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リミテッドエディション クワトロ40周年記念モデル アウディTT RS 40 クワトロ

2020年10月21日

アウディTT RS 40 クワトロ(2020): リミテッドスペシャルモデル、ボディキット、スポイラー、馬力

アウディはクワトロ誕生の40周年を祝い、限定アウディTT RSスペシャルモデルを発売する。アウディは、後部座席の備わっていない、TT RSの限定スペシャルモデルで、クワトロの記念日を祝う。以下に詳細をお届けする。

次のアウディTTは、おそらく電動になる可能性がある。
その前に、40年という節目の年を迎えたクワトロシステムのために、アウディはTT RSに、超限定生産スペシャルモデルを作り、1980年に生まれた歴史的な成功をおさめたシステムを祝う。
アウディはそのモデルに、TT RS 40クワトロというネーミングを与えた。

性能は400馬力のまま

最初に最も重要なもの: スペシャルTT RSの性能は、特別なモデルでも400馬力のままだ。
インゴルシュタットのエンジニアたちは、実績ある5気筒と、よく知られているロードパフォーマンスに全幅の信頼を置いていて、手を加えなかった。
1つの例外を除いて。
スペシャルモデルでは、最高速度が280km/hに引き上げられているが、大部分は現行モデルがベースだ。
TTは、アルパインホワイトで塗装されており、ヴァルター ロールが1987年に、米国の山を走るパイクスピークで優勝した際に彼の足となった、アウディ スポーツ クワトロS1を彷彿とさせる。

派手なスポイラーと白いボディ。TT RSは、ヴァルター ロールの伝説的なS1を彷彿とさせる。

スペシャルTTのための空力トリック

アウディは、エンジンコンパートメント内の換気を促進することを目的として、TT RSスペシャルのボンネット中央にカーボンファイバー製エアアウトレットを装着している。
風洞で開発されたエアロパッケージは、フロントエプロンの横方向のフリックとスプリッターで構成されており、アウディによれば、コーナーでのハンドリングを向上させるのに役立つと報告されている。
サイドスカートには専用モデルのアタッチメント、テールには固定翼、スポイラーサイドパーツ、ディフューザーを装備。
その結果、フロントアクスルで約9kgの追加リフト、リアアクスルで約5kgの追加ダウンフォースを得ることが可能となっている。
ドアにはクワトロのレタリング、部分的につや消しされたリアの三角窓にはアニバーサリーのレタリングが施され、よりスポーティな外観を提供している。
このスペシャルモデルには、ホワイトに塗装された20インチホイールに、レッドに塗装されたブレーキキャリパーが装着されている。

新しいカーボンエアアウトレットは、特別モデル専用のものだ。

オプションでリアシートの排除が可能

アウディTT RS 40クワトロを純粋な2シーターとして使用したい場合には、リアシートは、カーボンストラットに交換することができる。
改良されたねじり剛性とともに、16キロの重量減の利点をもたらす。
この特別仕様車には、スポーツステアリングホイールとドアパネルにブラックアルカンターラを採用。
対照色にボディにはホワイトを採用し、シートにはショルダー部分に専用の刺繍を施している。
アウディは、Sトロニックのセレクターレバーにナンバー付きのバッジを付けている。

同乗者がいなくても平気な人は、リアシートの代わりに複雑なカーボンストラットをオーダーすることができる。

限定生産: アウディのスペシャルモデルの生産台数は40台のみ!
手に入れるためのハードルは非常に高い。
40台だけしかない!
価格は税込みで111,165ユーロ(約1,300万円)となる。
ちなみに発注は今すぐにでも可能だ。

アウディ クワトロが世の中に出てから、もう40年にもなりますか、というのが正直な感想である。思えば最初のビッククワトロは高性能車の世界の常識を変え、アウディのイメージを大きくイメージアップすることに貢献し、ラリーでは怖いものなしの実力者となり、カラヤンが購入して楽しそうにステアリングを握っていた、そんな40年前である。
その後ビッククワトロの後にはアウディ80のクワトロが誕生し、しばらくはマニュアルトランスミッションのみで展開していた。ラリーでは女性ドライバーのミッシェル ムートンがクワトロを操り、破竹の勢いの走りを展開していたが、まだまだフルタイム4輪駆動は希少な存在だったのである。
いつの間にかフルタイム4輪駆動は世界中に広まり、アウディのラインナップの中にも大きく普及して、今やクワトロのない車種の方が少なくなってしまっている(というか、クワトロのない車種はない)。
今回のTTは見ての通り、その頃のイメージを彷彿とさせるカラーリング持った40周年記念車ではあるが、感慨深いのは、これがおそらく最後のTTとなることだろう。
あのビッククワトロのイメージに憧れを抱いている人や、クワトロという言葉にときめきを覚える人にとっては魅力的な一台だし、いずれはEVになってしまうといわれているから、買うなら今しかない一台ではあるが、ポルシェ911が購入できる価格だけはちょっと高価でためらってしまう、というのが本音ではある。

Text: Andreas Huber
加筆:大林晃平
Photo: Audi AG