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【このSL AMGなんぼ?】初代オーナーは日本人!わずか42台製造された「メルセデス SL73 AMG」の落札価格は?アメージング!

2024年3月21日

メルセデス・ベンツ SL73 AMG(1999):わずか42台しか製造されなかったと言われるメルセデス SL73 AMGが、アメリカのオークションで、56万ユーロ(約9,000万円)以上で落札された!

ある人にとっては単なる25年落ちのメルセデスが、一部のコレクターにとってはメルセデスヤングタイマーの聖杯のようなものだ。オークションハウスRMサザビーズ(RM Sothebys)で、希少な「メルセデス SL73 AMG」が信じられないような金額で競り落とされた。最終価格が予想価格を大幅に上回ったケース。

80年代、90年代の希少なメルセデスのヤング/オールドタイマーをめぐる誇大宣伝はとどまるところを知らない。最近、マイアミで「メルセデス SL73 AMG」が記録的な価格で落札されたと報じられた。「SL70 AMG」「SL73 AMG」は、長年コレクターの垂涎の的であるが、それは生産台数に関する信頼できる情報がほとんどないことにも起因している。公式にはコンプリートモデルが存在せず「SL 600」の購入者からのオーダーで、アファルターバッハのAMGで改造されたに過ぎないという事実によるものである。当時すでに高価だった「SL 600」に改造を施した顧客はそれほど多くなかった。

わずか42台のSL73 AMGが製造されたと言われる

今日、「70」「73」の「Sクラス」、「CL」、「SL」が登場するたびに、大きな関心が寄せられている。マイアミのRMサザビーズがオークションに出品したこの1999年型「SL73 AMG」も例外ではない。RMサザビーズによると、1999年から2001年の間にR129「SL」が42台だけ、名高い「SL73 AMG」に改造されたと説明している。

非常に控えめ:一見したところ、SL73はAMGパッケージ付きのSL 600と見分けがつかない。ボディカラーのハードトップは購入価格に含まれている。

「SL 600」の6リッターV12(M120E60)を7.3リッターにボアアップ。出力は394馬力、570Nmから525馬力、750Nmへと向上した。同時に、改良されたドライブシャフト、大型のブレーキシステム、カスタマイズされたトランスミッション制御システムがアファルターバッハのAMGで組まれた。1999年当時のコンバージョンパッケージの価格は99,180マルク(約820万円)で、もちろん「SL 600」の基本価格約240,000マルク(約2,000万円)は含まれない。

世界最速のロードスター

5速オートマチックトランスミッションは「SL 600」から流用されたが、専用のマッピングデータが与えられた。300km/hのスピードメーターも装備されたが、一部の情報筋によれば、これは控えめな数字で、「SL73 AMG」は簡単に320km/hを超えたと言われており、25年ほど前は世界最速のロードスターと言われた。

AMGではV12を5987ccから7291ccにボアアップ。最高出力は131馬力アップの525馬力と750Nmになった。

AMGのトップモデルは、見た目は非常に控えめで、AMGパッケージを装着した通常の「SL」とほとんど見分けがつかない。当時、人目を引く派手な大型スポイラー、4本出しエキゾーストで加飾したイタリアの競合メーカーの「R129」も話題を呼んだ。

内外装ブラック/ブラックのカラーコンビネーション(ハードトップも付属)の「SL73 AMG」は、1999年10月に日本のオーナーに引き渡された。そして、この時期のAMGモデルの多くがそうであったように、日本からヨーロッパへ行った後、アメリカに渡る。

走行距離35,000km未満

この「SL73 AMG」は日本のオーナーから、2015年にスイスの大規模なコレクションを持つコレクターに売却された。ほとんど乗られることなく、9年後にわずか34,876kmの走行距離でオークションに出品された。写真で見る限り、ロードスターは内外装ともに非常に手入れの行き届いた印象を与える。唯一の小傷は、エンジンのカーボンファイバー製カバーに小さなひび割れがあること。この手のクルマでは珍しくないキズだ。

内外装ともに黒という古典的な色の組み合わせが時代を感じさせる。走行距離が35,000km未満といこともあるが、とてもよく手入れされているためインテリアはヤレがない。

そこで価格である。すでに述べたように、AMGのヤングタイマーは近年ますます人気が高まっており、それゆえ価値も高くなっている中で、この「SL73 AMG」は、あらゆる記録を塗り替えた。

これがSL73 AMGの価格だ

RMサザビーズが発表した「SL」の推定価格23万ユーロから41万4000ユーロ(約3,680~6,690万円)は、すでに高額だが、結果はさらに驚くべきものとなった。入札合戦が繰り広げられ、最終的に562,178ユーロ(約9,000万円)という、信じられない価格で落札された。

最近では、ブルネイのスルタンのために特注されたと思われる初期の「SL73 AMG」が、40万ユーロ(約6,400万円)相当でオークションで落札された。この「SL73」はさらに16万ユーロ(約2,560万円)以上高い!

比較のために言っておくと、「R129」シリーズの「SL 600」は、中古車市場でで、25,000ユーロ(約400万円)前後から入手可能で、こちらもV12を搭載している。排気量が7.3リッターではないだけだ・・・。

Text: Jan Götze
Photo: RM Sothebys