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【特集】「ポルシェ カイエン」の全情報!さらに特別仕様車「ポルシェ カイエン ブラック エディション」が登場

2025年9月1日

ポルシェ カイエン(9YA):デビュー以来10万台以上が販売され、ポルシェの屋台骨となった「カイエン」の総特集。カイエンにブラックのディテールと追加装備が採用された特別仕様車「ブラック エディション」が登場。

我々のお気に入り
・優れたインフォテインメント
・完璧なシートポジションとシート
・一流の走行性能
不満な点
・非常に高い価格
・低燃費

今や最も人気のあるポルシェ

ポルシェとSUVは相容れない?2002年に「カイエン(Cayenne)」が発売された当時、ファンからは大きな反発の声が上がった。しかし、20年以上経った今、最後の懐疑者たちも、この組み合わせは相性の良いものだと認めざるを得ないだろう。しかも、その人気は圧倒的だ。2024年には、世界中で10万台以上が販売され、「カイエン」はポルシェで最も人気のあるモデルとなっている。ドイツでは、2024年の新車登録台数で9,645台を記録し、「911」に次ぐ2位につけている。つまり、SUVはポルシェのラインナップから欠かすことのできない存在となったのだ!

カイエンの変遷

2019年から、通常の「カイエン」に加え、「カイエン クーペ」も発売されている。後方に傾斜したルーフラインと、展開可能なリヤスポイラーが、「クーペ」にスポーティな外観を与えている。工場出荷時にはパノラマガラスルーフが標準装備されている。2023年、ポルシェはSUVのフラッグシップモデルに大規模なフェイスリフトを施した。2026年ごろから、電気自動車バージョンも発売される予定で、ポルシェは2025年9月に、ミュンヘンのIAA(ドイツ国際モーターショー)でプロトタイプを発表する予定だ。ただし、内燃機関モデルは当面はラインナップに残る。

「ブラック エディション」特別モデル

2025年7月、ポルシェは「カイエン」と「タイカン」の特別モデル「ブラック エディション」を発表した。その名の通り、ブラック エディションは、ブラックのミラーキャップや、リヤに施されたポルシェとモデル名のロゴなど、ダークなアクセントが特徴だ。さらに、標準装備もさらに充実されている。これによりブラック エディションの追加料金は1万ユーロ(約170万円)以上となっている。

「ブラックエディション」は各グレードに用意される。

価格:カイエンの価格

「カイエン」の価格は101,500ユーロ(約1,765万円)から。プラグインハイブリッドモデルは115,900ユーロ(約2,015万円)から。さらに強力な「ターボEハイブリッド」は187,600ユーロ(約3,260万円)から。「カイエンGTS」は143,900ユーロ(約2,500万円)から。「クーペ」バージョンはさらに3,000~5,000ユーロ(約50~85万円)高くなる。「ブラック エディション」の特別モデルは、ブラックのディテールと充実した標準装備が特徴で、ベースモデルに比べて、10,800~13,500ユーロ(約185~235万円)の追加料金がかかる。

デザイン:控えめに改良

ポルシェは外観を大幅に変更していないにもかかわらず、同社史上最大の製品改良の一つと位置付けている。なぜなら、一見するとそうは見えないが、フロント全体が再設計されているからだ。

フェンダーは高くなり、エンジンフードはより立体的な形状となり、フロントバンパーはより角張った印象になった。この刷新されたデザインの主な理由は、新標準装備の「マトリックスLED」ヘッドライトだ。オプションでHDマトリックスLEDライトが用意されており、64,000ピクセル(1つのヘッドライトあたり32,000ピクセル)を個別に制御可能で、工事現場照明、車線照明、車線変更時の前方の車線照明(車線変更前に隣の車線を照らす機能)などの機能を備えている。

20インチが標準装備

側面デザインはほとんど変更されていない。ドアとサイドパネルはそのままだが、ホイールが新しくなった。フェイスリフトモデルには、20インチから22インチ(従来は19インチが標準)の12種類のホイールデザインが用意されており、そのうち8種類が新しいデザインだ。

