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モータースポーツの歴史が生きづく「Mercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsport」130周年を記念する特別限定車

2024年9月9日

メルセデス・ベンツがモータースポーツに関わって130周年。それを記念して「メルセデスAMG GT3 エディション130Y モータースポーツ(Mercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsport)」が限定13台リリースされた。

メルセデス・ベンツのモータースポーツ活動の歴史は、1894年7月22日にパリからルーアンまでを競う世界で最初の自動車レース、パリ~ルーアン間(126km)で、ダイムラー社製のエンジンを搭載した4台の「馬なし馬車(パナールとプジョー)」が上位を独占したことから始まる。そして130年の歳月を経て、メルセデス・ベンツは、スペシャルモデル「メルセデスAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツ(Mercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsport)」をリリースした。

今年、メルセデス・ベンツはモータースポーツの130周年を祝います。このお祝いは、スリ-ポインテッドスタ-のシンボルの下で行われます。そしてAMGは、モーターレースもDNAの重要な部分を占めています。Mercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsportは、私たちの歴史と、国際的に非常に成功したカスタマーレーシングプログラムへのコミットメントを再び強調するものです。このペブルビーチ・オートモーティブ・ウィークの特別な機会に、このエクスクルーシブなGT3コレクターズアイテムを当社ブランドのファンや愛好家に初めて紹介できることを嬉しく思います。
メルセデスAMG GmbHのCEO、メルセデス・ベンツ Gクラスおよびメルセデス・マイバッハのビジネスユニットの責任者 ミヒャエル・シーベ

レーシングレジェンドリマスター

このエクスクルーシブなGT3は、モータースポーツの象徴的な2つの時代を融合させている。最先端のモータースポーツテクノロジーと、1950年代の伝説的なレーシングカーのデザインの特徴と融合だ。680馬力を発揮するスペシャルモデルは、アファルターバッハで製造されたGT3車両の中で最もパワフルなモデル。また、メルセデスAMG GT3で自然吸気エンジンを搭載した最後のバージョンでもある。このエクスクルーシブエディションは、コレクターズアイテムとしてわずか13台の限定モデルとして全世界で発売される。

メルセデスAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツ(Mercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsport)が、米国カリフォルニア州ペブルビーチのオートモーティブウィークでワールドプレミアされた。

パフォーマンス:エアロアップデートとドラッグリダクションシステム

ベースモデルとは異なり、Mercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsportはホモロゲーションの制限を受けない。そのため、伝説的なAMG 6.3リッターV8自然吸気エンジンはエアリストリクターを持たず、特殊な排気システムにより、最高出力は680hp(500kW)を発生する。エアロダイナミクスコンポーネントも大幅に手を加えられ、フロントスプリッターとフロントフェンダーのエアアウトレット(ルーバー)を再設計。サイドスカートの変更、フロア-とリアディフューザーもダウンフォースを増加。幅広のリアウィングのエアロバランスの最適化により、GT3ベースモデルと比較してダウンフォースが15%増加した。

AMG製6.3リッターV8自然吸気エンジンの最高出力は680hp(500kW)。最高速度315km/h以上!

Formula 1®とClass 1 DTMにインスパイアされたドラッグリダクションシステム(DRS)は、新しいメイン機能。ステアリングホイールのボタンを押すだけで、リアウィングがフラットポジションに移動し、抗力が減少する。また、エアロバランスを維持するために、フロントフロアのアクティブエレメントが拡張されている。このテクノロジーにより、基本的に高いダウンフォースレベルにもかかわらず、最高速度は時速315km以上。横方向の加速または減速中、アクティブエレメントはすぐに元のダウンフォース位置に戻る。独自の高性能ブレーキシステムもFormula 1®にインスパイアされている。GT3のレギュレーションで義務付けられているスチールディスクとは対照的に、スペシャルモデルのブレーキディスクはカーボン製。同モデルがホモロゲーション済みのGT3バージョンよりも大幅に軽量化されている。

ドラッグリダクションシステム(DRS)を備えたリアウイング。

動力は、ギア比を変更したシーケンシャル6速レーシングトランスミッションを介して伝達される。すべてのメルセデスAMGレーシングカーと同様に、リアアクスルに取り付けられたトランスアクスルトランスミッションは、カーボンファイバー製トルクチューブによってねじれ剛性とトルク耐性のある方法でエンジンに接続されている。サスペンションには、フルアジャスタブルの4ウェイモータースポーツショックアブソーバーが装備されている。

このコレクターズアイテムは、シャシーに接続されたカーボンファイバー製セーフティセル、5点式ハーネス、安全ネット、スチール製ロールケージ、消火システム、安全タンク、緊急ハッチなど、メルセデスAMG GT3の実証済み安全性を装備。この広範囲に及ぶ装備には、効果的なレーシングABSとマルチ・アジャスタブルトラクションコントロールシステムも含まれている。

ユニークなメルセデスAMG GT3エディション130Yモータースポーツは、現在のモータースポーツポートフォリオの最高峰です。13台限定であるだけでなく、象徴的なAMG 6.3リッターV8自然吸気エンジンを搭載した最後のGT3バージョンでもあります。このエクスクルーシブエディションでは、公式のホモロゲーション以外でも何が可能かを示しており、多くの技術的な改良と軽量コンポーネントを統合しています。したがって、私たちは記念の年に別のマイルストーンを設定し、関心のある顧客に技術的にも視覚的にも非常に感情的な製品を提供します。
メルセデスAMGモータースポーツ責任者 クリストフ・ザゲミュラー

