画期的なバッテリーを発明した人が次のノーベル賞受賞者だ EV用バッテリー
2020年8月13日
電気自動車用バッテリー: 航続距離大幅拡大のための突破口
研究者たちは電気自動車の航続距離の大幅延長に突破口を開いたのか? 航続距離は、おそらく良い電気自動車にとって最も重要な基準だ。しかし、バッテリーも長持ちしなければならない。米国の研究者たちはついに充電なしで何百キロも走行できる道を切り開いたのかもしれない。
エンジンでもコックピットでもなく、バッテリーこそが電気自動車の最も重要な部品だ。
それは主にバッテリーが、時間がかかり、神経をすり減らすような充電をしなくても、どこまで走行できるかという責任を担っているからだ。
エネルギー貯蔵の最も一般的な形態は、現在のところリチウムイオン電池だが、エネルギー密度&蓄積の点で限界がある。
そこで、科学者たちはかなり長い間、リチウムイオン電池の代わりにリチウムメタル電池の実験を行ってきた。
それらの電池では、通常のグラファイトアノード(正極; その反対は陰極と呼ばれている)は、リチウムメタルに置き換えられ、30パーセントから50パーセント、より多くの航続距離を可能とすると言われている。
しかし、問題もある。
それは、この種のイオン交換により、リチウム負極に触手のような突起、いわゆるデンドライトが形成されるためだ。
これは電池の寿命を損ない、安全性に悪影響を及ぼす。
デンドライトが形成されるのは、アノードが周囲の液体電解質とより強く反応するためである。
カリフォルニア州の有名なローレンス バークレー国立研究所(バークレー研究所)の米国の研究者たちは、カーネギーメロン大学との共同研究で解決策を見つけたと考えている。
彼らは、アノードが周囲の液体電解質とより強く反応し、デンドライトが広がって電池を麻痺させる初期段階でデンドライトを抑制するポリマーやセラミックで作られた固体電解質や新開発のソフトウェアに関して報告している。
スタンフォード大学: 溶液としてのフッ素添加
同様に、有望なニュースは、これまた米国の有名なエリート校、スタンフォード大学から2020年7月に到着した。
スタンフォードの研究者は、フッ素を添加することで、液体をより安定で長持ちするようにしたと述べている。
結果として得られたFDMB電解質は、簡単に、大量に、かなり安価に生産することができたと発表した。
そして。テストでは、420回の充放電サイクルを経ても、電池の容量の90%を保持していたと報告されている。
リチウムメタル電池は通常、実験室ではわずか30回の充電サイクル後に動作が停止される。
2020年3月には、サムスンが800キロの航続距離を約束する固体電池のプロトタイプを発表したが、おそらく、それらが実用化するまでには、まだまだ時間がかかるであろう。
それでも今後様々なバッテリーが世の中に登場することが予想されるし、そういった競争こそが技術を発展させるのである。
LEDとリチウムイオンでノーベル賞を獲った我が国の研究者のみなさんにもがんばってほしい。
Text: Christian Jeß