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トヨタ GR ヤリスはFun to driveか?

2020年11月30日

初テストで記者の下した結論は?

新型トヨタGRヤリスは、最初のテストで信じられないほどの楽しさを我々に与えてくれた。ステアリングはリニアであり、それに自発的に応答するエンジン、そしてドリフトの楽しさ。新型トヨタGRヤリスのドライビングレポートをお届けする。

ラリーカーをベースにした小型車開発に必要なものとは?

たくさんの勇気、技術的なノウハウ、そしてモータースポーツに夢中な上司だ。
それがトヨタGRヤリスだ。
この小型車は、走りの楽しさという点では完成度の高いモデルだ。
1.6リッター3気筒ターボエンジンから261馬力、360Nmのトルク、0から100km/h加速タイム5.5秒、最高速度230km/h。
「GR Four」全輪駆動システムは、走行モードに応じて前後のアクスルに動力を送る。
我々は、トルセンデフがグリップ状況に応じて左右の車輪にパワーを分配するハイパフォーマンスパッケージを装着した、少なくとも37,690ユーロ(約471万円)する「GRヤリス」をテストドライブした。
そして、それはとてつもなく楽しい乗り物であった。

エンジンは約3000rpm以降、スロットルコマンドに自然に反応し、7000rpmの少し前まではターボとしては珍しくリニアに回転する。
6速マニュアルトランスミッションは、気持ちよく作動し、レスポンスもダイレクトで素晴らしく、鮮明だ。
GRヤリスはまた、ブレーキをかけたときにもその高性能を発揮する。
フロントの4ピストンキャリパーを備えたスロットルディスクは完璧に減速し、何周走っても安定性は保たれる。
GRヤリスはハードな減速でも、リアが過度に神経質になることなく、きれいにカーブを曲がることができる。
スロットルを離したときにリアがやや乱れるのは、中速コーナーのときだけだ。
しかし、このオーバーステアをうまく利用すれば、大きなステアリング操作をしなくても、カーブをスムーズに駆け抜けることができる。
これはまさにレースのプロが言うところの「リアエンドが”ステア”する」ということを指す。
ほとんどの場合、カーブの頂点に到達する前に再びアクセルを踏むことができ、残りの作業は、パワー配分機能を持つリミテッドスリップデフが行ってくれる。

GRヤリスは、たとえ、ハードに減速しながらでもコーナーをきれいに曲がることができる。

砂利道や濡れた道をドリフトする

ドリフトは?
乾いたアスファルトの上では、単純なパワーオーバーステアにはエンジンのパワーが少なすぎて、巧妙なトリック(技)なしではほとんど不可能に近い。
スポーツモードではパワーの70パーセント以上がリアに送られることはない。
その結果、車体前部は常にGRヤリスを控えめにまっすぐに引っ張る。
全輪駆動システムは理論的にはパワーの100パーセントを後方に向けることも可能だが、この才能はドライビングモードによってプログラムされている。
GRヤリスは砂利道でも、濡れた路面でも問題なく性能を発揮する。
ああ、このクルマは実に楽しい。

結論:
トヨタは、この小型車のために、ほぼ38,000ユーロ(約475万円)という多くのお金を求めているが、そのドライビングプレジャーのために注ぎ込まれた情熱や労力を換算すれば、それ相応の値段と言えよう。
ランサーエボやWRX-STiドライバーの皆様!
正統な後継車の登場です。

トヨタがGRヤリス の開発にかける情熱は本当に熱い。それが功をそうしてGRヤリス は乗って楽しく、完成度も素晴らしく高い一台になっている。

Text: Alexander Bernt
加筆:大林晃平
Photo: Toyota