【新車情報】最強ウラカン、STO登場!
2020年11月25日
公道走行可能なレーシング・ウラカンが登場
ペルフォルマンテに続き、今度はSTOの登場だ。Super Trofeo Omologatoのアナグラムである同車は、その名から想像できるように、ランボルギーニのモータースポーツ部門からのノウハウや、スーパートロフェオ・エボやGT3エボからのインスピレーションを得ている。
STOとは、いうなれば公道走行可能なスーパートロフェオなのだが、その詳細をご案内しよう。
● 自然吸気V10に640馬力と565Nm
● 後輪駆動
● 0-100 km/h加速3秒、最速速度310km/h
● 100%ニューデザイン
● ボディワークの75%がカーボン製
● 乾燥重量1339kg
● 新型CCM-Rブレーキディスク
● デリバリー開始は2021年春(欧州)
● 価格は296,800ユーロ(約3,700万円)より
「スクアドラ・コルセ(モータースポーツ部門)」との大幅な共同開発によって生まれたSTO。新たにデザインされたボンネットの下に収められる640馬力5.2リッターV10自然吸気エンジン(通常のウラカンは610馬力)により、ペルフォルマンテやエボと同等のパワーを手に入れている。
ただし、最大トルクは565Nmと、前述の2台の兄弟モデル(600Nmそれぞれ)よりも少くなっている。もちろん、これは全体的なパッケージバランスのためのチューニングである。
ちなみに、2017年にニュルブルクリンクの北コースで、6分52秒01のラップタイム(2020年11月現在で世界第6位)を記録したペルフォルマンテだが、駆動方式は四輪駆動。今度のSTOは後輪駆動となっている。
また、ボディワークの75%がカーボン製ということもあり、車重もわずか1339kgに抑えられ、ペルフォルマンテより43kgも軽く仕上がっている。
レーシングフィールドのフィーリング満載
普通のウラカンではないことを示すブルーとオレンジのボディペイント。アグレッシブさを増したフロント周りのデザイン。そのフード、フェンダー、バンパーは一体構成になっており、ランボルギーニのアイコンでもあるミウラと同様に前方向に開くことができるようになっている。
もちろん見た目のデザインだけではない、これらはレーシングフィールドからインスパイアされたものであり、NACAのエアインテークを含むリアフェンダーのプロフィールは目を見張るものがある。もちろん、エアスクープを内蔵したボンネットも、STOのために特別開発されたものだ。
STOのインテリアデザインも妥協はなく、「軽量構造」というキーワードをもとに新たに再構築している。
ドアパネルとフロアマットはカーボン製で、ケージは特に軽量なチタン合金製。バケットシートはカーボン製で、レーシングモデルのようなハーネスベルトが備わる。
さらにレーシーなキャラクターを強調するために、ヘルメット収納用のコンパートメントはフロントトランクに統合されている。
大きく向上した運動性能
STOは、サーキットでも公道でも最適なパフォーマンスを発揮できるように、ランボルギーニは5.2リッターV10自然吸気ユニットのレスポンスを改めてチューニングし直している。加えて、デュアルクラッチトランスミッションのシフトタイムをさらに短縮。
より正確なハンドリングのために、リアアクスル・ステアリングも装備。ブレーキもブレンボとの共同開発で、従来のCCM-Rディスクに比べ、最大25%もの制動性能の向上が見られるという改良品を装備している。その結果、100km/h時から完全停止までの制動距離を、わずか30.0mに収めたという。
0から100km/hまでの加速タイムは3.0秒(ペルフォルマンテは2.9秒)。最高速度は310km/hと、ペルフォルマンテの325km/hに15km/h及ばないが、STOが後輪駆動ということを考えると驚異である。
なお、ドライビングモードは、「STO(ロード)」、「トロフェオ(レーストラック)」、「ピオッジア(レイン)」の3つが選択可能。
気になる価格
ウラカンSTOの価格は30万ユーロ(約3,750万円)を予想。ヨーロッパでは、最初の顧客車は、早ければ2021年春にも納車される予定だ。
ちなみに2017年夏に発売されたペルフォルマンテの価格は232,098ユーロ(約2,900万円)だった。なお、ランボルギーニは、この新しいモデルの限定生産の可能性については何も述べていない。
Text: Jan Goetz
加筆:大林晃平
Photo: Automobili Lamborghini S.p.A.