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いま注目のオールシーズンタイヤの実力は? コンチネンタルタイヤ「AllSeasonContact 2」前編

2024年12月27日

近年、着実にユーザーが増えているオールシーズンタイヤのなかから、2024年2月に日本での販売がスタートしたコンチネンタルタイヤのオールシーズンタイヤ「AllSeasonContact 2」の実力を、さまざまな路面で試してみた。まずは、サマータイヤとしてのシーンでのインプレッションから。

年に数回の雪にはオールシーズンタイヤという選択肢がある!

いよいよ冬本番を迎えた日本列島。北海道や東北、北陸といった降雪地域のドライバーは、事前にサマータイヤからスタッドレスタイヤに履きかえて雪への準備は万端のはずだ。一方、私が住む東京などの場合は、年に数回しか雪が降らず、そのためにわざわざ高価なスタッドレスタイヤを購入するのを躊躇う人は少なくない。シーズン前後にタイヤを履きかえるにもかかわらず、1度も雪が降らなかったなんてこともあるし、使わないタイヤを移動したり、保管するのも手間がかかる。かといって、突然に雪で外出ができなくなったり、あるいは出先から帰れなくなるのは困る。

そんな悩める非降雪地域のドライバーが近年注目しているのが、オールシーズンタイヤだ。その名前のとおり、オールシーズンタイヤは四季を通じて安全かつ快適なドライブを提供するタイヤのこと。サマータイヤと同等の走行性能を備えながら、雪道も安心して走破できるのが特徴である。しかも1年中、同じタイヤが使えるので、冬の前後でわざわざ履き替える必要がなく、交換の手間や外したタイヤの保管場所を心配せずにすむというのも、とても魅力的なのだ。

高評価の「AllSeasonContact」が第2世代へ

さまざまなタイヤメーカーが日本市場でオールシーズンタイヤを販売するなか、コンチネンタルタイヤでも2021年9月に「AllSeasonContact」を投入している。この「AllSeasonContact」は、我々Auto Bildをはじめとするドイツの自動車メディアが行う比較テストで1位に最も選ばれるほど高い評価を得ており、なかでも雪上性能の高さには定評があった。

高評価の「AllSeasonContact」が第2世代の「AllSeasonContact 2」に進化。優れた雪上性能はそのままに、ハンドリングやブレーキ、燃費、耐久性が向上している。

その優れた雪上性能はそのままに、ドライ路面でのハンドリング性能や、ウェット/ドライ両路面における制動性能を向上させるとともに、低転がり抵抗性能やロングライフ性能を改良したのが、第2世代へと進化した「AllSeasonContact 2」である。

「AllSeasonContact2」の特徴的なV字パターン。よく見るとV字がオフセットし、ブロックもC字型となっている。

性能向上の鍵を握るのが「アダプティブ・パターン」と「スマート・エナジー・カーカス」、「チリ・ブレンド・コンパウンド」といったテクノロジーだ。

アダプティブ・パターンにより長寿命と耐ハイドロプレーニング性能の向上が図られている。

「AllSeasonContact 2」のトレッドは、先代同様にV字型パターンを採用しているが、Vの頂点が中心からずれているのと、よく見るとブロックがC字型になっていることに気づくだろう。こうした工夫が、ハイドロプレーニングを抑えるとともに、タイヤの剛性向上やタイヤの摩耗低減に貢献する。

タイヤ内部に低ヒステリシスの新素材を採用することでエネルギー損失を低減し、燃費性能が向上。

一方、タイヤを支えるカーカスとインナーライナーに低ヒステリシスの新素材を採用することで、タイヤの堅牢性を向上させ、エネルギーの損失を減らして転がり抵抗を低減。これにより低燃費の実現につながる。

コンチネンタル独自のコンパウンドにより、オールシーズンタイヤに最適な性能を発揮。

さらにコンパウンドの成分を最適化することで、季節や気温にかかわらず、優れた安全性能を発揮することになる。

良い意味でオールシーズンタイヤらしくない!?

こうした特徴を持つ「AllSeasonContact 2」が、2024年2月に日本上陸。そこで今回は、「メルセデス・ベンツC 220 d 4MATIC オールテレイン」に、純正サイズと同じ245/45R18のAllSeasonContact 2を装着し、その実力を確認することにした。

テストでは、メルセデス・ベンツC 220 d 4MATIC オールテレイン」に、純正サイズと同じ245/45R18の「AllSeasonContact 2」を装着。

オールシーズンタイヤといっても、おもに走るのは雪道ではなく、雪のない一般道や高速道路だ。それだけに、その性能がタイヤの評価を大きく左右するわけだが、「AllSeasonContact 2」の第一印象は、スタッドレスタイヤとはまるで別モノであるし、良い意味でオールシーズンタイヤらしくない。

さっそく走り出すと、すぐに「AllSeasonContact 2」の乗り心地の良さに頬が緩む。低燃費を謳うのに乗り心地が良いことに驚くとともに、スタッドレスタイヤとは異なり、ステアリングを操作したときの感触が実にしっかりとしていて、コーナーを曲がる場面でもサマータイヤと変わらぬグリップと安定感があるのが実に頼もしい。

雪のない一般道や高速道路では、サマータイヤ同様のグリップや快適性を発揮した。

また、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤでは耳障りなノイズが気になることがあるが、この「AllSeasonContact 2」にかぎっては静粛性が高く、コンフォートが売りのサマータイヤに匹敵する実力といっても過言ではない。スタッドレスタイヤが苦手とするウェット路面でも不安なく走れるのもこのタイヤの強みであり、「走る・曲がる・止まる」の基本性能と、静粛性や乗り心地といった快適性を見事に両立していることに感心するばかりである。

スタッドレスタイヤとは異なり、ウェット性能が高いのもオールシーズンタイヤの強み。

後編では雪道の印象をお伝えする。

Text:Satoshi Ubukata
Photo:Satoshi Ubukata, Continental Tires