【名車の祭典】「コンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステ2024」コモ湖で開催される最も伝統的でラグジュアリーなクラシックカーの祭典
2024年6月5日
コンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステ2024(The Concorso d’Eleganza Villa d’Este2024): ポルシェ、マクラーレン、メルセデス、ケーニグセグ、そして純粋なラグジュアリー!コモ湖で開催されるコンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステ。コモ湖で開催されるコンコルソ デレガンツァは、ヨーロッパで最も華やかな自動車イベントだ。
ミラノから北へ車で1時間弱のコモ湖畔にある伝説的なヴィラ デステは、気温13度と肌寒い天候だったが、歴史的な「グランドホテル チェルノビオ」を囲む公園には、50台以上のクラシックカーが展示され、そのロケーションや景観のユニークさには他の旧車イベントは到底かなわない。
招待客は、シャンパングラスを片手にドレスアップして、テーマごとに何ヶ月もかけて豪華に演出されたさまざまな車両クラスの前を通り過ぎる。1923年製「フィアット ティーポ20 S」、1934年製「キャデラックV16」、1955年製「メルセデス300 SL」、1971年製「マセラティ クアトロポルテAM121」、ショートホイールベースの赤い1972年製「メルセデス600」など、世界中のコレクターが珍しいモデルをコンコルソに出品する。
観客は歓喜に沸き、見物客は談笑し、写真を撮り、審査員はクラシックカーを入念に精査して最高のクルマを表彰する。
昨年は雨が降り続き、今年の「コンコルソ デレガンツァ」は曇り空の涼しい天候となったが、日曜日には晴れ間も見えた。
結局のところ、この野外イベントの特徴は、北イタリアの山間の湖畔というユニークなロケーションや、すぐ近くにある歴史的な別荘、あるいは富豪や有名人の訪問だけでなく、天候にもある。
コンコルソは、100年にわたる自動車の歴史から生まれたクラシックカーだけでなく、明るい日差しの中で見違えるような、一見の価値がある新型車も展示する。BMWはこのイベントで、数週間後にル・マン24時間レースで優勝を争う20台目のアートカーだけでなく、50台という小規模なシリーズで製造される可能性が最も高い、驚くほど美しいラグジュアリータルガである「BMWコンセプト スカイトップ」の壮大なスタディモデルも公開した。価格は50万ユーロ(約8,500万円)以上。
一方、ロールス・ロイスは、改良されたばかりの「カリナン シリーズII」を展示し、クルマ好きは、「ロータス タイプ66」、キュートな「トライアンフTR25」、「ケーニグセグCC850」といったクルマを楽しんだ。
しかし、「コンコルソ デレガンツァ」の見どころは、ヴィラ デステの敷地内にある100万ドルのクラシックカーだけではない。数百メートル先にあるヴィラ エルバの敷地も、それに劣らず美しい。あらゆるメーカーのクラブ、ヨーロッパ中の自動車ファン、あらゆる時代のコレクターがここに集う。クルマが好きで、コレクターやメーカーの名車と一緒に自分の愛車も披露するのが好きな人たちが1万人も訪れる、家族連れやファンで賑わうお祭りだ。
ハイライトは、「ランボルギーニ ミウラ」、「ランチア ストラトス」、「フィアット132」、初代「BMW 5シリーズ」など、自動車の美を創造した最近亡くなったスターデザイナー、マルチェロ ガンディーニの最も有名なモデルを集めた特別展示だった。
それでもまだ物足りないという方は、チェルノッビオとコモの間を20分ほど歩いて、壊滅的な交通事情からますます注目を集めているイベント、「フオーリ コンコルソ」を訪れてみてはいかがだろう。ここにも、1950年代の歴史的レーシングカーから現代の「アストンマーティン ヴァンテージ」まで、驚嘆すべきユニークな逸品がある。
このコンコルソでも、クルマだけが音楽を奏でるわけではない。コモ湖の風景こそが、その違いを生み出し、この比類ない雰囲気を広げているのだ。8月中旬に開催されるカラフルな「モントレー カー ウィーク」、ペブルビーチで開催される「コンクール デレガンス」をハイライトとする世界で最も高級で美しい自動車イベントでさえ、このような雰囲気を味わうことはできない。
Text: Stefan Grundhoff
Photo: Gudrun Muschalla / Hardy Mutschler