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【このSGSガルウィングなんぼ?】メルセデス500 SECをベースに57台だけ製造されたSGSガルウィングがオークションに その価格は?

2024年12月12日

メルセデス500 SEC SGSガルウィング(Mercedes 500 SEC SGS Gullwing):これ以上に80年代らしいものはないだろう。メルセデス500 SECをベースにわずか57台のガルウィングがStyling Garage(SGS)によって製造されたと言われている。

50万ユーロ(約8,400万円)未満のメルセデス ガルウィング?そんな時代はとうの昔に終わった!少なくとも、伝説の「メルセデス300SL」に関しては・・・。現在、状態の良い個体は200万ユーロ(約3億4,000万円)以上で取引されている。

しかし、ガルウィングドアが特徴的なメルセデスを50万ユーロ(約8,400万円)以下で入手する方法がある。ただし、これは市販車ではない!ハンブルク近郊のチューナーであるStyling Garage(SGS)の「メルセデス500 SEC ガルウィング」のことだ。

「C126」シリーズの500 SEC(SECはS-Class Injection Engine Coupéの略)は、1980年代にメルセデスが販売した最高の車だった。このクーペは、「W126」セダンよりもさらに充実した装備を備え、V8エンジン搭載車のみが販売された。

80年代を象徴するエアロパーツと低められた車高。

それでも、このクーペでさえも贅沢で派手ではないと感じる顧客もいた。現在、再稼働しているスタイリングガレージ(SGS)のクリス・ハーンは、この点に着目した。彼は、伝説の「300 SL」をモデルにして、当時世界最高の車と思われていた車をガルウィングに改造した。

57台のSGS ガルウィングが製造されたと言われている

この「SGS ガルウィング」は57台製造されたと言われており、そのうちの1台が11月23日にミュンヘンで開催される、RMサザビーズ(RM Sotheby’s)のオークションに出品された。改造は1984年5月に行われたと考えられており、これは後期の「ガルウィング」の1台だ。

当時、SGSは通常のクーペからガルウィングへの改造に約8万ドイツマルク(約670万円)を請求しており、これは当時販売されていた「500 SEC」の新車価格とほぼ同額だった。しかし、顧客の大半がアラブ首長国連邦や米国からであったことを考えると、価格が大きな問題となった可能性は低かったであろう。

見た目だけが重要:5リッターV8エンジンはSGSによる改造を受けず231馬力のままだった。

ここで紹介する「SGSガルウィング」も1984年の完成後、米国に輸出され、最初の所有者がフェラーリコレクターに売却した後、2010年にドイツに戻った。現在のオーナーは、この目を引くガルウィングをメルセデスの専門家に定期的に点検してもらっている。この点で確かに役立つのは、5リッターV8(M117)にはSGSの手は加えられておらず、標準の231馬力を発揮するという点だ。

このように、見積もりは高い

オークションの説明によると、この車は近年、常に大切に扱われてきた。これには、ガルウィングドアの油圧システムのオーバーホール(5,848ユーロ=約96万円)などのメンテナンス作業も含まれていた。

インテリアもSGSの手で改装された。新しいステアリングホイールに加え、贅沢なギアレバーが特に目を引く。

62,107マイル(99,952km)を走った「SGSガルウィング」の推定価格は35万~40万ユーロ(約5,780万~6,600万円=ファルコンの頭の木製ギアノブを含む)だ。

Text: Jan Götze
Photo: Courtesy of RM Sotheby’s