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【新車情報】正式発表 新型BMW M3とM4の詳細+テクニカルデータ 全情報!

2020年9月24日

BMW M3 & M4(2021): イントロダクション、コンペティション、テスト、価格

新型BMW M3とM4は数え切れないほどのリーク写真と報道を経て、ついに正式にデビューした。BMW新型M3とM4のすべての情報!

BMWはついに、M3とM4を世に送り出す。
何年も、何ヶ月ものリークの後、我々はすでに新しいM3とM4についてのすべての詳細を知っていると思っている…かもしれない。
巨大なキドニーグリル?
☑ チェック。
四輪駆動オプション?
☑ チェック。
マニュアルトランスミッション標準装備?
☑ チェック。
しかし、本物を観た最初の印象は本当に驚くべきもので、BMWは再びそのスポーティなミドルクラスのドライバーにすべてを与える。
完全に作り直されたエンジン、ネットワーク化されたドライビングダイナミクスコントロール、そして貪欲なフロントを備えたM3とM4は、先代モデルよりも再びスポーティになっている。
480馬力のベースモデルに、510馬力のコンペティションが追加される。
新型M3とM4は、2021年3月から販売される。

フロントエンドには多数の補強材が施された。湾曲したカーボンストラットはいまや歴史となった。

水冷のための電気オーバーラン

エンジンデータは、一見、お馴染みのもののように思える。
それは縦置き3リッター直列6気筒エンジンにツインターボを搭載するというものだ。
しかし、先代モデルとは異なり、S58のエンジンは全面的に改良されている。
エンジンブロックのコアは、3Dプリントされており、冷却チャンネルの最適化を可能にしている。
クローズドデッキ設計のおかげで、ブロックはより安定しており、より高い燃焼圧力にも耐えられるようになった。
シリンダーライナーには新たなコーティングが施され、回転の楽しさが増し、鍛造クランクシャフトは軽量化されている。
また、ターボチャージャーには、2つの回路から冷却水が供給され、エンジンを停止した後も電動ポンプで冷却システムが作動するようになっている。
具体的な数字で表現すると
480馬力のパワーと550Nmのトルクを発揮する。
コンペティションモデルでは、510馬力と650Nmを実現しており、旧型コンペティションモデルと比較して、60馬力の大幅な性能向上を達成している。
エントリーレベルのバージョンは、0から100km/hまで4.2秒でスプリントし、コンペティションモデルはそれより0.3秒速い。
オプションのMドライバーパッケージを選べば、250km/hの最高速度が290km/hになる。

M3とM4プロトタイプのサーキットでのドライビングインプレッションはこちらどうぞ!

コンペティション用xDriveはオプションとしてのみ

BMWは基本的なマニュアルトランスミッションを忠実であり続ける。
このクラスでは絶滅してしまったがMTは、BMWにとっては必要不可欠なものだ。
これは、プレスリリースで異例の注目を集めていることからもわかる。
コンペティションでは、従来のダブルクラッチに代わって8速オートマチックトランスミッションが標準装備されている。
このトランスミッションはM5などにも同様に搭載されており、うまく機能している。
これはM3やM4でも同様のはずだ。
ZF社製のコンバーターは、マニュアルの6速トランスミッションよりも25kg重いが、もちろんシフトははるかに速い。
シフト特性は3段階で調整できる。
マニュアルモードでは、リミッターでギアをキープすることもできるようになっている。

MTが用意されないバージョンにはデュアルクラッチの代わりに8速ATが装着される。

M xDriveの全輪駆動システムにはサプライズが用意されている。
BMWのミッドレンジのトップモデルが、初めて全輪駆動を採用したことも、人々には驚きをもって迎え入れられた。
しかし、当初の想定に反して、コンペティションには後輪駆動が標準装備されており、全輪駆動はオプションとして提供されている。
全輪駆動システムはリアを重視した設計となっており、パワー配分は可変となっている。
通常の運転ではリアアクスルのみが駆動し、アクティブなリミテッドスリップデフがホイール間のパワーを配分する。
スリップが発生した場合にのみ、フロントアクスルも徐々作動する。
M5と同様に、ESPを無効化した純粋な後輪駆動モードもある。

より細かい制御を可能にする統合型ESP

ラテラルダイナミクスの面では、BMWは多大な努力を払ってきた。
そのハイライトは、ESPを統合した改良された「車両ダイナミクスコントロール」だ。
車両ダイナミクスに関連するすべてのシステムとネットワーク化されたことで、より敏感に制御できるようになった。
このシステムは、エンジンとトランスミッションの特性、ステアリングアシスト、電子制御ブレーキブースター、アクティブダンパーの設定に応じて異なる介入を行うようになっている。
また、BMW自身が特に誇りに思うのは、M トラクションコントロールを備えたオプションの M ドライブプロフェッショナルだ。
ESPコントロールシステム内のトラクションコントロールシステムの10段階にわたる微調整が可能になる。
これにより、ドライバーは自分の限界に一歩一歩近づくことができる。
このパッケージには、ドライビングエイドのすべての快適性と安全性の機能を無効にするトラックモードも含まれている。

