【このゴルフGTIなんぼ?】車重810kg&300馬力1.8T搭載VWゴルフGTI(1983)コンプリートコンバージョンモデル販売中!
2024年9月15日
VWゴルフ1 GTI(1983)コンプリートコンバージョン販売中!このゴルフ1 GTIはオリジナルではない。空っぽのインテリア、ロールケージ、セミスリックタイヤ、そして300馬力オーバーの4気筒。しかし、もしあなたが速いゴルフが好きなら、ひとつだけ心に留めておいてほしいことがある!
この「VWゴルフ1 GTI」は、オリジナリティ愛好家向きではない!無改造のオリジナルをお探しなら、この「ゴルフ1 GTI」の姿に驚くことだろう。超クイックなワンオフをお探しなら、このクルマが最適かもしれない。ただし、ステアリングホイールが右についていることがイヤでなければの話だが・・・。
「VWゴルフ1 GTI」を提供しているのは、いつも面白いクルマを販売している、イギリスのディーラー「ファーストクラシックス(Fast Classics)」だ。しかし、このゴルフは本当に特別なものだ。なぜなら、このゴルフのボンネットの下には、本当にたくさんのものが詰まっているからだ。
というのも、ディーラーの詳細な広告説明には興味深い情報がたくさん含まれているからだ。「ゴルフ」の歴史はほぼ検証可能である。1983年にサリーで納車されたのだから、これが右ハンドル車であることは驚くことではない。サービスブックレットにはスタンプが4つしか押されていないが、1980年代から90年代にかけての整備記録が多数あるという。
最初のエンジン交換ではない
その後、「GTI」は2000年代初頭に再生・再建されるまでの数年間、眠っていた。オリジナルの1.8リッター4気筒112馬力のスポーティなエンジンは、よりパワフルな2.0リッター16Vに換装された。同時に、わずか810kgのゴルフは完全に解体され、「アルペンホワイト」に塗装され、溶接されたロールケージが装着された。
しかし、前オーナーはこれでは物足りず、2016年にイギリスのVWとアウディのスペシャリスト「ザ ファーム(The Phirm)」に、もっとパワーを出してほしいと持ちかけた。すかさず16Vを捨て、1.8 Tの4気筒に換装することが決定された。チューニングのポテンシャルと耐久性の高さで知られるエンジンだ。
GTIは300馬力を超えると言われている
「ザ ファーム」は仕事に取りかかり、4気筒エンジンに数々の優れた、そして高価な機能を最適化した。とりわけ、大型のギャレットGT28ターボチャージャー、新しいインタークーラー、より強力な燃料ポンプ、特別なダウンパイプ、カスタマイズされた排気システムなどが取り付けられた。正確な出力はわかっていないようで、秘密にしておくべきだろう。ディーラーは単純に300馬力以上としているが、これはオリジナルの「GTI」の約3倍である。
しかし、エンジンの交換はほんの一部分に過ぎず、他のすべてのコンポーネントも性能の大幅な向上に対応している。例えば、ザックス製クラッチ付き5速マニュアルギアボックス、新しいフライホイール、リミテッドスリップデフが、パワーを路面に伝えるために取り付けられた。標準装備の貧弱なブレーキは、ブレンボ製のコンプリートシステムに交換された。
16インチのスチールホイール
巨大なパワーにもかかわらず、「GTI」は視覚的に目立たないようにする必要があった。新しい塗装に加え、スチール製リムが特に目を引く。16インチホイールは大径ブレーキに対応するために必要であり、コイルオーバーサスペンションによるローダウンと相まって、「GTI」に豊かな外観を与えている。セミスリックタイヤ(Toyo Proxes)は、このGTIが負けていないことをはっきりと示している。
一見すると、GTIはノーマルのように見えるが、大径ホイール、ロールケージ、XXLサイズテールパイプがコンバージョンを示している。
外観は控えめだが、インテリアはそうではない。コックピットは完全に裸にされ、余計なバラストは一切排除されている。むき出しのシートメタルが随所に見られる。溶接されたフルケージとケブラー製フルバケットシート(この場合、シートは実際にその名にふさわしい)は、レーシングカーの風格を漂わせている。少なくともダッシュボードの上部はそのままに、計器類は「ゴルフ2」から、ギアノブは「ゴルフ4」から流用されている。
GTIの価格は39,000ユーロ(約640万円)と予想されている
ディーラーによると、改造には約2万5000英ポンド(約480万円)かかったという。したがって、約32,995ポンド(約640万円)という希望価格は妥当と思われる。ただし、このモンスター「ゴルフ」のターゲット層はごく少数であろうことを忘れてはならない。
また、「GTI」がドイツのMOT(日本では陸運局)に相当するイギリスの「MOT」の車検許可を取得して提供されるとしても、この国ではMOTが何かと口を出したがるだろう。
Text: Jan Götze
Photo: Fast Classic