弟分のマカンと近い印象のリアビュー。ナンバープレート用の切り欠きはバンパーに移動した。

後部では、連続したライトバーが「マカン」のそれと近いものがある。このデザインは「カイエン」にも以前から採用されていたが、以前はクリアパーツで覆われていたものが、現在は3次元形状に成形されている。これまでのように、「カイエン クーペ」のみ、ナンバープレートはリヤハッチから新しくデザインされたスカートに移設されている。ポルシェは多くの部品を変更したが、外観に関しては「革命ではなく進化」と表現することができる。

ドライブ:500馬力の新型カイエンGTS

新しい「GTS」の4リッターV8ツインターボエンジンは500馬力を発揮し、前モデルより40馬力アップした。最大トルクは660Nmで、SUVは4.4秒で0から100km/hに達し、最高速度は275km/hだ。

3つのプラグインハイブリッドモデルもラインナップ

エントリーモデルは従来通り、3リッターV6ターボエンジンを搭載した「カイエン」で、出力は353馬力、トルクは500Nm(従来は340馬力、450Nm)にアップ。その上位モデルには、プラグインハイブリッド駆動システムが大幅に改良された「カイエンE-ハイブリッド」が位置付けられる。V6エンジンは304馬力に出力制限されているが、大幅に強化された電動モーターがそれを補う。電動モーターの出力は100kW(136馬力)から130kW(177馬力)に向上している。システム出力はポルシェが470馬力と650Nm(従来は462馬力と700Nm)と発表している。

プラグインハイブリッド車は、車載充電器により最大11kWの充電が可能となる。

「カイエンS E-ハイブリッド」には、353馬力の3リッターV6エンジンが搭載される。これに、後部に搭載された改良された電動モーターの176馬力が加わる。ポルシェは、システム出力として519馬力と750Nmのトルクを公表している。比較対象はない。「S E-ハイブリッド」には直接の先代モデルが存在しないためだ。

最もパワフルなハイブリッドは、599馬力のV8エンジンとオプションのGTパッケージを搭載した新型「ターボE-ハイブリッド」だ。これは、EU市場で生産終了となった「ターボGT」の正当な後継モデルと言える。Eドライブと組み合わせることで、システム出力は739馬力、システムトルクは950Nmに達する。これにより、ターボE-ハイブリッドは3.7 秒で0から100km/hまで加速する。

カイエンSにV8エンジンが搭載

大排気量エンジン愛好家にとっての小さなハイライトが「カイエンS」に登場した。2.9リッターV6ツインターボエンジン(440馬力、550Nm)が性能限界に近づいていたため、ポルシェはV6を廃止し、新しい4リッターV8ツインターボエンジン(V8 evo)に置き換えることを決定した。出力は474馬力と600Nmで、0から100km/hまで4.7秒で加速し、最高速度は273km/hに達する。

インテリア:新しいコクピット世代

ポルシェはインテリアを完全に一新した。新しい操作コンセプト「ポルシェ ドライバー エクスペリエンス」を採用し、ツッフェンハウゼンの「タイカン」スタイルをSUVに融合させた。

タイカン感覚をカイエンに:フェイスリフトに伴い、ポルシェはコクピットを全面刷新した。

新しい操作コンセプトの核心は、12.6インチのフルデジタルカーブドディスプレイ(スピードメーターカバーなし)で、自由にカスタマイズ可能。さらに、クラシック志向のユーザー向けに「クラシックモード」も用意され、5つのデジタル円形メーターを表示できるようになっている。ちなみに、「タイカン」のディスプレイと似ているが、ポルシェによると、これは同一部品ではないとのことだ。

新機能:助手席ディスプレイ

これに加え、12.3インチのインフォテインメントディスプレイ(フェイスリフト前モデルと同様)がダッシュボードに美しく組み込まれている。新機能として、10.9インチの助手席ディスプレイがオプションで用意されており、これも「タイカン」で見たことのあるデザインだ。

このディスプレイでは、助手席の乗員が好みの映画やシリーズを快適にストリーミング再生できる(ScreenHits TVは、Netflix、Disney+、Joynなどのサービスを1つのサービスに統合している)。ドライバーの注意が散漫にならないよう、ディスプレイにはドライバーの座席から見えなくなる特殊なフィルムが採用されている。

