【第44回JAIA輸入車試乗会】待ちに待った、新型「虎+イグアナ」を試す!「VW ティグアン TDI 4モーション Rライン」のドライビングインプレッション
2025年2月26日

私にとって今年のJIAI試乗会で楽しみにしていた車両の1台がこのティグアンだ。世界的に人気があり、また激戦区でもあるミドルクラスSUVに、フォルクスワーゲンで最も売れているティグアンの新型が本国発表から1年、待ちに待ってついに日本に上陸した。
ティグアン、改めて聞くと不思議な名前である。メーカーによれば、Tiger(虎)の力強さと、Iguana(イグアナ)の粘り強さをイメージした造語だと言う。そんなティグアンは、日本はもちろん、世界でも、激戦区のミドルクラスSUVで、フォルクスワーゲンで販売台数トップである重要なモデルである。本国で2023年11月にフルモデルチェンジをして3代目となり、注目を集めている。そんな注目のティグアンが、1年遅れで、昨年11月についに日本で発売開始となった。

今回試乗したモデルは2.0リッター4気筒ディーゼルTDI 4モーションRラインである
日本に導入された、新型ティグアンのボディサイズは全長4,540mm、全幅1,860mm、全高1,655mmで、先代モデルと大きくは変わらないが、全長が40mm伸び、全高は、20mm低くなった。先代は大人しめのデザインだったの対し、新型はボンネットの位置が高く、前後のフェンダーが強調され、タイヤが張り出したスタイルで、SUVらしく力強さを感じるデザインに大きく変わった。
ドライブトレインは、大きく2種類。1.5リッター4気筒ガソリンエンジンにマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた「eTSI」(駆動方式はFFのみ)と、2.0リッター4気筒ディーゼルの「TDI 4モーション」(4WDのみ)だ。
こんな考えは古いとは思うが、やはりSUVであれば、個人的に4WDを選択したいので、今回は2.0リッター4気筒ディーゼルの「TDI 4モーション」のRラインを試乗した。

パワートレインは優等生で特筆する事は無い
早速ドライバーズシートに乗り込みエンジンを掛けると、センターコンソールにシフトレバーが無く、シフトレバーはステアリングコラムにある。最近、BEVのシフトレバーがステアリングコラムに位置するモデルが多く、流行に乗った感じである。
パワートレインについては、成熟した、2.0リッター4気筒ディーゼルの「TDI 4モーション」は、スタンダードかつ優等生で文句のつけどころは無い。

説明員からDCC Proについて、熱の入った説明を受ける
試乗前に、説明員からカヤバが開発した「DCC Pro」の電子制御サスペンションシステムについて、熱の入った説明を受けた。DCC Proは従来とは異なり、伸び側と縮み側で独立した減衰制御を可能とした2バルブ構造を実現、それによって戻し方向の動きも繊細な制御ができるようになり、縮み側もこれまでよりソフトな調律になっている。
このDCC Proを試すべくスポーツモードでワインディングロードを走らせると、車両重量が1,750kgもある車体を軽快に走らせる事ができる。
また、15インチタッチスクリーンで足回りの設定を幅広いレンジで、指をなぞって変更すると、足回りの硬さが大きく変わり、車の挙動が大きく変わる事に驚き、まるでドライブシュミレーターゲームを体験しているかのようだった。


15インチタッチスクリーンの採用はいい意味でファルクスワーゲンのイメージを大きく変える!
インテリアについては、デジタルメーターに加え、ダッシュボード中心部ある15インチタッチスクリーンに圧倒されるが表示される画面は、わかりやすく使いやすい。この15インチタッチスクリーンの採用はいい意味でファルクスワーゲンイメージを大きく変えるが、ティグアンに限らず、最近の新型車はタッチスクリーンの位置が高く、バックミラーの下端との距離も近いため、フロントの視界を小さくしていることが残念だ。
また、リアシートの広さや、シート座面の大きさや硬さ等も申し分ない。


3代目のティグアンは、ネーミングに合った“力強さと” と“粘り強さ”を持った車だ!
3代目となったティグアンは、2台目と比較して大きくかわり、デザイン等車のイメージの“力強さと”シャシー剛性やDCC Proによる“粘り強さ”のイメージといい、ティグアンのネーミングに合った仕上がりになっていると感じた。

また、近年の価格高騰により自動車の価格も上がり、ヨーロッパのミドルクラスSUVを日本で購入すると1,000万円前後するモデルが複数あるが、今回試乗したTDI 4モーションRラインは上級グレードかつレザーシート等のオプションも付いているにも関わらず、車両本体価格が653万円と内容からすると非常にお買い得なモデルとなっている。
Text & photo: 池淵 宏