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テスト スウェーデンからの高性能EVセダン ポールスター2をテスト その実力は?

2020年7月29日

ポールスター2: テスト、パワーユニット、価格

ポールスター2はテスラの本当のトラウマになるだろう。テスラ モデル3にとっては安閑としていられない事態になってきたし、ポールスター2は、強力なライバルとなりえるだろう。シックなこのスウェーデン製EVサルーンをテストした。

トーマス インゲンラート(Thomas Ingenlath)は、強力な階級闘争が支配する自動車業界において、これまで、どのデザイナーも成し得なかったことを達成した。
つまり、彼はブランドのボス(ポールスターのCEO)に上り詰めたのだ。
未来のモビリティのビジョンである車。その車は持続可能に開発製造され、ゼロエミッションで走行する。そして、それは私たちをポールスター2へと導く。
このEVセダンは、明らかに時代を先取りしており、現代の最も驚くべき車の1台だ。

それはまず、大胆なエクステリアから始まる。

ブランドのボスがデザイナーであるので、何ら不思議ではない。
大きな変更もなく、ポールスターP2は、コンセプトモデルから生産モデルとなって市場に投入された。
P2は一見すると、他の車とは違って見えるが、基本的な美学において、BMW i3の恐ろしいまでに奇抜なスタイルと似通ってもいる。

ポールスター2の操作は、わかりやすく直感的だ

インテリアは比較的簡素にできている。
最小限に抑えられたスイッチ類、センターコンソールの大型タッチパッド。
ダッシュボードのファブリックのような上質な素材。
そして何より驚いたのは、ポールスター2はおそらく、運転手であるあなたがすぐにマニュアルを求めて叫ぶことがない、AppleのiPhoneのように直感的に使用することができる、唯一のデジタルカーだということだ。そのオペレーティングシステムは Google から来ているにもかかわらず…。
画面上の4つの大きなタイル(一目でわかる)が、ポールスターを操作するために必要なすべてだ。
常にオンの状態になっているボイスコントロールシステムは、これまでのどの車に搭載されていたものよりも優れたシステムであることが瞬時にわかる。あなたはすぐに慣れて、ポールスターと会話やおしゃべりを楽しみ始めるだろう。
「シートヒーターをつけて」、「明日の天気はどうなるかな?」、「近くのスーパーまで運転して、買い物に行かないといけないんだけど」、「家に帰りたいから案内して」。
すべてがあまりにも自然に機能するので、少し前まではそうではなかったことなど忘れてしまいそうになる。

最小限に抑えられたスイッチ類、センターコンソールの大型タッチパッド。ダッシュボードのファブリックのような上質な素材。ポールスター2はインテリアもシックだ。

ドライビングダイナミクスに関しては、P2は一切妥協しない

このポールスターはお買い得なのだろうか?
そう思う。
なぜなら、それだけの価値があるからだ。
ポールスター2は単純に良い車に仕上がっている。
きちんとチューニングされていて、快適性の面ではわずかな欠点も感じさせず、サスペンションも優れていて、シャシーノイズを減衰させ、風切り音からもしっかりとシールドされていて、快適なシートと低い着座位置を提供してくれる。
テスラ モデル3に乗ったことがある人なら、その快適さに安堵のため息をつくだろう。
ステアリングはタイトで、ボルボの姉妹モデルの鈍いステアリングフィールとは比較にならない。
シャシーはまた、驚くほどのコーナリング速度、高速での車線変更を可能にするほどのポテンシャルを持っている。またその乗り味や運転感覚も大変すぐれている。
チーフエンジニアのヨアキム ライドホルムは、その感覚を、「サクサク」と呼んでいるが、まさにその通りで、それ以上の表現はないだろう。
そして確かに、ポールスター2は速い。
408馬力と660Nmは、車を地平線に向かって強烈にプッシュする。
他の言葉で表現するなら、0から100km/hまで4.7秒で到達する。
高速道路で前を走っていた車がバックミラーに小さく映る。
最高速度はバッテリーのことを考えて、204km/hに制限されている。

スポーティだ。ポールスター2は0から100km/hまで4.7秒で加速する。強靭なシャシーは高速コーナリングを可能にする。

レジでポールスター2はドイツの競争相手を打ち負かす
そして航続距離に関しても、まったく心配する必要はない。
ポールスターの保証する470キロという距離は、日常生活はもちろんのこと、遠距離旅行にも、充分適している。
価格さえも良心的だ。
ほぼフル装備を備えたこのクラスのEVセダンで、53,540ユーロ(約669万円)という価格(40,000ユーロ=約500万円前後のエントリーレベルのモデルは、2021年に登場予定)は、比較的リーズナブルと言えよう。
政府からの補助金を差し引けば、ポールスター2は、アウディ、BMW、メルセデスといった競合他社の同セグメントモデルよりもかなり安くなる。
ポールスター2は2020年10月からマーケットに投入される。

絶対的な競争力を有する。ポールスター2は、現在53,540 ユーロ(約669万円)から入手可能だ。加えて環境ボーナス(政府補助金)分、安くなる。

テクニカルデータ: ポールスター2
• エンジン: 電動モーター×2基 • 最高出力: 300kW(408PS) • 最大トルク: 660Nm • 駆動方式: 全輪駆動、インプットギアボックス • 全長×全幅×全高: 4606×1985×1479mm • 乾燥重量: 2123kg • 最高速度: 205km/h • 0-100km/h加速: 4.7秒 • 航続距離: 470km • 価格: 53,540ユーロ(約669万円)より

結論:
ストレートにこの車はいいと思う。
優れてチューニングされたシャシーとともに、ポールスター2の高品質はトップレベルとしての条件を満たしている。
ポールスター2は、多くの人の共感を勝ち取るだろう。
間違いなくお薦めだ。
AUTO BILDテストスコア: 1

今回のテストを素直に(?)信じるのであれば、ポールスター2は大変すばらしい完成度の高い魅力的な内容を持っている(らしい)。
なにしろガソリンエンジンモデル、およびディーゼルエンジンモデルよりも、このポールスター2のほうが優れていて魅力的だというレポートなのだから、正直言ってかなり驚いた。
価格に関しても、オプションはさすがに別途であろうが、この価格であれば他のEVと比較しても十分に納得のいく範囲内だと思うし、内容を考えればかなり説得力のある値付けではある。
普通のガソリンエンジン、ディーゼルエンジンモデルとは全く異なったボディデザインもなかなかスタイリッシュだし、内装も一新するなどその力の入れようはかなりのものである、といってよい。
こうなってくると本文にも記されている通り、一番のライバルであるテスラも安穏としていることは許されず、今後はかなりの苦戦も予想されるのではないだろうか。
なにしろこちらはセーフティを長年売りにしている自動車メーカー、天下の「ボルボ」のブランド製品であるわけだし、テスラに一番欠けていると思われる信頼性とか、安全性に関しては最初から標準装備されているようなものだ。正直言うとまだまだ個人的には電気自動車を購入することなどしばらくはないだろうと思い続けてきたが、長足の進歩を続けるその姿を見ると、意外と数年後には自分のガレージに入っているかもしれない、そう思うように最近なってきた。
そうなってくると、電気自動車うんぬんかんぬんよりも、いろいろと車に話しかけなくてはいけないボイスコントロールのほうがなんだか馴染めそうもないかも、などと思ってしまうのは、もう私のほうが時代遅れになりつつあるからなのだろう。

Text: Stefan Voswinkel
加筆:大林晃平
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD