されている。

2007 年にレヴェントン(Reventón) を発表したときに私たちが目指したのは、ランボルギーニの真髄を究極的に表現する、至高のスーパースポーツカーを創り出すことでした。この新たな‘Few Off’モデルも、ランボルギーニのDNA を構成する卓越性とイノベーションの理念を受け継いでいます。
Automobili Lamborghini Chairman and CEO ステファン ヴィンケルマン(Stephan Winkelmann)

モントレーカーウィークでのステファン ヴィンケルマン氏。

デザイン: “驚異”を形にする

フェノメノは単なるハイパフォーマンスカーではない。ランボルギーニにとって、これは新たなデザインのマニフェストでもある。

新たなデザインのマニフェスト「フェノメノ」。

フェノメノ(Fenomeno)は、私たちの先進的なデザイン言語に、新しく、正統的で勇敢な針路を定めています。私たちは上品で洗練されていると同時に美的で本質的な、極めて優雅なデザインを創り出しました。それは意外性を持ったエレガントな宇宙船で、すべてがカーボンファイバー製でありながら、伝統を忠実に守っています。フェノメノ(Fenomeno)はランボルギーニ独自のデザインDNA を奏でていますが、変調し、リズムを変えて、お客様やコレクターの皆様の最も高い期待を超える、目を見張るような伝説を新たに生み出しました。
Automobili Lamborghini Director of Design ミィティア・ボルケルト(Mitja Borkert)

モントレーカーウィークでのミィティア ボルケルト氏。

ロングテールを思わせるシルエット、極限まで研ぎ澄まされたピュアなライン構成。Y字型のライトシグネチャーや、オメガ型の大型リアウィングは一目で“ランボルギーニ”と分かる強烈なアイコンだ。

運転席から後ろの面積が大きいことがよくわかる。

特筆すべきは、その造形が単なる装飾ではなく、空力性能に直結している点。美しさと機能が完全に融合した姿は、スーパースポーツの未来像そのものだと言える。

このデザインは、設立から20周年を迎えたサンターガタ ボロニェーゼにあるデザイン部門「ランボルギーニ チェントロ スティーレ」が手掛けた記念碑的作品でもあり、まさにブランドの節目を飾るにふさわしい。

ミィティア ボルケルト氏によるスケッチ。

ランボルギーニ フェノメノ(Lamborghini Fenomeno)

全⾧/全幅/全高(mm)5014/2076/1161
ホイールベース(mm)2779
ブレーキディスク(mm)F:420×40 R:410×32
エンジン排気量(cc)6498
ボアxストローク(mm)95×76.4
最高出力835馬力/9250rpm
最大トルク725Nm/6750 rpm
システム最高出力1080馬力
回転数(rpm)9500
圧縮比12.6:1
トランスミッション/ギアボックスDCT/8速
最高速度350km/h
0-100 km/h 加速2.4秒
0-200 km/h 加速6.7秒
100-0 km/h30m
パワーウェイトレシオ1.64kg/cv
タイヤ(ブリヂストンPotenza)F/R265/30ZRF21/355/25ZRF22

車名の由来と哲学

「フェノメノ(Fenomeno)」という名は、2002年にメキシコで勇敢に闘った伝説の闘牛に由来する。ランボルギーニは常に、最強で最も誇り高い闘牛の名をモデルに冠してきた。今回もその伝統に則り、V12スーパースポーツの新たなアイコンが誕生したのだ。

伝説の闘牛「フェノメノ(Fenomeno)」。

フェノメノ(Fenomeno) は、ランボルギーニのパフォーマンス、スタイル、革新的な表現という側面で、類いまれなるモデルとなります。当ブランドの価値と功績を称えるために創り出され、また、ランボルギーニに洗練された特別感を求めるお客様に向けたモデルです。しかしながら、フェノメノ(Fenomeno) はその卓越したデザインとパワーにとどまらず、ランボルギーニのどの歴代モデルよりも革新的な技術を導入しており、真に唯一無二のドライビングを実現する’Few Off’モデルとなっています。
Automobili Lamborghini Chairman and CEO ステファン ヴィンケルマン(Stephan Winkelmann)

見るものを圧倒するリアビュー。テールライトは「Y」となった。

Few Offの系譜に連なる存在

ランボルギーニはこれまでも、少数限定の“Few Off”モデルを通じてブランドの技術力とデザイン哲学を具現化してきた。2007年のレヴェントン(Reventón)から始まり、2010年のセストエレメント(Sesto Elemento)、2013年のヴェネーノ(Veneno)、2016年のチェンテナリオ(Centenario)、2019年のシアン(Sián)、そして2021年のカウンタックLPI 800-4(Countach LPI 800-4)まで――どれもが自動車史に名を刻む存在だ。

Ad Personam:カスタマイズという特権

もちろん、オーナーに許されるのは性能を享受するだけではない。ランボルギーニの誇るAd Personamプログラムを通じて、400色を超えるボディカラーや無数のインテリア素材・仕様が選択可能だ。29台が29通りの個性を持つことは確実であり、コレクターズアイテムとしての価値は計り知れない。

量産ラインとは一線を画すデザインが採用されている。

“究極”を手にする29人

1080馬力を受け止めるスポーツシート。

フェノメノは、ランボルギーニの歴史、デザイン、技術革新をすべて凝縮した“究極のランボルギーニ”と言える。モントレーでの発表は、まさにブランドが次の時代に踏み出す宣言であり、同時にわずか29人のオーナーにしか許されない特権を示すものでもある。

その姿を目にしたとき、誰もがこう思うだろう。
――これこそが「驚異」、すなわち「フェノメノ(Fenomeno)」なのだと。

Text:アウトビルトジャパン
Photo:Automobili Lamborghini