すべてが実際に機能することを確認するために、すべてのM3およびM4には、2つの選択可能な特性を備えた前述の電子ブレーキブースターとアダプティブシャーシが標準装備されている。
また、フロントのボールジョイントやシャシーにしっかりと固定されたリアアクスルキャリアも、サーキットでの精度を確保するためのものだ。
M3とM4には、フロントに18インチ、リアに19インチのホイールを装着した標準のミックスタイヤ、コンペティションモデルには、それぞれ19インチと20インチのホイールを採用している。
フロントエンドのデザインにも多くの頭脳が費やされている。
新しいフロントアクスルキャリアと新しいブレースは、より高い剛性を提供することを目的としている。
副次的な効果?
これによって、ダブルキドニーの後ろにあったおなじみのクロスストラットがなくなり、ラジエーターへの流れが改善される。

カーボンルーフにも対応したルーフラック

M3とM4は本当に目を惹く。
その理由のひとつに、シュールなプレゼンテーションカラー「サンパウロイエロー」と「マン島グリーン」がある。
しかし、そうでなくとも、強烈な存在感を備えている。
巨大なキドニーグリルを備え持つ貪欲なフロントは、4シリーズよりもMモデルの方がよく似合う。
水平の二重ブレースを備えた新しいキドニーグリルは幅が広く、よりアグレッシブな全体像に調和している。そしてM3を買って「普通の」キドニーを手に入れるという選択肢はない。
パワフルなエアインテークは単なる見せモノではなく、その後ろにはエンジンやトランスミッション用の各種オイルクーラーやウォータークーラーが装備されている。

Aピラーまでは、M3、M4ともほぼ同じだ。4ドアモデルのフロントガラスは急勾配だ。

グリルの隣で最も印象的なのは、ツーリングカーを彷彿とさせるブラックなボディ下部だ。
さらに、新型Mモデルでは、エクストラワイドなホイールアーチとリアの迫力あるディフューザーを採用していて、そこからは、直径100mmの太い4本のテールパイプが飛び出している。
オプションのカーボンパッケージは、軽量素材で様々なトリムパーツをラップする。
さらに、パフォーマンスパーツのあらゆる種類が用意されており、BMWはリクエストに応じてカーボン製の燃料キャップを供給することも可能だ。
カーボンといえば、標準のカーボンルーフには、ルーフラックも取り付けられるようになった。またこれまでは、スライディングルーフを装備したスチールバージョンにのみ装着可能だったが、カーボンルーフを装備したバージョンにも装着可能となった。

スムーズな横方向走行を実現するドリフトアナライザー

インテリアでは、BMWは正真正銘の花火のような色彩を放っている。
M4のコックピットは、まるでダイバーのウェットスーツのようだ。
メッセージはより多くの個性的なオプションだ。
その先に目を向けると、おなじみのコックピットに、新型Mモデルの典型的な装飾が施されている。
ドライバーとコドライバーは一体型のインテグラルシートに座る。
ステアリングホイールには、おなじみの赤いMボタンが2つあり、これを使って保存されたドライビングプロファイルを呼び出すことができる。
オートマチックバージョンのシフトパドルは、オプションでより大きなカーボンクレセントに変更することができる。
M専用のディスプレイを備えたフルデジタル計器は、常にバランスの後ろに配置されている。
ダッシュボード中央のインフォテイメントには、いくつかの楽しい工夫が施されている。
オプションのドリフトアナライザーでは、自分のドリフトの持続時間、距離、角度を記録することができる。
最適なラップタイムで作業したい場合は、ラップタイマーを使用できる。
また、スマホアプリを使えば、あらゆるトリップデータのラップを、ラップごとに分析して共有することも可能だ。

カーボン製のバケットシートは、9.6kgの重量を削り取り、残酷なまでにグリップする。

サーキット走行を得意とするユーザーのために、BMWは、合計9.6kgの軽量化を実現した軽量カーボンファイバーシートを新たにラインナップした。
このシートは非常にグリップ力が高く、シートというよりも穴で構成されているように見える。
ヘッドレストのインサートを取り外すことで、ヘルメットをかぶって運転する際に最適な着座位置を確保することができるようになっている。
先代モデルでは、ヘルメット着用時の前屈みの姿勢が常に批判の的であったため、これは良いことだと思われる。
そのためにオプションの「トラックパッケージ」が用意されている。
セラミックブレーキ、軽量ホイール、カーボンバケットシート、カーボントリム、V最高速度が250km/hから290km/hにアップする「Mドライバーズパッケージ」などが含まれている。
BMWによると、このパッケージで合計25kgの軽量化を実現しているという。

