BASF、2024-2025年の 自動車のカラートレンド予測を発表: コレクションのテーマは「ROUTING」(最適な経路選択)
2024年11月1日
世界最大の総合化学会社BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、2024-2025年の自動車のカラートレンド予測及びコレクションを発表した。今年のコレクションタイトルは「ROUTING(最適な経路選択)」でアジア太平洋地域、米州、EMEAそれぞれのエリアのカラーコレクションが発表された。
ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置くBASFはドイツの産業勃興期の1865年に創設された世界最大の総合化学会社。毎年自動車のカラートレンド予測及びコレクションを発表している。今回発表された、2024-2025 年の自動車カラートレンド予測のコレクションのテーマは「ROUTING」(最適な経路選択)で、昨年の明るい色調から落ち着いた感じの色調になった。
通信技術から着想を得た ROUTING(最適な経路選択)
コミュニケーションの方法は日々変化している。人間、AI、デジタル化、サステナビリティなどあらゆるコミュニケーション、情報の扱い方がトレンドを形成する要素であるとすれば、自動車のカラートレンドも同様であるということがわかる。といった考え方の元、通信技術分野の概念であるルーティングに着想を得て今年のトレンドが予測された。
私たちが行ったトレンド観察では、人間あるいは人工知能との間で行われるコミュニケーションや情報の扱い方が、トレンドを牽引する大きな要素であることが分かりました。コミュニケーションは生き生きとし、常に変化し続け、受け手と送り手の相互で受容し合います。まさにカラーも同様です。
BASF 自動車カラーデザインのグローバル責任者 マーク・グートヤール
進化するコミュニケーションの特徴を反映
ROUTINGは、BASF のデザイン専門家による重要な発信に裏づけられた多様なカラーパレットを通じ、進化するコミュニケーションの特徴を示している。今年のトレンドでは、サステナビリティと機能性を主軸に、暗い青みがかったレッドや強い色調のパープルへ変化する、新しいレッドが特徴で、強いエフェクトによるエネルギッシュでダークな無彩色は、ソリッドプラックを超えたダイナミックさが表現されている。また、滑らかなメタリックの質感は、特にハイライトの強い輝度が特徴で、メタリックカラーに新たな輝きを与えている。また、パステルカラーの色域は多様化している。たとえば、すでに市場には、ベージュやライトグリーンの色域、そして珍しい中間色も見ることができる。
サステナビリティと機能性はROUTING の中核をなすテーマであり、カラーの開発には再生可能な材料、リサイクル材料やバイオベース材料を使用し、先進運転支援システム向けに最適化されている。BASF のカラートレンドは、自動車メーカーが、新しいモデルのカラーデザインを行う際に活用されおり、そのトレンド予測は、今後3年から5年の間に市場に現れることになるだろう。
カラートレンドの特徴
BASFコーティングス事業部のデザイナーたちは毎年、産業、ファッション、消費者製品、自然、テクノロジーなどの幅広い分野で将来のトレンドを研究し、表面、テクスチャーや色域の開発の基礎としている。この研究内容は、BASFの自動車業界の顧客と共有され、将来の量産計画を後押しとなっている。
1.新しいレッド-よりダークで青みがかったレッドや、パープルへ変化する特徴的なカラー
特に興味深いのはレッドの色域で、新しいレッドは、強い色調のパープルまで広がりを見せる。
2.ダークな無彩色- エネルギッシュなエフェクトブラック
ダークカラーの色域は、強いエフェクトによって躍動感にあふれ、ブラックはさまざまな色相へ広がり、ソリッドブラックから離れてダイナミックさを増していく。
3.メタリックカラー- 革新的技術の採用
メタリックのハイライトは新しいデザインの可能性を示している。表面の見え方は、カラーデザインにおいてますます重要な要素となっており、滑らかなメタリックの質感は、特に強いエフェクトによって際立ち、新たな輝きを与える。
4.パステルカラー- 自動車カラーの色域拡大
明るいパステルカラーは、トレンドをリードする要素であり続けるが、パステルカラーの色域は多様化し、すでに市場には、ベージュやライトグリーンの色域、そして珍しい中間色も見られる。
