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2024 SUPER GT Rd.5 SUZUKA GT 300km GRAND FINAL No.36 au TOM’S GR Supra 坪井、山下組が最終戦をポールトゥウインで締め連覇達成!

2024年12月19日

12月8日(日)三重県の鈴鹿サーキット(1周5,807m×51周)で2024 SUPER GT Rd.5 SUZUKA GT 300km GRAND FINAL決勝が行われた。

例年だと11月頭に行われる第8戦モビリティーリゾートもてぎが最終戦になるのだが、第5戦(8月31日の予選、9月1日決勝)の鈴鹿が台風10号の影響により開催がキャンセルされたため、今回の12月に延期され、最終戦として12月7日に予選、8日に決勝レースが行われた。

決勝スタート時の気温が13度と低く、通常のGTレースではあり得ない条件であり、グリップしない冷えたタイヤをどうチーム、ドライバーがコントロールするのかが大きな見どころで、誰もが波乱のレース展開を予想していた。

ポイントリーダーだったNo.36 au TOM’S GR Supra 坪井 翔 / 山下 健太 が決勝前日の予選で見事ポールポジションを獲得し、その時点でシリーズチャンピオンも獲得を果たし、最終戦であるこのレースもポールトゥウィンで有終の美を飾った。しかも昨年、今年と2連覇を果たした。

GT500クラスの予選でポールポジション獲得したのは、昨シーズンの王者でポイントリーダーのNo.36 au TOM’S GR Supraだった。これにより決勝の結果を待たずしてチャンピオンが決定してしまった。

というのも、今シーズンから予選のトップ3にポイントが付与(1位が3Pt、2位2Pt、3位1Pt)されることになっているからなのだが、No.36は18ポイントのアドバンテージを持っていたところにポールを獲得したことで21ポイント。2位のNo.100が予選ポイントを取れなかったことで万事休す。

本レースで4位入賞をし、ドライバーズランキング2位となったNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT 山本 尚貴 / 牧野 任祐

しかしながらチャンピオンとしての有終の美を飾るには何としてもポールトゥウィンを飾りたいところ。路面温度が低いため、フォーメーションラップは通常1周であるが冷えたタイヤでは危険である為、2周してからのローリングスタートで最終戦の火蓋が切られた。

まずスタートでトップに立ったのはポールポジションスタートのNo.36 au TOM’S GR Supraでトップをキープ。そして2位スタートのNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GTが続き、4番手からスタートのNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは前車を抜いて3番手にポジションを上げた。

レース中盤でトップ争いをするもスピンを喫し7位まで順位を落としたがドライバーズランキング3位となったNo.3 Niterra MOTUL Z 高星 明誠 / 三宅 淳詞

3位からスタートしたNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zはタイヤ温度が上がらずグリップに苦しみどんどん後退してしまう。

しかしながら前日の予選Q1でトップタイムを叩き出したNo.24名取はタイヤが温まり出したところで一気にペースを上げ、6周目にトップ集団に追いつくと7周目には1台、8周目の1から2コーナーでは2台抜きを披露し、どこまで追い上げるのかに注目が集まった。

なかなか苦しいシーズンとなったが最終戦で見事2位入賞を果たしたNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT塚越 広大 / 太田 格之進

今回が最後のレースとなるNo.23 MOTUL AUTECH Zスタートドライバーのロニークインタレッリは11番手スタートであったが、本当に引退してしまう選手の走りなのか?と誰もが思うほどの素晴らしいペースで前車を次々にパスしていく。

10周目のデグナーカーブでNo.17がGT300車両と接触、レーシングアクシデントと判断されたがこの接触で5番手まで後退してしまう。また接触したGT300車両がクラッシュし、その車両を安全な場所まで移動させないといけないためFCY(フルコースイエロー)となり各車のマージンはそののままのスロー走行となる。

前日の予選でアタック中に前車に行く手を阻まれ15位スタートとなったが、素晴らしい追い上げで見事3位入賞を果たしたMARELLI IMPUL Z 平峰 一貴 / B.バゲット。カルソニックからマレリと社名が変更され、ホシノインパルへのスポンサー契約を続けてきたが、このチームインパルのこの青いマシンも歴史に終止符が打たれた。

そして17周目にはミニマムでドライバー交代義務クリアと同時にタイヤ交換、燃料補給を行う為にPITに入ってきたのは #100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT。15番手スタートだったNo,12MARELLI IMPUL Z他、続々と入って来た。

そして翌周にはトップを走るNo.36、そして11位スタートから15周目までに6位まで順位を上げてきたNo.23ロニーの乗るMOTUL AUTECH Zが最高のオーバーテイクショーを魅せた後ピットインし最後のレースを終えた。その瞬間、グランドスタンドからはお疲れ様でしたと言わんばかりの拍手の渦が巻き起こった。

このレースが最後のレースとなったMOTUL AUTECH Z。ロニークインタレッリ選手が序盤11位スタートから6位まで順位を上げ、引退なんて信じられない様なアグレッシブな走りを見せてくれた。

No.36の山下が実質トップでコースに復帰するが、これをNo.3三宅が猛然と追い上げ、29周目の1コーナーでNo36のアウトから仕掛けるも、No.36山下も一歩も引かずにトップをキープ。その後30周目に入ったところでGT300車両の1台がエンジントラブルによりコースサイドにストップしたため、2度目のFCYが宣言された。

その後レースが再開されてすぐのデグナー2つ目のコーナー立ち上がりでNo.3三宅が痛恨のスピン!すぐスピンターンをして立て直したが一気に6番手まで後退してしまう。

レース中盤トップ争いをしていたが、FCY解除後に冷えたタイヤの影響でスピンして順位を落としてしまった#3 Niterra MOTUL Z

そして何と最初の接触アクシデントがあったNo.17が2番手に浮上しトップNo.36を猛追、48周目にシケインで仕掛けるが失敗しオーバーランしてしまった。

GT500クラス表彰台

その後はNo.36がNo.17を徐々に引き離す事に成功し、No.36が見事トップでチェッカーを受け、前戦のもてぎに続く2連勝で、まさに有終の美を飾った。

ロニー クインタレッリ選手の引退記者会見

レースウィークの12/6(金)に引退記者会見を行ったMOTUL AUTECH Z ロニークインタレッリ選手

GT500クラスの史上最多の4度ものタイトル獲得を果たしていた偉大な選手が今の思いを語った。「今シーズンは成績が悪く、メディアの方からなかなか注目されなくなって、そのために何をやればいいかなと考えたところ、やっぱり引退しかないなと思い、この作戦大成功でした!」と持ち前の明るさで笑いを取った。

そしてその後目に涙を堪えながら引退を決断した理由を語ってくれた。「それは今シーズン人知れず重ねていた苦労、思うように走れなくなった自分への葛藤、チームメイトである千代選手は速さもモチベーションあり、今年に関しては僕の方が足りないと感じていた等、またそんな気持ちと今の力ではチームにも迷惑を掛けてしまうのでスーパーGTの活動終了を考える様になり、この決断をしたのは11月のRd.8もてぎの後だと。そして最後はやはりこのニスモチームで締めくくりたかった。」