トヨタ スープラMk4(第4世代)、脅威の価格
2020年7月10日
トヨタ スープラMK4(1998): 購入、2JZ、ツインターボ—
ここ何年もの間、中古のトヨタスープラMK4(A80)の価格は上昇し続けている。つい先ごろ第5世代スープラが発表後ファンの間で話題の的になる一方、第4世代スープラの存在はますます注目を浴び、その関心はさらに過熱していっている。2JZエンジンを搭載したMT仕様の左ハンドル車はいまや4万ユーロ(約500万円)未満では購入できなくなった。 しかし、米国のディーラーがこのスープラに求めている価格は、善悪を超えて、なんと50万ドル(約5,500万円)だ!
ロールスロイス ファントムの価格のトヨタ!
このスープラは、カリフォルニアの「Iconic Coach」によって市場にアップされた。大きなリアウイングやアクティブフロントスポイラーといった空力パッケージを兼ね備えたタルガバージョンだ。ボンネットの下に搭載された2JZツインターボ6シリンダーから330馬力を発揮、マニュアルで操作する。このスープラは「クイックシルバーエディション」で、ボディカラーに特別塗装色「クイックシルバー」を使っているのが特徴。A80スープラ「15周年記念モデル」という特別なシリーズで、生産された1998年に米国でのみ入手可能だった。ディーラーによれば、マニュアルトランスミッション付きのこの色にペイントされたスープラは24台のみというかなり希少なモデルだ。さらに、クーペの総走行距離はたった37,257マイル(59,959 km)だ。フロントスポイラーのリップとバルブカバーはボディカラーで塗装されている。それ以外は完全にオリジナルのままだ。
そしてこれらの事実と要素が、かなり馬鹿げた提示価格につながる。ディーラー提示額の499,999ドル(約5,500万円)は452,000ユーロに相当する。それよりも3,000ユーロ(約37万5千円)安い、ロールスロイス ファントムが市場には存在する。また、過去にはAUTO BILD中古車マーケットで、総走行距離46,000 kmのMT仕様のSupra MK4が49,990ユーロ(約625万円)で購入された実績がある。そしてすでに50,000ユーロを超えるスープラも欧州市場では売られている。だが果たしてこのスープラは、その9倍の価値があるだろうか?
Auto Bildボランティアライター、Moritz Dokaのコメント:「そんな価格はありえない!」
「スープラMK4(A80)の熱烈なファンであり、2JZファンでもある私は、過熱状態のブームを完璧に理解しています。でもスープラの価格は(スカイラインの価格と同じように)、最近完全に引き上げられました。Iconic Coachのようなオファーはとんでもないことです。彼らはその狂気的なブームを完全に利用しようとしており、100%現実を見失っています。そして最悪なのは、彼らは価値を超えて売られている他のすべてのスープラの価格をも押し上げているということです。そして悲しいことに、物理的かつ現実的に、これらの車の技術に熱心な人々にはもはや手の届かないクルマになりつつあります。そして、幸か不幸か、すでに、スープラMK4を所有している人は、Iconic Coachのような価格のおかげで、安易に、あるいは安価で、手放すことができなくなっています。それはとても残念なことです。なぜなら、ドライビングマシーンであるスープラMK4は、コレクターのガレージの中で安穏と過ごすために作られていないからです。日本では、価格の急騰を食い止めようとする試みが行われています。少なくとも日本の国内市場で価格を維持するために、ますます多くのディーラーやトレーダーが日本車を海外で販売することを拒否し始めています。このような価格上限は、きっと元々ヨーロッパで販売されていた車両にも役立つはずです!」
Text: Moritz Doka
Photos: Iconic Coach