5.サステナビリティ-多様な手法の選択
ROUTINGカラーコレクションは、サステナビリティに対するさまざまな手法を示しており、再生可能な材料やリサイクル材料の使用、顔料を使わずエフェクトを発現するバイオベース材料が活用されている。
6.機能性 – 見えるものを越えて
デザイン性と機能性を両立するために、 コレクションの全てのカラーは、センサーベースの先進運転支援システム(RadarとLiDAR)への適合性が測定されている。
EMEA 地域のキーカラー HARBINGER’S INK(ハービンジャーズインク)
欧州・中東・アフリカ(EMEA)では、天然資源は有限であるという認識に基づく力強いキーカラーとして、設定された。これまでにないユニークな輝きを放つこの強い色調のブラックは、カーボンネガティブと再生可能な材料、さらに生分解性顔料によって、そのサステナビリティを高めている。
「HARBINGER’S INKは、環境に対する責任を自動車デザインに取り入れることの重要性を象徴するカラーです。自動車に欠かせない基本色をサステナビリティのコンセプトに直接結びつけています。」と、グートヤール氏は述べている。
アジア太平洋地域のキーカラー SCINTILLATION(シンチレーション)
SCINTILLATIONの革新的な有害物排出を抑えたベースコート技術によって設計された、スマートで温かみのあるグレーと金属調の質感は、アジア太平洋地域で注目を集めることが予測された。このカラーは、人間と人工知能の未来の親和性を表し、高級車のブランド価値と品質、およびサステナビリティを高める。
「SCINTILLATION は、洗練されつつも未来を見据えたデザインへのアジア太平洋地域の要望を捉えています。このカラーは、テクノロジーの進歩と恒久的な価値の双方が共鳴する持続可能な自動車ソリューションで、この地域が注目する高品質の創造と一致します。」と、アジア太平洋地域の自動車カラーデザイン責任者である松原千春氏は述べている。
米州のキーカラー HOLDING SWAY(ホールディングスウェイ)
HOLDING SWAYは二つの色相と協調するエネルギーの融合が顕著に現れたカラーで、青みに強く変化する深いパープルの色合いが特徴だ。
「社会のさまざまな場面で、多様な影響力が集まり、製品の革新的なソリューションが誕生します。つながりを生み出し相反するものを橋渡しすることで、人々の消費やコミュニケーション、そしてモビリティ体験の方法に新たな機会とゆとりが生まれます。 HOLDINGSWAY は、透明性のある協調するエネルギーの融合によって、革新的な方法が生まれることの重要性を象徴しています。」と、米州の自動車カラーデザイン責任者であるリジー・マリー・ホフマン氏は述べている。
■BASF のコーティングス事業部について
BASF のコーティングス事業本部は、革新的な自動車用塗料、自動車補修用塗料、装飾用塗料、メタル、プラスチック、ガラス基板など幅広い産業での表面処理およびそれらの応用に必要なプロセスの開発、生産、販売を行っています。これらのポートフォリオは、新しい市場や事業開発を目指す Innovation Beyond Paint (塗料を超えたイノベーション)プログラムによって提供してまいります。私たちは、先進的なパフォーマンス・ソリューションを創造し、世界中のパートナーのニーズを満たすために、パフォーマンス、デザイン、新しいアプリケーションを推進しています。BASFは、ヨーロッパ、北米、南米、アジア太平洋地域の拠点のネットワークを活用することで、お客様の利益のために、専門的でグローバルなチームのスキル、知識、リソースを提供しています。2023年における BASF コーティングス事業本部の世界の売上高は約44億ユ一口でした。
BASF コーティングス:https://www.basf-coatings.com
■BASF について
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。また。全世界で約 112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2023年のBASF の売上高は689億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。
BASF:https://www.basf.com
Text:アウトビルトジャパン