オーストラリアのマウント・パノラマ・サーキットで最速タイムを記録

2024年2月17日、オーストラリアのマウント パノラマサーキット(6.213km)にプロトタイプを持ち込みタイムアタックが行われた。そこで、メルセデスAMGのパフォーマンスドライバー、ジュール グーノン(Jules Gounon)が、GTカーのコースレコードを2.074秒更新し、1分56秒605のタイムを記録した。

Mercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsportプロトタイプがジュール・グーノン(Jules Gounon)のドライブでコースレコードとなる1分56秒605のタイムを記録した。

最先端のモータースポーツテクノロジーと伝統的なデザインの特徴

1952年に発売されたメルセデス・ベンツ 300SL(W194)レーシングスポーツカーは、限定版アニバーサリーモデルのデザインのインスピレーションとなっている。メルセデスAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツの外観はブランド初のクローズドトップレーシングカーのクラシックなスタイルが特徴。

伝説のメルセデス300SL(W194)とMercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsport。

エクスクルーシブなシルバーカラーの特別塗装仕上げは、伝説のシルバーアローズを彷彿させている。フロントフェンダーのブルーの菱形とラジエーターグリルのカラーリングは、歴史的に成功した車である証し。1952年にハンス クレンク(Hans Klenk)とカール クリング(Karl Kling)がカレラ パナメリカーナに、ヘルマン ラング(Hermann Lang)とフリッツ リース(Fritz Riess)がル・マン24時間レースで優勝した車のカラーリングである。重量を最適化した18インチマグネシウムホイールとカーボンエレメントは、ルーフの印象的なAMGクレストとともに、現代のレーシングスポーツカーへの架け橋となっている。

【名車物語その10】メルセデス・ベンツの生んだ名車中の名車「メルセデス 300SL(W194)」メルセデスから生まれたアイコンレーシングカー&世界的文化遺産https://autobild.jp/19735/

伝統と現代性の密接なつながりは、インテリアにも表れている。Bosch DDU 10コックピットディスプレイ、拡大画面、高解像度グラフィックスなどの先進的なモータースポーツテクノロジーにより、車両の操作をサポート。

アルマイト処理されたボタンとクルミ材のハンドルを備えたステアリングホイール。

インテリアは、ファン マヌエル ファンジオ(Juan Manuel Fangio)がステアリングを握り、世界的な名声を得た1955年のメルセデス・ベンツ300SLRモデルにインスパイアされている。この証は、ブルーの市松模様のファブリックを使用したシートの張り地、ブラウンレザーのヘッドレストの張り地とドアループに見ることができる。もう一つのハイライトは、アルマイト処理されたボタンとクルミ材のハンドルを備えた特別に開発されたステアリングホイール。さらに、センターコンソールにエディションバッジが取り付けられている。

市松模様のファブリックとブラウンレザーのヘッドレストがレジェンドレーシングカーとの接点である。

Mercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsport

エンジンAMG 6.3リッターV8自然吸気エンジン(エアリストリクターなし)
最大出力500kW / 680hp/7,250rpm
最大トルク730 Nm/5,250 rpm
トップスピード時速315km以上
ギアボックスシーケンシャルAMG 6速コンペティションギアボックス
電子デバイスモータースポーツエレクトロニクス、マルチアジャスタブルABS、AMGトラクションコントロール
ブレーキブレーキバランス調整式ハイパフォーマンスブレーキシステム、フロント:390mmカーボンブレーキディスク、6ピストン固定キャリパー、リア:355mmカーボンブレーキディスク、4ピストン固定キャリパー
ホイ-ル18インチAMGマグネシウムホイール、センターロック付き
シャ-シダブルウィッシュボーン製フロントアクスル/リアアクスル、アジャスタブルショックアブソーバー、アンチロールバー
エアロルーバー、スプリッター、サイドスカート、リアディフューザー、アンダーフロア、DRS(ドラッグリダクションシステム)付きリアウィング
燃料タンク120リットル、モータースポーツ用セーフティタンク
インテリアカーボン製セーフティセル、5点式ハーネス、セーフティネット、スチール製ロールケージ、消火システム、調整可能なステアリングホイールとペダル、ブルーの市松模様のファブリック製シートカバー、レザー製ドアループとヘッドレスト、エディション専用バッジ
コックピットボッシュDDU 10、シフトパドルと陽極酸化ノブとクルミのハンドルを備えた特別に開発されたステアリングホイール
寸法/重量全長4,795mm、全幅2,052mm、全高1,295mm。車両重量 1,275 kg
付属品車のカバー、レースギア、バッグ、パーソナライズされた鑑定書、1:8スケールモデルカー
小売価格1,030,000ユーロ(約1億7千万円)

レーシングギアと車両カバー

限定13台のMercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsportには、それぞれヘルメットをはじめレースギアが付属している。

車両カバー、レーシングスーツ、バッグなどのレースギアが付属する。

スペシャルモデルのために特別に開発された車両カバー、メルセデスAMGオフィシャルパートナーのPUMAが共同デザインし、パーソナライズされたレーシングスーツ、グローブ、レーシングアンダーウェア、シューズ。BELLの高品質でカスタマイズされたヘルメット。また、スタイリッシュなブルーの市松模様のシートカバーに合うようにデザインされ、すべてのレース用品を収納するのに十分なスペースを確保したパーソナライズされたバッグも提供される。そして、Mercedes-AMG GT3 Edition 130Y Motorsportの1:8スケールモデルカーと、パーソナライズされた鑑定書が付いている。

Text:アウトビルトジャパン/妻谷裕二
Photo:Mercedes-Benz Group