最新のMのプライスは?
購入意欲がわいてきた?
残念ながら、小切手帳を引き出すまでには、もう少し待たなければならない。
M3とM4の市場投入は、ベースモデルと後輪駆動コンペティションの両方とも、2021年3月が予定されている。
四輪駆動版はおそらく2021年夏の発売となるだろう。
実用性を重視する人にとっては、2022年まで待つ価値がある。
そうすれば、M3は初めてツーリングとして登場することになるだろう。
価格面では、M3は大きく飛躍している。
ベース価格は、税込みで82,500ユーロ(約1,030万円)から。
つまり、先代モデルに比して、約5000ユーロ(約62万円)の追加料金がかかることになる。
幸いなことに、その代わりに、より多くのパワーに加えて、より多くの技術が備わっている。
M4は、M3より、約1500ユーロ(約18万円)以上のコストがかかる。
コンペティションモデルは、M3が89,500ユーロ(約1,118万円)、M4が91,000ユーロ(約1,137万円)となっている。

リアは太い4本のテールパイプが支配している。

今度のM3とM4はずいぶん攻めてきたなぁ、というのが実感で、今までの一見普通のBMW3シリーズとそれほど違わないような形の車から、いきなり特別なグレードに変貌したように感じられる。これほどまでに特別なモデルに「M」がなってしまうことにはおそらく賛否両論があったはずで、大昔のM535iなんかを知っている人にとっては、なんだか馴染めない部分があるはずである。
そういう人の言うセリフは「羊の皮をかぶった狼」という例の表現で、一見普通のモデルと変わりがないクルマが、実はとんでもない性能を持っていたという、ジキルとハイドのようなところを好むのだろうと思う。
それが今度のM3とM4は、羊の皮をかぶってない、最初から狼のようなキドニーグリルと細部のデザインを持ち、一見して誰にでも特別なBMWであることがわかるようになっている。
内装にしてもそれは同じで、この華やかなカラーや形状など、乗る人の洋服を選んでしまうような感じさえ与える特別なものだ。個人的にこれはこれで決して嫌いではないが、でも毎日乗るクルマとして、こういう色や形が好ましいかと言うとちょっとためらってしまう。

そう、昔のMは普段も何くわぬ顔で仕事の足にも、冠婚葬祭にも使えるクルマという部分があったことがなんとも魅力的だったようにも思う。だが今度のM3とM4はそういうクルマではなく、常に特別な車であることを主張する自動車となった。今やそういう時代なのかもしれないし、BMWのマーケティング上、一見してわかるような違いを持たせた方が効果的、という作戦なのであろう。
新しいM3とM4は間違いなく格好良いし、カラーリングも華やかだ。だがわがままを言えば、そういう派手な部分がない、普通の3シリーズセダンと間違えてしまうようなスタンダードなM3もあったらいいのに、と思ってしまうのは少数派なのだろうか。せっかく直6エンジンとMTという「シブイ」組み合わせを残してくれたのだから、外観が「シブクナイ」のがなんだかとっても惜しい、のである。

【テクニカルデータ】

BMW M3 // M4:
● エンジン: 直列6気筒、ツインターボ ● 排気量: 2993cc ● 最高出力: 480PS@6250rpm ● 最大トルク: 550Nm@2650~6130rpm ● 駆動方式: 後輪駆動、6速MT ● 全長×全幅×全高: 4794×1903×1437mm // 4794×1887×1393mm ● 乾燥重量: 1705kg // 1700kg ● トランク容量: 480リットル // 440リットル ● 0-100km/h加速: 4.2秒 ● 最高速度: 250km/h(Mドライバーパッケージ=290km/h) ● 平均燃費: 9.2km/ℓ ● CO2排出量: 248g/km ● 価格: 82,500ユーロ(約1,030万円) // 84,000ユーロ(約1,050万円) ● 市場ローンチ: 2021年3月

BMW M3 // M4 コンペティション:
● エンジン: 直列6気筒、ツインターボ ● 排気量: 2993cc ● 最高出力: 510 PS@6250rpm ● 最大トルク: 650Nm@2750~5500rpm ● 後輪駆動、全輪駆動、8速AT ● 全長×全幅×全高: 4794×1903×1437mm // 4794×1887×1393mm ● 乾燥重量: 1730kg // 1725kg ● トランク容量: 480リットル // 440リットル ● 0-100km/h加速: 3.9秒 ● 最高速度: 250km/h(Mドライバーパッケージ=290km/h) ● 平均燃費: 9.8km/ℓ ● CO2排出量: 234g/km ● 価格: 89,500ユーロ(約1,118万円) // 91,500ユーロ(約1,143万円) ● 市場ローンチ: 2021年3月

Text: Moritz Doka
加筆:大林晃平
Photo: BMW Group