アプリ売りのオジさん彷徨記Vol.55「四国お遍路編」Part2
2025年8月11日

四国お遍路ツアー2日目は、徳島から舞い戻り高松市街地、「オートリペアボディサ-ビス」を訪ねました。そう、ユーロスポーツグループ3番目の事業、鈑金塗装部門です。
攻めるディーラー経営と展開②
ところで皆さんは、「認定鈑金塗装工場」と呼ばれる制度をご存じだろうか?「認定中古車」はすでに馴染みのある名称だけど、初耳の人も多いでしょうね。販売やサービスには正規ディーラーがあるが、鈑金塗装は通常、ディーラーが下請けを探してきて仕事を出すだけでした。
しかし最近では、そのブランドのクオリティを担保するため、ブランド・インポーターが鈑金塗装工場と直接契約し、使うツールや設備などハード面に加え、トレーニングや試験制度を行うことで、品質を高めることにつなげています。加えて塗装ブース内の環境測定を義務付けし、TÜV(テュフ)など認証専門の外部監査により、高品質を保っているのが特徴。こうした時代の要求もあり、認定工場制度が定着してきているそうだ。つまり、認定鈑金塗装工場にのみ仕事を依頼する、これが今の主流なんです。



クルマ好きの皆さんはご存じだろうが、だいぶ前から、アルミ製ボディのクルマが増えました。実はその頃から、アルミの外板を板金できる工場は限られていて、認定制度が始まったと記憶している。このオートリペアボディサ-ビスは、様々なブランドから認定を取っているため、近県の正規ディーラーから(自動的に)入庫してくるのです。
もちろん、そのための投資額はハンパな額ではないため、誰でも参入できる訳ではないだろう。しかも人(職人)が勝負のビジネス。外板を叩くことは少ないかもしれないが、パネルの合わせ技術や塗装の色合わせなど、AIも自動塗装も無いわけですから。なので、まず人を集めて優秀な技術者に育てなければならない、ここが最重要なポイント。
といった職人ワールド満開かと思っていたが、良い意味で想定を覆された。相手をしていただいたスタッフさんはみな若く、しかも丁寧な対応や明るい挨拶など、素晴らしい接客対応だったのが印象的。時代は変わるんですね。オジちゃんの職人を相手に、あれやこれや相談する時代ではないということか。しかも今では、ある程度まで、自動で色合わせするツールもあるらしい。
四国の玄関口である高松。マセラティブランドにとっても認定鈑金塗装工場としても、また2年前に取材した整備工場も、四国のマーケットを掌握にはアクセス面からも最適だ。設備を備えてどこからでも受け入れ万全にするのは、ユーザーにとってもメリットが大きい。その辺りも含め、アフターセールスに攻めこみ先行者利益を確保する、ビジネス的にもアリですね。






オートリペアボディサ-ビス
香川県高松市川島東町1248‐8
TEL:087-813-8133
https://www.repair-bp.net/
Text&Photo:ナカタ ヒロユキ
【筆者の紹介】
ナカタ ヒロユキ
少年の頃から乗りモノ好きで、輸入車のセールスとしてキャリアをスタートし、インポーターでは法人営業や中古車を含め、様々な営業関係のマーケティングを経験。その後ドイツ系の会社で、業務支援アプリを全国の自動車ディーラーを中心に営業中。ほぼ毎週どこかへ出没するが、時には愛機Buellに跨ったり、料理を楽しんでいる。