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【レースとともに半世紀】ブレンボのモータースポーツ活動が50年を迎える

2025年2月3日

伝説のスクーデリア・フェラーリF1マシン「312T」に採用されたブレンボのブレーキシステムがニキラウダのドライバーズタイトルをもたらした。その後もMotoGPやル・マン24時間レースで歴史的勝利に貢献してきたブレンボ。このブレンボの輝かしいモータースポーツ活動が50年を迎える。

モータースポーツ界の先頭を走り続けて50年

モータースポーツ界でのブレンボの歴史の中でも最も重要な年は、その起源である1975年だ。ブレンボは初めて、スクーデリア・フェラーリのF1マシン用鋳鉄ディスクを供給した。そしてこの年、伝説の「312 T」を駆ったニキ・ラウダによって、11年ぶりにドライバーズタイトルがフェラーリの聖地、マラネッロに取り戻されたのだ。

1976年には二輪車レースに参戦し、スズキ/ガリーナチームにブレーキキャリパーを供給。チームは早くも1978年に、500ccクラス(後のMotoGP)で初戦を飾った。1980年代には初のF1向け4ピストンラジアルマウントキャリパーを開発し、500ccクラス向けラジアルポンプに関するブレンボにとっての第1号特許を取得した。続く1988年のスーパーバイク世界選手権(WSBK)、1989年のル・マン24時間レース、インディカーをはじめ、モータースポーツ界の権威ある世界選手権に次々と名乗りを挙げていく。

1990年代には、1つのアルミの塊から作る初めてのモノブロックキャリパーをホンダチームの500ccクラスマシン向けに設計、王者、マイケル・ドゥーハンのために親指で操作できるリアブレーキポンプを開発。後に多くの一流ライダーに採用された。1995年以降は独壇場と言えるほど、500ccクラスとその後継選手権であるMotoGPのすべてのレースで勝利に貢献。1990年代の締めくくりには、F1向けカーボンディスクを初めて世に送り出し、その主導的地位を固めた。

新時代の幕開け、新たなる成功

2000年に入ると、モトクロス世界選手権やエンデューロ世界選手権など数々の世界選手権を席巻、2014年にはF1向けブレーキ・バイ・ワイヤー(BBW)システムを開発。このほか、2011年にはインディカーの単独サプライヤーに選ばれ、2016年にはMotoGP全チームのサプライヤーを務めた。また、2022年にはF1に参戦する10チームすべてにブレーキキャリパーを供給(うち1つはブレンボ傘下のAPレーシング製)。2018~2019年には、eモータースポーツ界の二大世界選手権、フォーミュラEとMotoEにおいてブレーキシステムの単独サプライヤーに選ばれ、2024年には、主要世界選手権での獲得タイトルが700を超えるという前例のない記録を打ち立てている。

ブレンボと歴代の偉大なるチャンピオン

レーシングチームへのサポートだけでなく、チャンピオンとの繋がりも見逃すことはできない。2016年5月15日にマックス・フェルスタッペンがブレンボのブレーキを搭載したマシンでF1グランプリ最年少優勝を果たしたことと、2013年4月21日にマルク・マルケス選手が同じくブレンボのブレーキを搭載したバイクでMotoGP初優勝に輝いたことは、特筆に値する。時間を遡ると、バレンティーノ・ロッシはブレンボのブレーキングシステム搭載マシンで9度の世界王者に輝いており、2000年10月にはミハエル・シューマッハと共にフェラーリF1チームが21年ぶりにF1世界タイトルを奪還したことは記憶に新しい。ジョナサン・レイのスーパーバイク世界選手権6連覇達成から、トニー・カイローリのモトクロス世界選手権9回優勝と2023年、2024年のル・マン24時間レース ハイパーカークラス2連覇に至るまで、ブレンボはさまざまな二輪車・四輪車レースにおける輝かしい快挙に重要な役割を果たし続けている。

レース界での活動が50周年を迎えたことを誇りに思います。50年にわたってトップクラスの実績を積み重ねたからこそ、ブレンボは今やF1とMotoGPのどのチームにも選ばれる存在になりました。ブレンボのエンジニアが集めたデータが証明しています。勝者とは必ずしも最速で走る者を指すのではなく、過去の記録を塗り替えられる者を意味することを。
ブレンボグループ取締役会長 マッテオ・ティラボスキ

イタリア発、世界のリーディングカンパニーへ

ブレンボは、今やマルケジーニ、APレーシング、SBSフリクション、ホタ・ホアン、直近ではオーリンズなど、二輪車、四輪車向けレーシングサスペンション、OEM、アフターマーケット業界を代表する企業を傘下に加え、ブレーキシステムの技術力を高めながらグローバル企業としても成長している。

1961年にイタリアのベルガモで創業したブレンボは、今やグローバル企業へと成長を遂げ、60年を超えるその歴史の中で、情熱、機能性、革新性を軸にした独自の価値観を常に磨き続けているのである。

50周年を記念した新しいロゴ

Text:アウトビルトジャパン
Photo:ブレンボジャパン