1. ホーム
  2. テスト
  3. 【ご褒美試乗会2025】毎年楽しみでたまらない試乗会がやってきた「第44回JAIA輸入車試乗会」最新モデル13台を試乗&レポート!

【ご褒美試乗会2025】毎年楽しみでたまらない試乗会がやってきた「第44回JAIA輸入車試乗会」最新モデル13台を試乗&レポート!

2025年2月11日

日頃の精進と努力へのご褒美?我々が毎年楽しみにし、心待ちにしている「JAIA輸入車試乗会」が今年もやってきた。

2025年2月5日の湘南の海が大きく広がる大磯は、大きく青空の広がる快晴で、少し気温は低いものの、気持ちの良い絶好の試乗会日和だった。ありがとう神様。我々はこの日、すべてが素晴らしかった13台の欧米モデルを文字通り堪能した。

大磯ロングビーチから仰ぐ霊峰富士。気持ちの良い試乗会を演出してくれる。
特別ゲスト?会場にはスカニア スーパーも展示されていた。いつか運転してみたい。

さあ、それではまず、迫力満点の「ランドローバー ディフェンダー」の試乗記からお楽しみください。

【第44回JAIA輸入車試乗会】賞味期限が切れる前に 迫力満点の「ランドローバー ディフェンダー130 V8 P500」に試乗&レポート

毎年恒例のJAIA(日本自動車輸入連合)の試乗会に今年もAuto Build Japanのスタッフが参加し、「今」気になる車たちに試乗した。今回からレポートを掲載するが、まずその最初に迫力満点の「ランドローバー ディフェンダー130 V8 P500」から紹介しよう。

 毎年夕陽が沈み始めた小田原厚木道路を帰りながら、「JAIA輸入車試乗会から乗り逃げする一台はなにか?」という、なんとも図々しく、呆れた話題となるのだが、昨年(だったかな)のJAIAで乗り逃げするのならばこれだ、と心に決めた一台があった。「ランドローバー ディフェンダー90」のディーゼルエンジンモデルで、ホワイトの素敵なカラーリングを施された室内も、同色系のシンプルなしつらえでキャンバストップが装備されていた。確か白いホイールを履いていたはずで、その妙にシンプルでイカシタ組み合わせにコロッと逝ってしまったのである。

いざ乗ってみても名機と言われる直6ディーゼルエンジンはディーゼルフェチを魅了したし、何しろカジュアルでありながらもどこか優雅さをも感じられる雰囲気は、ランドローバーの魅力を凝縮して持っていたと思う。

太く大きな22インチタイヤ。減って交換するときの金額が恐怖、とつい思ってしまうのは僕が小心者だからである。ブレーキキャリパーはブレンボ!

さてそんな明るく素敵な魅力満載だったディーゼル90キャンバストップ付きから一転、今年乗ることになったディフェンダーは凄みのあるダークな色に塗られ、V8スーパーチャージャーを与えられた巨大な130であった。タイヤを見ると275/45/22と恐ろしいほどのサイズである。同じディフェンダーだというのに、あまりにも違いすぎる。価格も1687万円の車両価格に数々のオプション費用が加わり、ほぼレンジローバー級の価格となっていた。

ドアを開けようと車に触っただけでどこかからともなく漲る「圧」のようなものを感じたのは気のせいかもしれないが、クルマに乗り込んでエンジンを始動させた瞬間、5リッターV8エンジンが大きなボディをゆらっと揺らした。セレクターをDレンジに入れ走り始めてもとにかくエンジンは常にその存在を主張し続ける。その感じは初代のレンジローバーのようでもあったが、もちろんパワーや滑らかさはその頃の自動車の比ではない。

といってもその感覚に荒々しい主張ではまったくなく、パワフルだが優しいという本来ならば相反する魅力を併せ持ちながら空恐ろしいほどの力を常に発揮するし、必要となればそこにスーパーチャージャーの加勢も加わるのだから、パワー不足という言葉はこの車にはありえない。踏めばどんな状況でも巨大な車をあっという間に違法速度領域まで運んでしまう。

たっぷりしてはいるが平板なセカンドシート。このあたりのしつらえがレンジローバーとの大きな違い。

先ほど今回の車輛に装着された22インチタイヤのことに触れたが、若干タイヤの重さを感じることはあっても乗り心地に不安を感じることは一切なかったし、他のSUVと一線を画すたおやかな乗り心地は他のランドローバーのラインナップにも共通する美点である。さすがに130ともなると5275㎜の全長と1995㎜の全幅、そして2630㎏の車重が頭から離れないものの、見晴らしのよさもあいまって慣れれば扱いやすいとさえ感じてしまうし、環境さえ許せばあっけないほど誰にでも普通に運転することも可能なのが、昔のディフェンダーとの大きな違いである。

さすがに130ともなるとサードシートもスペースは十分。決してエマージェンシーなスペースではなく実用になる。

久しぶりに感じたV8の鼓動と芳醇なパワーではあったが、いくら「掘って掘って掘りまくれ!」と言う指導者が誕生した時代であっても、メーターパネルに5km/lと表示される自動車が許される期間はそれほど長くはないこと感じたことも事実である。

130といえどもサードシートを立てたままだとラゲッジスペースはミニマム。地上からも遠いし、重い荷物を持ち上げるのにはかなりの腕力が必要。

Text: 大林晃平
Photo: AUTO BILD JAPAN