トータルパフォーマンスが向上したベストセラー 新型「VW ティグアン」 が日本上陸!
2025年1月16日
フォルクスワーゲン ティグアン(Volkswagen Tiguan):「ティグアン」がフルモデルチェンジして日本に導入された。我々は売れ線となるであろう「ティグアン eTSI R-Line」に試乗した。
今や売れ筋はSUVタイプであるが、それはフォルクスワーゲンも同様で2007年に登場した初代から「ティグアン」は世界的ベストセラーとなり、760万台を販売している。
7年ぶりのフルモデルチェンジを果たした3代目はドイツでの評価が高い。先代をロングドライブしたのがまだ記憶に新しいが、素晴らしい車だっただけに、どれだけ進化してきたのか期待に胸を膨らませての試乗となった。
成功するコツを心得ている
プラットフォームはMQBの進化版MQB evoで、これにDCC Proサスペンションが組み合わさる。つまり、新型パサートと同じ。これだけで2代目よりも良くなっていることは容易に想像できるのである。エクステリアも先代のエッジが効いたデザインから、丸みを帯びたデザインへと大きく方向転換している。さらに、天地方向にボンネットの位置が高くなってボリューム感が増している。ただ、空力性能は先代よりも良くなっているというから驚きだ。まさに「正常進化」という言葉がぴったりだ。
パワートレインは2種類
ドイツ本国ではPHEV、マイルドハイブリッド、ディーゼルそれぞれに2種類、合計6種類のパワートレインがあるのだが、日本導入となったのはマイルドハイブリッドの「eTSI」、ディーゼルの「TDI 4MOTION」の2タイプである。試乗にあたっては、先代との比較ができるようにガソリンエンジンの「VW ティグアン eTSI R-Line」を選択した。
「eTSI」は、150馬力の1.5リッター4気筒DOHCガソリンターボエンジンに48ボルトのベルトスタータージェネレーターが搭載されている。この小型電動モーターは、モーターとしても機能し発進、加速のサポートをする。ガソリンエンジンは4気筒のうち2気筒を休止する機能がある上に、完全に停止してコースティング走行することもできる。トランスミッションは7速DSG。前輪駆動で、燃費はリッターあたり15.6kmとなっている。
しなやかになった
試乗にあたっては、御殿場IC付近から芦ノ湖の往復コースを選択した。先代は明らかに硬いサスセッティングで、強めの直進安定性と高いコーナリング性能が持ち味であったが、新型ではしなやかなサスセッティングへと変わってトータルパフォーマンスは新型の方が上だ。パサートのPHEVよりも200kg以上軽い車重により、1.5リッターエンジンでも不足はない。運転モードを積極的に切り替えることによってさまざまなシーンにおいて快適なドライブを楽しむことができる。
新型パサートを彷彿とさせるインテリア
インテリアは質感が高く、遮音性は大幅に改善されている。また、新型「パサート」を彷彿とさせるが、これは同じプラットフォーム、同じテクノロジーだからなのだが、悪いことではない。ティグアンにはセンターコンソールにスマートフォン2台を置くスペースができた。また、ドライビング・エクスペリエンス・コントロールというロータリーコントロールがあり、エコ、コンフォート、スポーツ、カスタムの走行プログラムを選択できるだけでなく、サウンドシステムの音量調整にも使用できる。ただ、SUVゆえにダッシュボードが壁のように見えて深いバスタブに浸かっているような感じがする時があった。
広がった室内区間
新型「ティグアン」のシートは座り心地が良く、ベンチレーション機能やマッサージ機能までついて快適だ。後席も十分な広さが確保されている。トランク容量は652リットルで、先代モデル(615リットル)よりも容量が大きい。リアシートの背もたれを倒せば、1,650リットルのスペースが待っている。
VWは伝統的にフロントのバルクヘッドギリギリから室内空間を確保するため競合よりも広い。そのため、右ハンドル車はアクセルとブレーキペダルが中央にオフセットしているため慣れを要する。ティグアンにはアクセルの右側に右足フットレストがある。
3代目「ティグアン」で、VWは新しいテクノロジーと試行錯誤を重ねた伝統的なものを巧みに組み合わせている。このシリーズの成功を邪魔するものは何もない。
Text&Photo:アウトビルトジャパン
撮影協力:芦ノ湖フィシングセンター 網元おおば