【動画付き】狂気の沙汰 抗議のためにメルセデスAMG GT 63 Sに火を 車に何の罪が…
2020年10月31日
ロシア人が所有する17万5000ユーロ(約2,187万円)もするメルセデスAMG GT 63 Sを燃やした! 信じられない。 ワークショップのサービスに納得できなかったため、彼は抗議の意味で、彼のAMG GT 63 Sに火をつけた! そして彼はYouTubeに動画を投稿した。
ほとんどの人が、何かしらの事情でワークショップのサービスの拙さに不満をいだいた経験があるのではないだろうか。修理の終わった後、車に掃除機をかけてくれなかったり、冬タイヤが取り付けられていなかったり、予約の遅れなど。通常、苦情を言ったり、クレームを付けたりすれば、何らかの形で彼らは応える。ロシアのユーチューバー、ミハイル リトヴィンは、それらの方法を選ばず、より根本的なアプローチを選択し、言葉ではなく、写真とビデオで抗議した。なんと、彼は、ワークショップの能力不足に抗議して、無情にも自分の所有するメルセデスAMG GT 63 Sに火をつけて燃やし、インターネット上に動画をアップしたのだった!
その光景は気の弱い人にはたまらない
動画には、リトヴィンがAMGを運転して空き地に入っていく様子が映し出されている。彼はトランクから明らかにガソリンで満たされた9つのキャニスター(紅茶や角砂糖を入れる容器)を取り出して、639馬力のスポーツカーの中でそれらを傾けて流し、金色のライターでガソリンまみれの車に火をつけたのだった。その結果に、自動車のファンは息を呑む。V8ツインターボのスポーツカーが猛烈な炎を上げて骨格まで燃え尽きる。動画では、AMGが以前どのようなトラブルを抱えていたのかは明らかにされていない。しかし、motor1.comによれば、リトヴィンは、ちゃんと修理されることなく5回もメルセデスを返却され、その都度ワークショップにぼったくられたと、不満に感じていたという。
この種の最初のケースではない
約24時間後、動画はすでに600万回以上のクリック数を記録している。しかし、それだけでは被害をカバーできないかもしれない。ビデオに示されているエクストラ(ホイール、マットペイント、エアロパッケージ)を含めると、このメルセデスAMG GT 63 Sは、少なくとも175,000ユーロ(約2,187万円)のコストがかかる。そして、リトヴィンが追加装備なしでAMGを注文した可能性が低いため、この数字も控えめなものだ。件のワークショップが、この復讐の行為によって、衝撃を受け、今後対応を変えるかどうかはまだ分からない。それよりもリトヴィンが他なる報復処置を講じないかということのほうが懸念される。一方、リトヴィン自身、法的な処置を講じられる恐れがある。たとえロシアであっても、公共の場で自分の車に火をつけることは合法ではないだろう。彼の愚かな行為は絶対に正当化されないだろう。ちなみに、この手の問題解決は今に始まったことではない。2019年12月末には、別のロシア人が彼の所有するAMG G 63を、300メートルの高さから地面に墜落させた。
その彼も車に満足していなかったそうだ…。
どんな車であっても、クルマそのものには罪がない。いくらクルマそのものにトラブルが多発したって、ディーラーの対応に不満があったとしたって、クルマそのものに火をつけて燃やしちゃうことはないだろう。燃やしたところで、全部焼けて灰になってしまうわけではなく、みじめに燃え残って骨格だけになったような粗大ごみが出てしまうだけだし、これだけの煙や有害ガスなどで多くの人に迷惑をかけてしまうだけである。最近の紋切り型で、マニュアルばかりのディーラー対応に文句があることは理解しよう。だが車に火をつけて燃やしちゃうのはいかがなものか。最後まで文句を言うべき相手は、メーカーそのものやディーラーに対してであって、こちらの要望をきちんと伝えることこそが大切である。
Text: Moritz Doka
加筆:大林晃平