しかし、それだけではない。ポルシェは、センターコンソールも一新した。特徴的なハンドルグリップはそのままに、ギアセレクターは廃止され、ステアリングホイールの右側に小さなシフトバイワイヤスイッチが配置されている。この機能も、電気自動車の「タイカン」やハイパースポーツカーの「918スパイダー」で採用されているものだ。

エアコンは、触覚フィードバックを提供するタッチボタンで操作する。カバーの下には、最大15ワットの誘導充電が可能な冷却式充電トレイが搭載されている。

シフトレバーはステアリングホイールの右側に移動し、特徴的なグリップはそのまま残っている。

しかし、ポルシェはSUVに「911」の雰囲気を少し取り入れ、マルチファンクションスポーツステアリングホイール(2サイズ:390mmまたは365mm)を標準装備している。ポルシェらしい左側のスタートは、キーではなくボタンで操作するようになった。フェイスリフトは、新しいレザーインテリア、装飾パーツ、改良されたドアパネルで完成されている。スペースはこれまで通り広く、素材の選択も申し分ない。

標準装備が大幅に改善

標準装備もポルシェはさらに充実させている。新しいコックピット、より大きなホイール(19インチから20インチ)、マトリックスLEDヘッドライトに加え、アシストシステムも拡張された。

さらに、「カイエン」のサスペンションも改良された。標準装備のサスペンションのダンパーには、2バルブテクノロジー(伸び側と縮み側を分離)が採用されている。さらに、ポルシェ アクティブ サスペンション マネジメント(PASM)も標準装備されている。

ポルシェは、このフェイスリフトにより、低速走行時の快適性が向上し、高速走行時のロールが大幅に低減されたと約束している。オプションでは、2チャンバー2バルブテクノロジーを採用したアダプティブエアサスペンションも引き続き選択可能だ。

GTSはオプションで25kg軽量化

V8ツインターボエンジンを搭載した最もパワフルなカイエンは「GTS」だ。専用サスペンション、標準装備の10mmローダウン、さらにスポーツ性能を追求した制御システムを採用している。

「GTS」は、フロントに大型のエアインテーク、ダーク仕上げのヘッドライトとテールライト、赤いブレーキキャリパーが採用されている。パノラミックルーフとアダプティブリヤウィングは標準装備となっている。

カイエンにも走りを重視したGTSがある。

スポーツデザインパッケージは標準装備で、その構成部品であるサイドシルカバー、ホイールアーチエクステンション、サイドウィンドウトリムは、この「カイエン」では黒で統一されている。一方、スポーツエキゾーストシステムの排気口には、少し色味が加わり、ブロンズ色となっている。

インテリアでは、ポルシェは「カイエン」にGTスポーツステアリングホイールと、多くのレーステックス(人工スエード)を採用している。これはアームレスト、ドアパネル、ルーフライナー、スポーツシートのサイドサポートに施されている。さらにスポーティさを追求する人には、3つの軽量化パッケージが用意されている。これにより、最大25kgの軽量化が可能だ。これは、軽量ルーフ、カーボンディフューザー、および断熱材の削減によって実現されている。

「ブラック エディション」の標準装備が充実

標準の「カイエン」、「E-ハイブリッド」、および「S E-ハイブリッド」は、2025年夏より「ブラック エディション」として、SUVおよびSUVクーペの両モデルで発売される。この特別仕様モデルは、ブラックのディテールと充実した標準装備が特徴だ。具体的には、アクティブパーキングアシスト付きサラウンドビュー、レザー張りの面積拡大、ドルビーアトモス対応のボーズサラウンドサウンドシステムなどが含まれる。さらに、ディスタンスコントロール、ブレーキアシスト、レーンチェンジアシスト、アダプティブエアサスペンションも標準装備されている。

標準装備には、ヒーター付きGTスポーツステアリングホイール、ドライバーと助手席用に14ウェイ電動調整式メモリー機能付きコンフォートシートが含まれる。ヘッドレストには、ポルシェのエンブレムが刻印されている。21インチホイール、ダーク仕上げのHDマトリックスLEDヘッドライト、パノラマルーフ、Bピラーから着色されたウィンドウも標準装備だ。

「ブラック エディション」は、ブラックのミラーキャップや「ダークブロンズ」のスポーツエキゾーストパイプなどで外見も一目でわかる。