【このクルマなんぼ?】ゴルフI GTI最後のエディション 1983年VWゴルフGTIピレリ
2020年9月5日
VWゴルフI GTIピレリ(1983): ホイール、エンジン、購入、価格
なんと! オリジナルコンディションの希少なピレリゴルフ1 GTI、販売中! 112馬力とオリジナルホイールを備え持つゴルフI GTIピレリは、40年近く経った今でも、探し求める人たちがいる。そして、今、オリジナルコンディションの個体が売りに出ている。そしてその値段は決して高くない!
1983年製のこのゴルフGTIピレリは非常に特別なものだ。
112馬力と典型的なピレリのホイールを備え持つこの車は、VWが伝説的な初代GTIに別れを告げるために作った1台だ。
そしてこの個体は、オリジナルの状態で、当初のボディペイントのままだ。
走行距離は、90,108 km。
そして現在、24,750ユーロ(約310万円)という価格で、オランダのディーラーが販売している。
独特(ユニーク)なコンディションのままで37年の歳月
前述のとおり、これまでのところ、このゴルフは90,108キロ走っており、前の所有者は2人いた。
最初のオーナーは2010年まで所有していた。
ディーラーによると、車は100%オリジナルの状態だという。
軽いパティーナ(青緑)はその一部だが、錆ではない。
GTIピレリは、当時すでに、112馬力を発揮する1.8リッター4気筒の大物エンジンを搭載していた。
もちろんギアはマニュアルで操作し、切り替えられるようになっている。
ノーマルバージョンのゴルフ1との光学的な違いは印象的で、はっきりしている。
赤いグリルのボーダー、GTIの書き込み、フロントスポイラーなどがその違いだ。
ピレリの傑出した特徴はもちろん、様式化された「P」を備えたホイールである一方、本当のコレクターズアイテムとして、初代GTIをアップグレードしたもので、今でも多くのファンから熱く望まれている。
しかし、その結果、ピレリホイールを装着し、ピレリゴルフとして公道上を走っているノーマルモデルのゴルフIも、多く見受けるようになった。
このピレリGTIの内側には、80年代初頭の魅力が滲み出ている。
角張ったコックピットの風景は、スポーツステアリングホイールや赤で補強されたスポーツシート、ゴルフボールのギアノブなどが引き立てている。
一見すると、ほとんど使われていないように見えるインテリアだ。
ゴルフI GTIピレリの値段は24,750ユーロ(約314万円)
オランダのディーラーは、この特別なゴルフのために24,750ユーロ(約314万円)を要求している。
それは一見して高額のように聞こえるかもしれない。
しかし、クラシックデータによれば、コンディション3のゴルフI GTIピレリは29,900ユーロ(約380万円)とコンディション2で19,500ユーロ(約250万円)と位置付けしている。
したがって発表された24,750ユーロ(約314万円)は、リーズナブルだと言える。
特に独創性なゴルフモデルを好むファンにとっては、このゴルフはとても興味深い個体と言えよう。
大規模な納車サービスは、発送前に行われ、ディーラーは1年間の保証を提供している。
ゴルフGTIといったら、やっぱりこれ、か、ゴルフⅡのGTI(できれば16V)でしょう。そういう人は多いのだろうが、10万キロも走ったGTIが300万円というのは、なかなか考えてしまう値段ではある。
写真を見る限り内装はきれいでオリジナルを保っているし、外装も若干バンパーが劣化している気もするが(そんなことあたりまえだ)、程度はかなり良さそうな感じがする。さらに一年間の保証という望外なサービスもつくし、であるならば、とも考えてしまうが、それでも10万キロに変わりはない。
まあ10万キロが過走行というのは日本人的な考えで、実はドイツとかアメリカあたりでは当たり前も当たり前な距離ではあるが、この年式で10万キロのゴルフというのはやはり苦労なしでは所有できない物件だろう。
だが、この車を欲しいという人を僕は止める気もないし、むしろ欲しいものは買っておくべきだとも思う。昔の憧れというのは色あせずに常に心の中で鮮明なままだし、その憧れがちゃんと形を伴って自分の近くに存在するのであれば、その絶対的な性能や信頼性など問題にはならない。むしろ維持することの苦労を楽しむ、くらいの心構えでいれば何も問題ない。
そもそもゴルフIのGTIが日本に並行輸入された時は(当時の価格にも関わらず)、もっとずっと高かったし、一般的な人にとってはとにかく雲の上の存在であったはずだ。そのことを考えれば、最新のカローラの最上級モデルと同じこの価格は、それほど高くはないとも思えてくる。
車を所有することで、あの頃の思い出や残像や香りが蘇ってくるのであれば、この価格は(程度もよさそうだし)納得のいくものではないだろうか。
Text: Matthias Techau, Peter R. Fischer
加筆:大林晃平