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【この特別なSLRなんぼ?】特別VIP顧客に納車された最後のメルセデスSLRマクラーレン スターリング モスがオークションに!

2024年10月3日

メルセデスSLRマクラーレン スターリング モス(Mercedes SLR Mclaren Stirling Moss):VIP顧客に納車された、最後のメルセデスSLRマクラーレン スターリング モス。走行距離わずか50km(!)のこのハイパーカーがオークションにかけられる!

「ポルシェ カレラGT」、「フェラーリ エンツォ」、「メルセデスSLRマクラーレン」: これらは2000年代初頭のスーパースポーツカー3台だ。「カレラGT」は150万ユーロ(約2億4千万円)以下では入手できなくなり、「エンツォ」は300万ユーロ(約4億8千万円)以下では事実上入手できなくなったが、「メルセデスSLRマクラーレン」は価格面では遅れをとっている。クーペの価格は35万ユーロから40万ユーロ(約5,600~6,400万円)で、元の価格よりもさらに低くなっている。しかし、「カレラGT」や「エンツォ」さえも時代遅れに見せてしまう「SLR」が1台ある。それは、超希少な「SLRスターリング モス」だ!

「メルセデスSLRマクラーレン スターリング モス」は、2003年にメルセデスとマクラーレンが共同開発した「SLR」の最高峰として、2009年に75台限定で発表された。この限定ロードスターは、1955年に伝説のレーサー、スターリング モス卿が「ミッレ ミリア」で優勝した「メルセデス300SLR」へのオマージュとして開発された。「SLRスターリング モス」は、他の「SLR」モデルとはほとんど共通点がないことがすぐにわかる。

650馬力のスーパーチャージャー付きV8エンジン

スーパーカー/ハイパーカーの分野で現在のバルケッタ(オープンカー)がトレンドとなるずっと以前(フェラーリ モンツァ SP1/SP2、マクラーレン エルバ、アストンマーティン スピードスターなど)、メルセデスはルーフ(あるいは折りたたみ式の幌)もフロントガラスもない車を発売した。これ以上に過激な車はないだろう。

ルーフもフロントガラスもない:SLRスターリング モスは、乗り手を選ぶ車である。

シャーシをはじめ広範囲にわたってチューニングが施された。「SLRスターリング モス」は“通常“の「SLR」よりも7mm幅が広い。この車は、現在ジェネシス社の主任デザイナーである韓国出身のイルフン ユン氏によって設計された。おなじみの5.4リッターV8スーパーチャージャー(M 155)は、一見どこまでも続きそうなボンネットの下に搭載され、出力は650馬力を発生、ノーマル「SLR」の626馬力から24馬力増加されている。そのパワーは5速オートマチックトランスミッションを介して後輪に伝達される。

クーペボディの「SLRスターリング モス」も650馬力と820Nmのトルクを発揮するが、ロードスターの重量は1,551kgと、クーペより200kg以上軽いため、「SLR」の最速バージョンとなり、最高速度は350kmに達する。最高速度を試す勇気のある人には、ヘルメットを着用することをお勧めする。

75台限定生産されたメルセデスSLRマクラーレン スターリング モスは、その大半がシルバーで、レッドボディは特別だ。

892,500ユーロ(約1億4,280万円)

2009年モデルのSLR Stirling Mossのベース価格は892,500ユーロ(約1億4,280万円)で、通常の「SLR」のほぼ2倍の価格だった。この個体についてはさらに高い価格になる可能性が高い。なぜなら、この個体は最後の「SLRスターリング モス」、75/75の1台なのだから。

この絶対的なコレクターズアイテムは、2024年10月6日にベルギーのクノック=ヘイストで開催される「Zoute Sale」で、オークションハウス、「ボナムズ(Bonhams)」によりオークションにかけられる。「SLRスターリング モス」はどれもがハイライトだが、この一台は特に際立っている。

スターリング モスと納車時の走行距離

2009年12月22日、75号車は最初の、そして現在まで唯一のオーナーであるメルセデスとアストンマーティンのVIP顧客のもとに納車された。2010年3月16日にスイスで登録されたにもかかわらず、「SLRスターリング モス」は一度も運転されていない。つまり、この車は走行距離わずか50kmでオークションに出品されるのだ!

赤いレザー、黄色のステッチ、シルバーカーボン: このインテリアは目を引く。

シルバーでオーダーされた大半の「SLRスターリング モス」とは異なり、このモデルの最初のオーナーは特別な赤いペイント仕上げ(オーダーコード000U)を選んだ。しかし、それだけではない。「722 S ロードスター」のシルバー塗装のホイールリム、ゴールドのブレーキキャリパー、イエローのステッチ入りのレッドレザーインテリア、シルバーカーボンのセンターコンソール、そして数々のクラウンロゴなど、VIP顧客の特別なステータスを証明する個々のディテールが存在する。

これらすべての特別装備を施した場合、価格は最低でも100万ユーロ(1億6千万円)前後になると思われるが、2009年以降、「SLRスターリング モス」の価格は上昇の一途をたどっている。しかも、その上昇率は急激だ!

スーパーチャージャー付きV8エンジンはフロントミッドシップに搭載され、650馬力を発揮する。これは、SLRスターリング モスを100km/hまで3.5秒で加速させるのに十分なパワーだ。

75台のうちの最後の1台となれば、その価格はおそらく450万ユーロ(約7億2千万円)を下回ることはないだろう。走行距離のある中古の「SLRスターリング モス」でさえも、現在、450万~500万ユーロ(約7億2千万円~8億円)で取引されているからだ。

驚くほど低いスタート価格

しかし、特別色で、多数の個別オプションが装備された最後の「SLRスターリング モス」が、150万ユーロから250万ユーロ(約2億4千万円~4億円)という比較的低めのスタート価格でオークションにかけられるというのは、さらに驚くべきことだ。この唯一の説明は、書類に関係している可能性がある。オークションハウスの説明によると、この車はスイスの書類とCoC文書(適合証明書)のコピー付きで提供される。

Text: Jan Götze
Photo: Bonhams